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2006.07.08
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カテゴリ: ★★★★★な本
ららら科學の子






<感想> ★★★★★

本書は、60年代半ばの学生運動はなやかなりし頃、文化大革命の嵐の

吹きすさぶ中国に密航し、30年振りに日本に帰国した主人公の内面を

描く作品です。 

著者の矢作俊彦さんはハードボイルドの書き手であり、蛇頭や非合法と

思われる組織も登場します。 あらすじを読む限りミステリーのような

印象を受けますが、それはむしろ舞台装置に過ぎません。 30年ぶり

に日本に帰って来た男の目を借りて時代の移り変わりや、我々日本人の



ます。 あくまで個人的な感想としては矢作俊彦さんの独特の文体と、

キャラクターの造形に魅了されたというところですが、文化大革命終焉

から天安門事件までの中国国内の事情、60年代の日本、そして現在の

日本。 それらを交互に描く構成は圧巻です。 

ただ、ものごころついたときは学生運動も沈静化していたし、当時の様

子もニュースフィルムでしか知らない私が、この作品の核に触れられた

かどうかは自信がありません。 その点では読者の読書傾向は問わない

作品ですが、年齢を問われる作品なのかもしれません。 

タイトルを見て、ぱっと「鉄腕アトム」のモノクロ画面が頭の中で再生

される方や、矢作俊彦さんの文体に魅了されている方には超オススメ

です。





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最終更新日  2006.07.09 00:49:35
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