健康でいつづける為に・・・

健康でいつづける為に・・・

運動範囲と弊害


運動の範囲と運動による弊害


これまでは運動の良い面をお伝えさせていただきましたが、健康維持に欠かせない運動であっても実はその反対に弊害もあるのです。
それは私達が生きていく上で欠かせない「 酸素 」と、運動をしている時の「 姿勢 」に深い関わりがあります。

運動と活性酸素

スポーツ愛好家の方々の中には一度にたくさんの運動にチャレンジしたり、過酷なトレーニングを積んでご自分を鍛え上げている方も多くいらっしゃいますし、また、”お付き合い”で一度にたくさんの運動をされている方もいらっしゃいますが、 過度の運動は 活性酸素 の増加を引き起こして身体に害を及ぼす という研究結果が報告され(読売新聞95-10-24)、昨今のメディアなどではなにかと取り上げられるようになりました。
この「活性酸素」とそれによる弊害については こちら で詳しくご説明していますが、活性酸素というものの影響を考えるとスポーツ選手に短命の人が多いという統計には一理あるようです。
この活性酸素による問題を回避するために「適度な運動」を心掛けると言われてきたわけですが、その基準はなかなか判断しにくいものです。それは、年齢、体質、体調や食生活によって千差万別だからです。

■ 活性酸素と酵素

誰であっても運動、食生活、ストレス、その他の要因によって活性酸素をその体内で作り出していますが、私たちの体もただ手をこまねいているだけではなく「酵素」を作り出して活性酸素を打ち消しています。
活性酸素の働きを防ぐ酵素のことを「抗酸化物質」と呼んでいますが、その種類には3つあります。

 1.活性酸素の
発生を抑える 働きを持つもの
 2.活性酸素を
取り除く 働きを持つもの
 3.活性酸素によって
傷ついた細胞を修復する 働きを持つもの

上記3つの内、1と3は人間の体内で作り出されていますが、2は 食品 によって補う必要があります。
そしてまた「酵素」を作り出す身体の能力はその人の体質、運動の量や頻度、食生活によって違ってきます。
例えば、日頃からよく運動をしている人というのは、その身体が「酵素」を作り出すことに慣れていますが、普段ほとんど運動をしない人が急に激しい運動をしても「酵素」はなかなか作り出されません。
それよりはむしろ活性酸素のほうが大量に作り出されてかえって逆効果となってしまいます。
また、日頃からよく運動をしている人でも、その食生活やその時の気分、体調によって「酵素」が作り出される量には違いがあります。
これらのことを考慮した上で運動の計画を立てることが必要になります。

■ ポイントは適度な運動

運動と活性酸素の問題を解決するための対策として「適度な運動」を心掛けるということがいわれてきました。
例えば「軽く息が切れる程度」とか、「となりの人と会話ができる程度」などです。
このような表現に合わせて運動量を決めてもいいのですが、これでは曖昧すぎるという方のために一応の目安となることを次に書いてみます。

※※  「適度な運動」の判断の目安  ※※

運動は次の3つの要素で成り立っています。すなわち「 強さ 」と「 時間 」と「 頻度 」です。
この3つの要素がご自分にあった運動量を判断する基本的な目安となります。下記の3つの指標を参考にして、ご自分に見合った運動量を設定してください。

★ 運動の 強さ の指標 :運動の強さ(強度)を設定するためには、ご自分の心拍数(脈拍)を把握する
               必要があります。まずは自分を知ることから始めてください。
                適度な運動の強さは
運動直後の 心拍数(脈拍) で判断します。
                (心拍計をお持ちの場合は、運動中の数値で判断します)

≪心拍数(安静心拍数)の計り方≫
      朝、布団から起きる前に3日~1週間計ってその平均値を求めます。
      1日でも構いませんが平均値を求める方が確かな数値が得られます。
      計り方は10秒間計って6倍、または20秒計って3倍した値が安静心拍数です。

≪運動の適度な強さ(心拍数)の求め方≫
カルボーネン法( 運動習慣のある方、若い方 )
        
{(220-年齢)-安静心拍数}× ※ 目標とする強度+安静心拍数
             (例)30歳、安静心拍数50、体力を増強したい人の場合
                   {(220-30)-50}×0.7+50= 148(拍/分)

ゼロ・トゥ・ピーク法( 運動習慣のない方、高齢者、虚弱体質の方 )
                 
(220-年齢)× ※ 目標とする強度
             (例1)30歳、安静心拍数50、体力を増強したい人の場合
                   (220-30)×0.7= 133(拍/分)
             (例2)50歳、安静心拍数70、体力の弱い人の場合
                   (220-50)×0.5= 85(拍/分)

