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2005.10.13
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カテゴリ: 洋書

 アメリカの大人気SFテレビシリーズ「スタートレック:ボイジャー」の小説シリーズ第十巻。テレビシリーズのレギュラーキャラが全員登場している。テレビシリーズを観たことがない者でもそれなりに楽しめるようになっている。
「スタートレック:ボイジャー」の大まかなストーリーは、次の通り:銀河連邦宇宙軍の新造航宙艦ボイジャーは、ひょっとしたことから7万光年も離れた宇宙に飛ばされてしまった。元の宇宙に戻るまで通常航行だと数十年もかかる。ボイジャーは、長い帰途への旅を続けると同時に、様々な文明と交流する……。


解説

航宙艦ボイジャーは、宇宙を航行していたが、エンジンでトラブルが発生し、部品の交換が必要になった。が、交換部品は艦内になく、新たに作り出さなければならなかった。そこで、ボイジャーは最も近いクラスM(地球人でも住める)惑星へ向かった。

 その惑星はサーダリアンといった。ワープ技術こそ持っていないものの、かなり高度な文化を持っていた。ボイジャーは、直ちに政府の者と接触し、交換部品を製造する為の素材が欲しいと頼む。
 サーダリアンは、突然現れた異星人の宇宙船に動じることなく、協力を約束する。
 ボイジャーの艦長ジェーンウェイは、サーダリアン星人に感謝しながらも、不信感を抱く。ボイジャーの医療設備に異様に関心を持っているのだ。なぜだろうかと彼女は思う。
 ボイジャーの乗組員パリスとキムは、休暇の目的で惑星に下りる。サーダリアン星人の有力者の娘マリマと共に海へ行く。マリマは、現地の魚類ダーラの漁を始める。が、ダーラは保護動物だった。ダーラを保護する組織に捕らえられる。
 ボイジャーでは、サーダリアンがなぜ医療設備に興味を持っているのか知る。サーダリアン星人は、灰色ペストという病に苦しんでいた。その疾病の進行を抑えるのがダーラの血液から抽出した酵素だったのだが、酵素の量があまりにも制限されていて、市民が次々死亡している為、他の治療法はないかと探していたのである。
 サーダリアンは二つの勢力に分かれていた。惑星全体を支配するバンドーラ州と、ダーラを保護するミカジア州である。バンドーラ州は、絶滅を覚悟してダーラを全て捕獲し、酵素を量産すべきだと考えていた。ダーラを保護し、酵素の抽出量を極力抑えるべきだと考えるミカジア州は、そうはさせまいと抵抗していた。
 マミマはバンドーラ州知事の娘で、彼女とパリスとキムを捕らえたのはミカジア州だった。
 バンドーラ州も一枚岩でなく、州知事と副知事の間で権力闘争があり、それは酵素問題、そしてダーラの保護問題、そしてボイジャーとの関係の問題に発展していった。
 パリスとキムは、マミマを連れてミカジア州の手から逃れることに成功する。その過程で、パリスとキムは、ダーラが知的生物であることを掴んだ。病の治療の為とはいえ、漁で捕らえて殺すのはよくない、と考える。二人はマミマを連れてボイジャーに戻る。
 ボイジャーの医療施設は瞬く間に恒久的な治療を行う酵素を完成し、サーダリアンに渡す。ダーラを殺す必要がなくなったのである。



解説

ご都合主義満載の作品といえる。
 本作品でもボイジャーは介入しなくてもいい問題に介入し、危機に陥り、いつの間にか問題は解決しているという風になっている。
 本作品の最大の問題が、ストーリーのペースののろさ。灰色ペストについてボイジャーが知るのに信じられないほど時間がかかる。新治療薬を製造するのはほんの数時間しかかからなかったというのに、だ。ボイジャーの情報収集能力はかなり低い。ダーラが知的生命か否かを突き止める部分も延々と続く感じで中ダレ気味。
 サーダリアンの州知事がこの問題を早期にボイジャーに伝えていたら、どれだけ簡単に事は進んだのにと思ってしまう。州知事が小出しにした為本作品は274ページにもなってしまうのだ。
 新薬ができたお陰でダーラを殺す必要はなくなったが、これからダーラがきちんと保護されるかは疑問。バンドーラ州はダーラ漁をスポーツとしてやっていたようでもあるから。
 キャラも好きになれないのが多い。ニーリックスは相変わらずだし、パリスは女ったらし。こいつが女のケツを追い回すのに執着しなかったら、ボイジャーはサーダリアンの政治的問題に深く関わることなくさっさと立ち去れただろう(ダーラは絶滅する運命になっていただろうが)。エンジニアのクリンゴン人女性トーレズも、自意識過剰でうんざりする。
 本作品ではプライム・ダイレクチブの問題に触れている。新治療薬をサーダリアンに無償で提供すると、プライム・ダイレクチブに抵触すると。そこで、ボイジャーは、交換部品用の素材の代償として提供したことにし、この問題を回避する。
 この部分には首を傾げざるを得ない。
 プライム・ダイレクチブでは、高度に発達した文明が、まだあまり発達していない文明と接触するのは避けるべきだと定めている。なぜなら、技術の差があまりにも開き過ぎている状態で接触すると、発展途上文明は必ず混乱に陥るからだ。したがって、ボイジャーが属する銀河連邦では、ワープ技術を持っているか否かを接触の目安としている。ワープ技術を独自開発できない文明との接触はしないのだ。たとえその発展途上文明が滅亡の危機にあっても、である。
 サーダリアンはワープ技術を持っていない。したがって、ボイジャーは接触してはならない筈なのだが、緊急だといって自らプライム・ダイレクチブを破ってしまう。
 ボイジャーは、自分らの勝手な都合でプライム・ダイレクチブをとっくに破っているのに、新治療薬を提供するとプライム・ダイレクチブに抵触すると言ってサーダリアンに対し出し渋るのはおかしい。
 自分らの都合でプライム・ダイレクチブを破ることには躊躇しないが、相手の都合でプライム・ダイレクチブを破ることに関しては大いに躊躇する。これではボイジャーは単なる搾取者になってしまう。
 ジェーンウェイはそのことについてどう思っているのか。
 サーダリアンは、ワープ技術を持たないことから、別の惑星との交流はない筈なのに、ボイジャーという宇宙船でやってきた異星人を難なく受け入れるのは不思議。普通だったら大混乱に陥る筈で、無論ボイジャーの乗組員が休暇の為惑星に下りる、なんて危険過ぎてできない筈。
 サーダリアンはそこまで異文化に寛容なのか。その割には州同士の文化は尊重できないようだが。
 現在の地球に異星人が突然現れたら、ここまで容易に受け入れられないと思う。
 ダーラは知的生物なので無闇に殺さずに保護すべきだ、というくだりは、現在の捕鯨問題のよう。著者は反捕鯨派らしい。はっきり言ってうざい。この部分を省くだけでも50ページは整理できただろう。



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Last updated  2014.09.11 22:35:02
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