Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

スナッフ





思考が 停滞事故を起こす

大脳に 灰色を帯びた

霧がかかる

体が けだるくなる

両手が震えだし

感覚が鈍ってくる

腋の下から そして額にも

  冷たい汗が 噴き出してくる




もう我慢ができない





駅の男用トイレへと駆け込む

BOXに入って 胸のポケットから

イライラしながら

白い粉末を取り出し

手帳の上に 長く

線を引くよう並べる

右の鼻を指で押さえ

一気に吸い込む

今度は左の鼻を指で押さえ

一気に吸い込む

体から ようやく 精気が昇って来る

自分が全能になったような

そんな気持ちが 湧き出してくる




「俺にはできる。俺にはできる」




トイレの鏡に映る

自分の顔に向かって

つぶやく呪文




クスリが切れるのは 恐怖だが

とにかく 今をやりとおすだけ

インモラルなのは 先刻ご承知

だが道徳なんて 綺麗ごとではない

これが無ければ 俺は

存在さえもが あやふやな

  ドロップ・アウト

そうだ




俺にはできるんだ

俺にはできるんだ









二OO三年五月十一日

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