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2008.05.26
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カテゴリ: 洋画

「ロッキー」に続く、シルヴェスター・スタローンのもう一つの代表作「ランボー」の第四弾。
 本作が最終話となるらしい。
 原題は「JOHN RAMBO」。


粗筋

軍事政権により、市民の虐殺が行われているミャンマー。
 そのミャンマーの奥地に、キリスト教団体が救済活動の一環として潜入することに。案内人として、元ベトナム帰還兵で、タイで暮らすジョン=ランボーが選ばれた。ランボーは、偽善だけの救済活動なんて何の意味もないからやめろ、と忠告するが、キリスト教団体の意思は固かった。ランボーは、嫌々ながらも団体を案内し、そのまま引き返す。
 それから数日後。キリスト教団体の幹部がランボーを訪れる。潜入したグループが戻って来なかった、と。グループを救出する為に傭兵を雇ったのはいいものの、正確な場所が分かるのはランボーだけ。幹部は、今度は傭兵らをミャンマーに連れて行け、と要請。
 ランボーは、渋々ながらも傭兵らをミャンマーに連れて行く。救出活動に加わる筈ではなかったランボーだったが、否応なしに戦いに巻き込まれることになる……。


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感想

 作品として悪くはなかったが、スーパーヒーロー・ジョン=ランボーの最終作として本当にふさわしいのか、ちょっと疑問に思う。
 ランボーというと、原作「First Blood」の邦題が「一人だけの軍隊」となっているように、たった一人で敵と立ち向かう、というイメージが出来上がってしまっている。
 その為、仲間を従えて戦っている姿には違和感があった。
 ただ、本作が公開された時点で、スタローンは60歳。
 アクションスターとしては旬をとっくに過ぎている。
 ランボーもその分年を食ってしまい、昔のように動けなくなってしまった、と解釈せざるを得ないのか。
 そんなこともあってか、スタローン演じるランボーは最初から最後までTシャツ姿。第二作のように上半身裸になってその肉体美を披露する、ということはなかった。
 Tシャツ姿で戦う男、というのはある意味滑稽である。

 ストーリー的にも迫力不足な部分が多い。
 一応味方がいて、一応敵がいるのだが、どちらも描き方が曖昧。
 味方のキリスト教団体はいずれも理想主義の塊で、共感が持てなかった。ミャンマー潜入が危険なであることは百も承知だった筈。にも拘らず「何もしない訳にはいかないんだ!」という勝手な理想だけで潜入して捕まり、メソメソ泣くのはわがままにも程がある。傭兵らが「神がお前らを助けたんじゃない。我々が助けたんだ」という言葉は尤もだ、と思った。
 傭兵らの描き方も微妙。
「傭兵らは新兵器に頼ってばかりいる間抜け者で、そこを弓矢という原始的な兵器を使って敵をバタバタ倒し、傭兵らから一目置かれるようになる」といった展開になると思いきや、傭兵らはそれなりに優秀。最終的には窮地に陥ったところをランボーに助けられるのだが、窮地に陥ったのは偶々敵が運が良かっただけ。描き方によっては、ランボーは全く不要だったかも。
 敵のリーダーであるミャンマー政府軍幹部の描き方も微妙。
 村民を容赦なく殺戮するなど、少なくとも善人でないことは分かるのだが、ランボーとの接点がなさ過ぎ。二人が接触するのは最終場面で、ランボーがただその軍幹部を殺す、というもの。軍幹部からすれば、自分が誰に、どういった理由で死ななければならなかったのか、さっぱり分からなかったことだろう。
 現実世界では「味方=善」「敵=悪」という図式は成立しないのかも知れない。
 が、だからといってフィクションの世界でもそうされてしまうと、もやもや感だけが残り、何の為に観ているのか分からなくなってしまう。

 本作は、他のランボーシリーズと比較して残酷なシーンが多い。
 CGによって血糊をやけに繊細に描いているし、殺戮の場面も延々と描かれている。
 女性などは目を逸らさずには観られないだろう。
 日本でR-15指定を受けてしまったのは当然と言える。
 残酷シーンに割く予算を、アクションシーンに回してほしかった。

 ランボーシリーズは肉体派スタントを駆使し、無駄な特撮は極力抑えて撮影するのが当たり前だった。
 しかし、本作ではそれも破っていて、CGを多く使用。
 そんなこともあってか、かなり惨いシーンが多いにも拘らず、「所詮CGだからな」と思ってしまい、目を背けることなく見ることができた。
 アクションシーンは、最近のハリウッド映画の傾向からか、カット割が短い。何を見せられているのか、何が起こっているのか、分からない部分が多かった。めまぐるしいシーンを連続させれば緊迫感が沸く、と考えるのはいい加減やめてもらいたい。

 第一作や第二作が公開されたのは、ベトナム戦争の傷がまだ癒えていなかった時代。
 第三作が公開されたのは、旧ソ連によるアフガニスタン侵攻などで冷戦が頂点に達していた時代。
 現在は……。
 少なくともランボーのような者が大活躍できる時代ではなくなってしまっている。
 本作は、ランボーの活躍の場をどうにか捻り出した感が否めない。

 ミャンマーの軍事政権が、本作で描かれているように、反乱軍の影響下にある村の者を虐殺しているかどうかは知りようがない。
 しかし、ミャンマーの軍事政権による悪事が注目されている中、タイムリーに公開されたといえる。

 本作は、ランボーが数十年振りにアメリカの故郷に戻り、父親の住まいに向かう場面で終わっている。
 父親が実は生きていた、というのは驚きの展開。
 ランボーは、父親に受け入れられるのか。
 逆に、ランボーはアメリカでの生活に耐えられるのか。
 次回作への布石になっていたりして。


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Last updated  2008.05.26 18:38:42
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