Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

シャットダウン





ふっと気がつくと

両手首と両足首に

手錠をかけられ

カウチに放り出されている




すると

部屋の扉をドンドンと

荒っぽく叩き

バンバンと足で蹴飛ばす音が

鳴り響く




「誰だっ」滲み寄る

恐怖に駆られながら

大声で尋ねる




「死神だ」と 野太い低い答えが響く

冷たい汗が どっと噴き出す

だが まだ虚勢を張るだけの

余裕はある




「お前なんか、お呼びじゃない」

腹から力を込めて 言葉を発する




「お前の命を頂戴しに来た」

野太い低い声が 扉の向こうから

不気味に響く

そしてまた ドシンドシン・バンバンと

乱暴に扉を叩き 蹴る音がする




私は もぞもぞと体をよじり

匍匐前進して

PCのデスクに辿りつく

【CTRL】+【ALT】+【DELETE】の

キーを叩き打つ

プログラムの強制終了が効かない

画面はフリーズして固まっている

なのに【DEATH】という文字が

  画面いっぱいを

埋め尽くしつつある




「俺だ。お前の命を奪いに来たぞ」

大きな 嘲りを含んだ 野卑な笑い声

鼓膜が破れそうだ




仕方なく

PCの電源スイッチを切ってしまう

そして すべてが リセットされる









二OO三年五月十九日

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