Antena とほぼ状況は似ていますが、コンパイルすると言ってもバンド単独でのリリースは 82 年の 4 曲入り 12 インチ・シングル "A Selection Of Songs" のみ。これでは CD としての体を成さないので、Thick Pigeon とのスプリット・シングルから "Santa Baby" を、Crepuscule のオムニバス・アルバム収録作品から数曲、どこから引っ張り出してきたのか未発表のライヴ録音、更にはバンド解散後(?)数年を経てレコーディングされた(バンド・リーダーだったと思しき) Malcom Fisher のピアノ・ソロ 2 曲(17/18 曲目)を強引に掻き集めて出来上がったのが本作。やはり Malcom のソロは余分ですね。質感も全然違うし、あまりにも真っ当過ぎる出来です。
当時日本でも "A Selection Of Songs" (12 インチの方)が新星堂のレーベルから発売されていたはずで、一部の好事家から随分高評価を得ていたように記憶しています。ピアノ、ベース、それにドラムと言った如何にもジャズっぽい編成のバンドをバックに、ややロリータ気味の女性シンガーが音程も定まらぬ不安定な歌声を披露すると言う趣向。意図的なのか、一発録りっぽい鄙びた質感の音がなかなか良い雰囲気を醸し出しています。冒頭の "Pick Up The Rhythm" や、しっとりとしたバラッドの "Since You've Been Away" など結構耳に残るメロディーもあります。
しかしながら、このバンドの肝はやはり決して上手いとは言い難い女性ヴォーカルに尽きるでしょう。途中で自ら脱退したのか馘首になったのかシンガーが入れ替わったり、2 人になったりしますが、基本的には下手。かの George Gershwin の名作 "Summertime" などある意味噴飯モノの出来かもしれませんが、ここまであっけらかんと歌われると逆に爽やかさすら感じます。クリスマス・ソングの "Santa Baby" は彼らの作品中最もポップな仕上がりなんですが、(きっと録音技術の性だろうけど)歌が普通に上手く聴こえて、それが逆に面白くなかったりして。
【Track Listings】 01. Pick Up The Rhythm 02. Blue Skies 03. Since You've Been Away 04. Theme From Walking Home
06. Castles In The Air 07. Mannequin 08. Rainbows Never End 09. Waiting For Someone 10. Boo Boo's Gone Mambo 11. My Guardian Angel 12. My Rainy Day (Live) 13. Nothing Really Matters (Live) 14. Blue Skies (Live) 15. Helpless (Live) 16. Summertime (Live)