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再奪首への号砲！阪神・ゴメス、復活告げる２戦連発アーチ

　（セ・リーグ、阪神８－１ヤクルト、２３回戦、阪神１３勝１０敗、２０日、甲子園）きれいな弧を描いた打球はグングンと伸びた。届くのか…いや、届け！　虎党の大歓声に迎えられて、左中間前列へズドン！　と弾丸ライナーで突き刺した。ゴメスが復活を告げる２試合連続アーチで、虎を自力優勝消滅の危機から救った。

　「この時期はどのタイミングでも、点が取れることは大きい。甘いところにきた球にいいスイングができたね」

　福留の適時打で先制した直後の一回二死二塁。外角低めへのシンカーをすくい上げると、打球は暗くなりはじめた甲子園の空へ。追加点をたたき出す１６号２ランとなった。チームはヤクルトの先発・山中に今季２戦２敗、対戦防御率０・６９と苦しんでいた。「正直慣れてはいない。よりボールに集中して、手元に来るまで目を離さないというアプローチでいった」と、サブマリン攻略のお手本となった。

　前日１９日のＤｅＮＡ戦で、２７試合ぶりの一発。不振のため、３日の広島戦（甲子園）から５番に降格した元主砲が、シーズン大詰めのこの時期に復調した。「ここ２、３試合、ずっと感じよく（バットを）振れているんだ」とニッコリ。２試合連続アーチは６月２７、２８日のＤｅＮＡ戦（甲子園）以来、今季２度目のことだった。

　試合前にはファンクラブ会員限定の記念撮影会に参加して、エネルギーをもらっていた。普段は若手が参加するイベントだが、打診されたＧ砲は快諾。約３０人の虎党とともに写真を撮り、ハイタッチを交わして、ファンとのふれあいを心から楽しんだ。激励の言葉も受け取り、心身ともにパワーは充満していた。

　和田監督も「前回の横浜から明らかにスイングが変わってきたので、それがきょうの打席につながったと思う。あの一発が大きかった」と、完全復活を感じ取った。

　「まだ試合はある。（優勝争いが）どう転ぶかはわからないからね。頑張るだけだよ」

　Ｇ砲はこう語って、リーグＶのみを見すえる。４番・福留が好調を維持しているだけに、５番の背番号「５」が今後も攻撃の鍵を握るのは間違いない。昨年は１０９打点を稼ぎ出してタイトルを獲得。勝負強いドミニカンが、奪首に向けて打って打って、打ちまくる。　

データＢＯＸ

さすが勝負強ッ！虎・４番福留、先制＆中押しタイムリー

　（セ・リーグ、阪神８－１ヤクルト、２３回戦、阪神１３勝１０敗、２０日、甲子園）客席を真っ黄色に染めた超満員のファンは、満足している。勝負強い４番の働きに－。だから、福留がヒーローインタビューで発したひと言に、大爆笑が起こった。

　「４番はあまり好きではありません！」

　シャイな３８歳ベテランらしい発言。お立ち台を降りた後も「もうそろそろ、いいんじゃないですか。あまり４番というタイプじゃない。ゴメスもよくなっている」と謙遜した。それでも、存在感は結果を見れば明らか。先制＆中押しタイムリーの大活躍だった。

　「横浜の２つ（連敗）の嫌な流れがある。いいところで点がとれてよかった」

　まずは一回だ。二死三塁でサブマリン右腕・山中から中堅左に運ぶ適時二塁打で、５位ＤｅＮＡとの前カード（１８、１９日＝横浜）に連敗を喫した嫌な流れを断ち切った。さらに５点リードの五回無死一、二塁で、２番手・徳山に追い込まれながらも外角フォークをミート。右中間へ再び適時二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。

　福留にはヤクルト、巨人とのデッドヒートを楽しむ余裕がある。それは中日時代に３度のリーグ優勝に貢献した経験値はもとより、強じんな精神力を備えているからだ。

　「こういう中で野球ができる緊張感を味わえることは、なかなかない。それを僕は楽しみながらやっている。考えたって仕方がないしね」

　８月上旬に痛めた右手中指は腫れたままだが、正念場の１２連戦で３試合連続のマルチ安打。今季ラストまで主砲を任された頼もしい背番号「８」が逆転Ｖに向け、最後まで気力を振り絞る。　

データＢＯＸ
　◎…福留の２打点は８月２３日のＤｅＮＡ戦（京セラＤ）以来２８日ぶりで今季１７度目（３打点１度、４打点２度）。ちなみに福留が２打点をあげた試合の勝敗は１３勝４敗。２打点１０勝４敗、３打点１勝、４打点２勝で、３打点以上あげた試合では負けなし