※ 目標とする強度
目標とする強度
エネルギー源 : 適度な運動としての価値
・体力の弱い人
・ 後期高齢者
0.4~0.5
脂肪 : 相応しい
・体力の弱い人
・ 疾病の予防・改善 (壮年期)
・ 健康の保持・増進と疾病の予防・改善 (前期高齢者)
・更年期症状の軽減
・ 骨粗鬆症の予防(高齢期)
0.5
(RPE11‐12)
脂肪 : 相応しい
・ 健康の保持・増進(青・壮年期)
・ 筋力の維持・増強のための身体活動(青・壮年期)
・ ストレス対策(青・壮年期)
・ 女性の健康の保持・増進(青・壮年期)
・更年期症状の軽減
・ 骨粗鬆症の予防(青・壮年期)
0.5~0.6
(RPE9‐12)
脂肪 : 相応しい
・普通の体力の人
・ 健全な心身の発育(少年期)
・ 筋力の維持・増強のための身体活動(少年期)
・ 骨粗鬆症の予防(少年期)
0.6
(RPE11‐14)
脂肪 : 相応しい
・普通の体力の人
・ 筋力、体力の増強(少年・青年・壮年期)
0.7
脂肪 : 身体への負担大きい
・体力の強い人
0.8以上
糖 : 相応しくない

☆注意☆

       ここで注意していただきたいことは、上記の計算方法においてカルボーネン法で取り上げた
       例とゼロ・トゥ・ピーク法で取り上げた例1は同じ人ですが、計算方法によって適正心拍数に
       15(拍/分)の開きがあるということです。
       したがって、適度な運動の強さを算出する場合には、ご自分の今の状態をよく考えた上で
       最適な計算方法および数値を選択するようにしてください。

☆補足☆
       運動するために使用される体内のエネルギー源には糖と脂肪があります。
「糖」は瞬発力などを出すときに利用され、溜めにくく使いやすい性質 があります。
「脂肪」は運動を持続させることで利用されるエネルギーで、溜めやすく使いにくい性質 です。
       脂肪をエネルギー源として利用できるようになるには最低でも20分間は持続的な運動が必
       要になり、運動強度(目標とする強度)が70%(0.7)を越えると「糖」をエネルギー源として利
       用するようになるために長時間動き続けることが困難になります。
       また、 運動強度70%前後の運動を頻繁に行っていると身体への負担が大きくなり慢性的な
疲労状態に陥りやすくなります(活性酸素の増加) 。このような場合には運動強度を少し低 
       く設定しなおして持続時間を延ばしてみたり、 運動後の十分な休養(下記”運動後のケア”
参照) や サプリメント の併用が必要になることもあります。

≪主観的運動強度(RPE)≫
      主観的運動強度(RPE)は運動中に自分がどのように感じるかを数値的な指標として表した
      もので、スウェーデンのボルグ(Borg)博士によって考案された最も手軽な指標です。
      これはとても利用価値のあるものですので、是非取り入れてみてください。
      若者ではカテゴリー1段階が心拍数10(bpm)に相当しています。

~ 主観的運動強度(RPE)日本語訳 ~
気持ち
20
 
↑

内











外

↓
19
非常にきつい
18
 
17
かなりきつい
16
 
15
きつい
14
 
13
ややきつい
12
 
11
楽である
10
 
9
かなり楽である
8
 
7
非常に楽である
6
 

 -RPE表の使い方-
      先ず、数値(左)と表現(中央)の見方ですが、例えば40分間のウォーキングをしたときに「やや
      きつい」と感じれば、その運動の強度(RPE)は13と判断します。

■ 現状の把握のために使用する

       いつも行っている運動が非常に快適にできて心拍数もRPEも低いという場合には、そのときの
      運動は効率的な運動となっており、 疲労感も少ないと判断することができます。
      また、タイムを記録するような運動であれば、タイムがいつも通りで心拍数もRPEも低いという
      場合には、そのフォームの効率性が良いと判断できます。
       それとは反対に、いつも通りのコンディションで運動しているはずなのに心拍数もRPEも高いと
      いう場合には、実際には非効率的な動きとなっていたり、疲労やストレスが溜まっていたり、
      運動直前までの生活態度の問題点などを考慮する必要があるという判断が客観的にできるよ
      うになります。
      このように主観的運動強度(RPE)を覚えておくと、それによってその日の自分自身のコンディシ
      ョンの良し悪しを客観的、且つ確実に把握することができるようになります。

■ 目標設定として使用する

       運動には人それぞれの目的があります。上で取り上げた「 目標とする強度 」の表にもあるよう
      に、体力や筋力の強化を目的としたトレーニングとしての運動もあれば、リラックスや病気の改
      善を目的とした運動もあります。
      それらは運動の種類によっても違いますが、同じ運動でも目的が違えば効果も違ってきます。
      同じ運動をするにしても、RPEの数値をどこに設定するかによって、その目的や効果を変えるこ
      とができます。

      ウォーキングを例にとって具体的にお話しましょう。
      ある日のウォーキングをするにあたって、RPEの数値目標を11(楽である)に設定したとしましょ
      う。この日のウォーキングの目的はストレスの解消やリラックスといった精神的なものがメイン
      となるでしょう。
      このような目標を予め設定して歩き始めると、ウォーキング中に見えてくるものは恐らく周りの
      景色や街の様子であったりするでしょうし、あるいは肌を通り過ぎる風の中に季節の移り変わり
      を感じたり動植物の観察などもできるでしょう。つまり「気持ち(表右)」としてはRPE表の右側に
      示したように 外側 へ向かっていくようになります。その結果としてその日のウォーキングの目標
      であるリラックスといったような効果は間違いなく達成されるでしょう。

