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カテゴリ: ★★★★☆な本

27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」は、自身の半生を呪い持てあましながらも、暴力に乱された精神の暗部にかすかな生の核心をさぐる。人間の業と希望を正面から追求し、賞賛を集めた新世代の芥川賞受賞作。著者初の短篇「蜘蛛の声」を併録。


<感想> ★★★★☆

児童虐待を受けて育った主人公を描く本書は、とにかく すげぇ暗い 作品

です。 アマ○ンのカスタマーレビューをチェックしたところ 「暗すぎて読む

のをやめた」
という感想もありました。 ただ、個人的な感想を言うなら芥

川賞受賞作である本書は、私が理想とする芥川賞のイメージに最も近い

ように思います。


必要以上に暗い作品を是とする気はありませんが、この作家の持つ表現



性に陥ることもないので、読者もある程度までは自己投影することが可能

です。 欲を言えば、脇役のキャラ設定が甘いかなぁ~とは思いますが芥

川賞作品にエンターテイメントの要素を求めるのは酷かもしれません。


とにかく暗いし、重いテーマなのでオススメはしませんが、作者の中村文則

さんは吉田修一さんがそうであったようにオオバケをする要素を持っている

ように思います。 マメにチェックしてみます。





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最終更新日  2008.05.04 02:59:50
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