今成、虎将の今季初「２番」抜擢応えた！４安打２打点の大暴れ

　（セ・リーグ、阪神８－１ヤクルト、２３回戦、阪神１３勝１０敗、２０日、甲子園）今季初の２番起用に今成が見事、応えた。４安打２打点の大暴れ。お立ち台で今成節が全開だ。

　一回一死、左前へチーム初安打を放つと、二回二死三塁では右前適時打。「最初のヒットも今成だったし、あの（一回の）ツーベース（記録は１ヒット１エラー）から風が吹き始めた」と、和田監督も猛攻の立役者としてたたえた。

　「３回目ということで、このままではいけないというのもある。クリーンアップの状態が上がってきているので、何とかその前に（走者を）置いて…と思って、今成を２番に置いた」

　今季２戦２敗。１点しか奪えていない山中対策として、指揮官は大和に代えて今成を２番に入れた。１９日のＤｅＮＡ戦は５タコも、パンチ力のある打撃を評価。昨年９月１２日の広島戦（甲子園）以来の打順に、「前にも後ろにもいいバッターがそろっているので、なんとかつなごうという意識だった」と、背番号４９は振り返る。

　五回に猛打賞をマークすると八回二死一、二塁では８点目の左前適時打でトドメを刺した。２０１３年７月７日の広島戦（マツダ）以来となる自身１試合４安打。「きのうタコった分、気持ちが吹っ切れた」。１８、１９日のＤｅＮＡ戦（横浜）では２試合連続無安打に終わっていたが、指揮官の指名に応えて、嫌な流れを自ら断ち切った。

　試合で大活躍もお立ち台ではスベった。「たぶん、監督は僕の足が速いと思って使ってくれたと思います」。ファンはジョークだと思わず、拍手がパラパラ…。すぐさま虎のエンターテイナーは「笑ってください！」と切り返した。

阪神・今成が４安打「何とかつなごうと打席に入った」

　（セ・リーグ、阪神８－１ヤクルト、２３回戦、阪神１３勝１０敗、２０日、甲子園）今季初めて２番で先発出場した阪神の今成が４安打２打点と活躍した。一回に安打で出塁して福留の二塁打で先制のホームを踏むと、二回と八回には適時打。「前も後ろもいい打者がそろっている。何とかつなごうと打席に入りました」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。

　見事に役割を果たし、今季対戦した２試合で１点しか奪えなかった山中の攻略に貢献した。天敵を早々とＫＯし、和田監督は「手も足も出ない感じでやられていたけど、やっとつかまえられた」と、してやったりの表情だった。（共同）

福留（２本の適時二塁打）
「いいところで出た。きょうの流れとしては良かった」

阪神・中西投手コーチ（岩田に）
「両サイドのコントロールが良かった」

阪神・鳥谷、一夜明けて汚名返上の２打点「最低限の仕事ができた」

　（セ・リーグ、阪神８－１ヤクルト、２３回戦、阪神１３勝１０敗、２０日、甲子園）鳥谷は３－０の二回一死二、三塁で中犠飛。八回二死一、三塁では右前適時打と、２打点の活躍だった。１９日のＤｅＮＡ戦では、能見が筒香に逆転３ランを浴びるきっかけとなる痛恨の失策。一夜明けてバットで汚名返上だ。「（犠飛は）最低限の仕事ができたと思う。点が入れば投手も楽に投げられますし。あしたも頑張ります」と決意を新たにしていた。

阪神・関本、詰まりながらも技あり代打Ｈ

　（セ・リーグ、阪神８－１ヤクルト、２３回戦、阪神１３勝１０敗、２０日、甲子園）関本が５点リードの八回二死一塁で、岩田の代打で登場。内角直球に詰まりながらも右翼線にポトリと落とす技アリの安打を放った。直後に鳥谷、今成の連続タイムリーが飛び出し、さらに点差を広げた。「きょうは（自分は）関係ないですよ」とテレ笑い。あすの一戦が大事かとの問いに「そう、そう」と大きくうなずいた。

虎・マートン、２戦連続マルチ＆４試合連続Ｈ「一戦一戦大事に戦う」

　（セ・リーグ、阪神８－１ヤクルト、２３回戦、阪神１３勝１０敗、２０日、甲子園）マートンが２試合連続マルチ＆４試合連続安打と調子をあげてきた。二回に右前打を放ち、五回無死一塁では左前打でチャンス拡大。福留の適時打をおぜん立てをした。１０日の巨人戦から４試合連続無安打で、審判の判定にクレームをつけるなどイライラしていた姿はもうない。「優勝することは簡単ではない。最後まであきらめず、一戦一戦大事に戦っていきたい」と前を向いた。

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