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2006.11.27
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カテゴリ: 邦書

 田中芳樹が大人気作家の地位を気付くきっかけとなった全十巻のスペースオペラの第八巻。


粗筋

ラインハルトは、総力を挙げてイゼルローン要塞を攻略する。迎え撃つのはヤン・ウェンリー率いる旧同盟軍艦隊。
 ラインハルトには数の利がある為、ヤン艦隊は一溜まりもないと思われたが、ヤンはイゼルローン回廊の狭さを利用してラインハルト配下の艦隊に次々壊滅的なダメージを与えていく。帝国軍は200万の兵と、艦船2万5000隻を失った。
 ヤン艦隊も帝国軍ほどでないにせよダメージを受けていた。帝国軍と違い兵や艦船の補充が望めない為、窮地に落ちていく。そんな中、ヤン艦隊の艦隊運動を指揮していたフィッシャー中将が戦死する。フィッシャー中将は艦隊運用の名人で、ヤンは彼抜きでは艦隊を正確に動かせない。ヤンがいくら奇策を練っても、艦隊をその策の通りに運用できなければ奇策も机上の理論に留まるだけになってしまうのだ。ヤン艦隊は最大のピンチを迎えた。
 一方、ラインハルトは病床にいた。キルヒアイスが無駄な戦闘は止めろと言っているんだと感じたラインハルトは、停戦を申し出る。
 ヤンはそれを受け入れることにした(というか、受け入れるしかなかった)。ラインハルトの元へ向かう。が、途中で地球教の者が入り込み、ヤンと、エル・ファシル独立政府最高責任者を暗殺してしまう。
 ヤンを倒すことを唯一の目的として今回の戦闘を繰り広げていたラインハルトは、ショックを受ける。ヤンがいない以上、イゼルローン要塞を攻略する理由はない。ラインハルトは軍を引き上げ、フェザーンに戻った。
 イゼルローン要塞は、帝国軍による攻略を防げたが、ヤンの損失の影響は大きかった。回廊の側のエル・ファシル独立政府は解散し、ヤン艦隊の兵の多くは離脱を決める。
 要塞に残った者は、イゼルローン共和政府を設立した。94万人対400億人という対立構造が出来上がる。
 一方、フェザーンに戻ったラインハルトは、行政に集中する。
 元同盟国家元首トリューニヒトが、元同盟首都ハイネセンに戻ることを申し出る。ラインハルトはなぜ同盟を帝国に「売り渡し」、同盟を降伏させた張本人が、彼を裏切り者と見なす者が大勢いるハイネセンに戻りたがるのか不思議がったが、了承する。トリューニヒトは、総督となったロイエンタールの下で働くことになる。
 ロイエンタールが自宅に住まわせていた愛人は、ルビンスキーの元に走った。男子を出産する。ロイエンタールの子である。ルビンスキーはオーベルシュタインの下で働くラングと手を組み、帝国を内部から揺さぶることにする。


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解説

無意味な戦闘で始まり、無意味な展開で戦闘が終了する模様を描いている。
 実質的には終わっているシリーズを、単に「全十巻」という約束を守る為にダラダラと続けている感じ。
 今回の戦闘は、銀河を統一する為ではなく、ラインハルトが「ヤンを何が何でも倒したい!」という個人的な理由で進めたもの。ヤンが死ぬと、イゼルローン要塞を制圧できたにも拘わらず、全軍を引き上げ、フェザーンに戻っている。200万人の兵は、ラインハルトの個人的な野望の為に命を落としたことになる。
 通常だったら市民から反発の声が挙がっていても不思議ではないが、そのような動きはない。信じられないほど寛容というか、馬鹿な市民である。ラインハルト以外だったら絶対許していなかっただろうが。
 本作品で、著者はヤンとラインハルトとの対決に持ち込めたが、その結末の付け方に行き詰まったようだ。その為、滅んだ筈の地球教を実は存続していたという事にして持ち出し、強引に「決着」させたもの、としか思えない。
 無茶苦茶な展開。
 なぜヤンをこの段階で死なせたのか全く意味不明。ジェシカ・エドワーズの死も「なぜここで?」と思ったが、ヤンの死はそれ以上。
 シリーズはあと二巻残しているのに、どうするつもりかと思ってしまう。
 ヤンはイゼルローン回廊の狭さを利用して帝国軍の侵攻を防ぐが、宇宙に「狭い」場所がある、というのは「?」と首を傾げたくなる。小説の構成面では重要なのだろうが、この小説だけでしか通用しない設定。
 ルビンスキーは相変わらずケチな工作を地下で行っている。こんな奴がフェザーンを牛耳っていたとは思えない。この時から頭の痛みを訴える。
 ヤン艦隊を離脱した兵は、ハイネセンに戻る。ロイエンタール総督は彼らを処罰することなく受け入れる。その際、一部の者に対し氏名、住所、指紋を登録させる。この作品が書かれた頃はDNA鑑定や虹彩識別は一般的でなかった。現在だったらこの二つも取り入れていただろう。
 ともかく時代を感じさせる。



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Last updated  2006.11.27 12:40:43
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