PR
コメント新着
息子ヒデキ(中1)には、
もう何年も憧れ続けている F先輩 がいます。
F先輩は、ヒデキが 小3 で初めて柔道を習い始めたとき、
その道場の 小5 でした。
当時からF先輩の身体はとても大きく、
柔道もとても強く、
おまけにスポーツ万能だったので、
ヒデキは密かに憧れ始めたようでした。
F先輩も何となくヒデキが気になるようで、
何かと声をかけてくれたり、
面倒をみてくれたりしたので、
ヒデキはますます先輩のことが好きになりました。
F先輩が小学校を卒業し、
柔道部の強い中学へ通い始め、
「うちの柔道部へ来いよ」
と誘ってくれたことで、
ヒデキは小学校での大切な友だちと別れ、
F先輩と同じ中学へ通うことに決めました。
そして夏休み。
F先輩はついに 県のチャンピオン になり、
全国大会3位
という輝かしい成績をおさめ、
柔道のとても強い高校へ進学するようです。
いつもヒデキのずっと前を
道を切り拓きながら
突き進んでくれる先輩。
ヒデキが通っているH中学柔道部には
何十人もの部員がいますが、
F先輩と小学生の頃から同じ道場だった後輩は、 ヒデキただ一人です。
今でも週に一度は、
ヒデキも先輩もその道場で稽古していますが、
稽古のあとには
必ず2人で追いかけっこをしたり、
先輩にくすぐられたり、
とにかくいつもヒデキは
F先輩にいじられています(笑)
F先輩は黒帯を締めるようになりました。
ヒデキは、F先輩の使っていた白帯が欲しいと思いました。
数日後、突然 F先輩からヒデキにメール がきました。
以下はそのときの2人のやりとりです。
「おれの帯ほしいのか?(笑)」
「はい!」
「あげないよ~」
「わかってます!」
「いらないの?」
「いや
欲しいです!」
「ちょっと考えさせて。
あの帯さ、全中でも使ってるから、
なかなか手放せないんだ」
「わかりました」
「悪いな」
「あげるよ」とは、どこにも書いていない、
私にはむしろ絶望的な内容のメールに見えるのですが、
このメール交換が、ヒデキにはとっても嬉しかったようで、
家族一人一人に嬉しそうに報告していました。
私はヒデキに、
「ヒデキ、
先輩にとっては、
やっぱりものすごく大切な帯なんだよ。
でも、こうやって考えてくれただけでも満足でしょ?
もう、 帯のことは諦めた方がいい と思うよ」
と言いました。
期待はずれになると、ガッカリしますからね。
そしてつい先日。
ヒデキがF先輩に帯をもらってきました。
帯の片方の端には
「H中」
そして、もう片方の端には
「F田」
と、先輩の名字が刺繍してあります。
締めてみると、5号サイズの先輩の帯は、
長さもピッタリでした。
(身体のサイズがあまりに違うと、帯の長さも違うので、使えない場合もありますね)
「この帯をしめるとね、
F先輩がすぐそばにいるような気がする んだ」
と、しみじみ言うヒデキを見て、
娘のサキ(高1)は、
「ヒデキにとってのF先輩って、
ある意味、
彼女以上 じゃない?」
と笑っていました。
春からF先輩は寮生活。
道場で会うことは滅多になくなってしまいますが、
ヒデキはこの帯をしっかり締めて頑張ることでしょう。
小4のときにF先輩と撮ってもらった写真。
そして、昨日の写真。(後輩のT君も一緒に)
柔道では2人の差は開くばかりですが、
身長の差だけは、少し縮まったようです。
次に一緒に写真を撮ってもらうときに、
2人はどんな風に成長しているでしょう。
F先輩、ありがとう
ひなたまさみ