Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

燃えるダイヤモンド





もう誰もが眠りについているだろう

外からの仔犬の口笛に

中途半端に私は目覚める

「どこへ行くんだい?」

「どこでもない場所」



山を越えて 川を渡り 池を泳いだ

すると どこでもない

なんの変哲もない 児童公園に着いた



そこでは山のようにうず高く積まれた

ダイヤモンドが燃えていた

「そうか、ここに来たかったのかい、君は・・・」



「眠いな」

「うん。眠い」

私は仔犬を抱き寄せて

ダイヤモンドの燃える熱に 顔を火照らせ

一緒に眠った



私は いつしか夢の世界に入り

宝石がギッシリつめられ 満ち溢れた

そんなプールで

クロールを泳いでいた

冷たい質感を全身に感じながら・・・





二OO六年十二月五日

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