ハワイの雑貨やグルメを紹介

包容の島マウイ

■ はじめに

■ 2001年あの事件

■ 憩いの島オアフ

■ 包容の島マウイ

■ 誕生の美ハワイ島

■ ハワイで暮らすということ

■ ロコ気取りな日本人

■ ハワイ流おしゃれ

■ ウソつきは泥棒のはじまり？！

■ 恐怖の記念写真

MAUI　包容の島マウイ

ホノルルからたった30分のフライトで
そのワンダーランドに辿り着く。
機内ではこれから始まるanother worldに思いを馳せ、
私はすでに軽い興奮状態。
ドリンクサービスではいつもグアバジュースをチョイス。
この爽やかな甘さはこれから始まる神秘の旅を予感させ、
ますますイマジネーションを掻立てる。
さぁ、夢にまで見た聖なる島へ足を踏み入れるまで、あと数分。

何百万年の時の流れが創り出した神秘の渓谷イオアニードル。
プウ・ククイ山の断崖に守られて針のように細い尖峰がそびえ立つ。
深い谷底の湿った樹木たちは妖気を帯びたエネルギーで溢れている。
その姿はまるで無力の人間達をからかい、面白がっているようだ。
人気の無い細い道を好奇心いっぱいに足を踏みいれた途端、
なにか目に見えない不思議な力で押し返され、
あわてて元の道を逃げ帰る。
人間を拒絶しながらも異次元の世界へ運んでくれる
ここはとてもミステリアスな場所。

「太陽の家」と呼ばれるハレアカラへのドライブは、
とても変化に富み嬉しい驚きに満ちている。
麓のクラという牧場地域はハレアカラのイメージとはほど遠いばかりか
ハワイであることさえも忘れさせてしまう。
ここを過ぎてしばらく走れば本格的な頂上への道。
ひたすら続くワインディングロード、彼方に見える青い海とモロキニ島。
でも、快適なドライブもこの辺りまで。
目の前を急に深い雲が立ち込めてきた。
昼間だというのにヘッドライトをつけて、
視界のほとんどない道を手探りで進む。
一歩間違えれば谷底に真っ逆さま。
もう少し、もう少し、この雲を抜ければ晴天の空。
視界が少しずつ開けてくると、頂上はもう目の前。
と、こんどは視界いっぱいに美しい赤茶色のグラデーションで染められた
巨大クレーターが雲海の上に広がっていた。

マウイの起点に屈指の高級リゾート”ワイレア”を選んだのは、
旅の一番の目的の「日常からの脱出」をするため。
晴れ渡る空、広大な海、乾いた空気、静寂な敷地、
ここはすべてにパラダイスの条件を備えている。
各ホテルの海側には遊歩道が施されていて、
散歩がてらの豪華ホテルウオッチングが楽しくてたまらない。
神が創られた美しい大自然の中に、
人間が造った美しく人工的なリゾート。
少し後ろめたさを感じながら、
その罪な対比に言葉を忘れて見とれてしまう。