      次に、RPEの数値目標を15~16(きつい)あたりに設定したとしましょう。
      この場合のウォーキングの目的はリラックスといった要素よりはむしろトレーニング性の方が大
      きくなります。そして、ウォーキング中は自分が設定したRPE数値を念頭に入れながら行うこと
      でトレーニングとしてのウォーキングの目的を達成することができるようになります。
      このときの「気持ち(表右)」はRPE数値が高ければ高いほど 内側、つまり自分の内面 へ向かっ
      ていくようになりますので自分との闘いの末に大きな達成感や自信を得ることもできるでしょう。
      このような状態で自分の周りの景色や状況に注意を払うのは難しいというものです。

      以上のように、RPEの数値をどこに設定するかによって運動の目的や効果を自在に変化させる
      ことができますし、自分自身の状態を客観的にコントロールすることが容易になります。
      それは、主観的運動強度(RPE)が数値として把握することができるという特性を持っているから
      です。

★ 運動の
時間 の指標 : 有酸素運動としての効果を得るためには、最低15~30分間運動を持続する
                ことが必要とされています。下記に厚生省アクティブ80ヘルスプランより指標を
                編集して掲載しますが、これはあくまでも目安であり個人の健康状態や基礎体
                力、運動の目的によって異なります。
                表の数値は若干少なすぎる傾向にあるように思われますので、体力に応じて
                割増してください。

年代 少年期 20代 30代 40代 50代 60代
1週間の合計
運動量(分)
200 180 170 160 150 140
厚生省アクティブ80ヘルスプランより一部編集

★ 運動の
頻度 の指標 : 運動の効果として考えると毎日実施したほうが効果的であることは当然ですが
                最低条件としては 週3日以上 とされています。
                これに上記の「運動の時間の指標」を照らし合わせると、例えば30代の方で
                週3日とするならば、1回に60分弱の運動が必要ということになりますし、週5
                回ならば1回に約35分の運動が必要という目安が立てられます。
                ただし、これらの指標はあくまでも一般的な目安ですのでご自分の体力に合
                わせて調整してください。
                また、ACSM(アメリカスポーツ医学会)のガイドラインでは、 1回に20~60分
の運動を週4回以上 おこなうことを推奨しています。
                いずれにしても 「継続的」に行うことに意義があることですので、たとえ1日おき
であったとしても続けるようにしてください 。


■ 運動後のケアが大切

活性酸素による影響として先ず最初に現れる症状は「 疲労 」です 。
運動後のケアを怠ったままで過ごしていると、いつの間にか疲労が蓄積されていって、気がついたら調子があまり良くないなどといったことになったりします。 朝、スッキリ起きられないというのは既に疲労が蓄積されている証拠 です。
活性酸素の影響で一番困るのは、それになかなか気がつかないということです。ジワジワと忍び寄ってきて私たちの体を蝕んでいくのです。
ですから、運動を終えたら必ず、たとえそのときは疲れを感じていなかったとしても疲労回復のための手段を講じるように習慣付けなければなりません。

疲労回復のための手段としてはストレッチ、半身欲、サプリメントの利用、食事療法などがあります。
ストレッチや半身欲などは血液の流れを良くすることによって体内に蓄積された疲労物質を排出しやすくします し、 サプリメントや食事療法は活性酸素を取り除くための酵素を補うために必要 です。
いづれも運動とセットであるということを忘れないようにして、必ず行うように心掛けてください。

運動と姿勢


運動のもう一つの弊害として挙げられるのが運動をしているときの姿勢の問題です。
この問題に気づいている方は意外と少なく、身体の不調や痛みの原因が自分が行っている運動そのものにあるとは考えも及ばないという人が多いのです。

■ 運動そのものに要因がある場合
人間の体というのは元来いろいろな刺激に柔軟に対応できるようにできてはいますが、持続的な刺激にはとても弱いものです。
ずっと同じ姿勢でい続けたり、偏った動作の繰り返しによって身体の維持能力は限度を越えてしまい、骨格への過負荷によって 姿勢の歪み が引き起こされてしまいます 。
このような状態が繰り返されてしまう運動とは、いつでも同じ方向にしか体を動かさない性質を持つもので、その代表的な例を上げるとすればゴルフやボーリングなどです。
その他にも身体の片側ばかりを使って行う運動については十分に気をつけて行う必要があり、可能ならば「利き側」ばかりではなく反対側でも行うようにする必要があるでしょう。

■ 正しい姿勢を身につけていない場合

どのような運動でも、その歴史の積み重ねによって培われたノウハウというものがあります。
運動、特にスポーツとして確立されているものを行う上で最も基本となるのは安全性です。そのための正しいフォームというものはどの運動にも必ず存在します。正しいフォームを研究して身につけることは、安全性という意味でも、また間違った姿勢が生み出す問題を回避するという意味においてもとても大切なことなのです。
できる限り熟練した方から学んだり、専門家の意見を聞いたり、本などで研究するなどして正しいフォームを身につけることをお薦めします。
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