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2009.08.29
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カテゴリ: 邦画

20世紀少年<第2章> 最後の希望
(C)1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館 (C)2009 映画「20世紀少年」製作
映画「 20世紀少年<第2章> 最後の希望
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 浦沢直樹原作のコミックの実写版。
 三部作の第二作。
 ベストセラーコミックの豪華キャストの実写版として話題に。
 三部作で総製作費が60億円だという。


粗筋

世界を襲った「セカンド・インパクト」により、人類は半分が死に至った。
 それから15年後。
 14歳の碇シンジは、特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官で父親でもある碇ゲンドウから、謎の巨大生物「使徒」と戦うロボット兵器エヴァンゲリオンのパイロットに任命される。
 使徒との戦いが困難を極める中、地球存続の為の任務を背負う彼らは、ある国家規模の作戦を実行に移すことに……。


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感想

 第1章も話があちこちに飛んでつまらなかったが、こちらも話があちこちに飛んでつまらない。
 原作を何度も読み返している者ならいいが、事前知識がない者にとってはただただ辛い。
 伏線ばかり(その意味では浦沢直樹原作の作品といえるが)。
 なぜこんな支離滅裂な映画が製作されたのか、理解に苦しむ。
 原作に忠実にした結果、ということかも知れないが、それだと原作が元々大したものでなかったことになる。

 本作ではカンナは主人公の筈だが、何をやりたいのか、何を考えているのか、さっぱり分からない。
 ともだちランドに送られた。
 ……と思ったら、いつの間にか、何でもないように脱出していた。
 ……と思ったら、今度は怪しいカジノへ。そこで訳の分からないギャンブルを展開。
 ……と思ったら、カジノから逃げ出している。そしていつの間にか協力者を集めていた。
 ……と思ったら、教会に姿を現している。ともだちの死を目撃。
 ……と思ったら、ともだちの復活を目撃。
 そして世界規模のウィルステロを目撃。
 主人公の割にはただその場にいるだけで、何もやらない。
 こんな少女がなぜ「人類最後の希望」なのか。

 権力を握るともだちが、なぜ敵である筈のカンナらを野放しにして自由に行動させるのかも、分からない(カンナらがあまりにも無力で手を打つまでもない、と判断したのか)。
 ケンヂとその仲間はテロリストとして悪者にされた、という設定なのに、ケンヂの仲間がその後普通に生活できているのも不思議。普通だったら逮捕されていたり、指名手配されていたりして、まともに生活できないと思うのだが。一部はともだちやその関連施設に当たり前のように顔を見せているが、気付かれている様子はないようである(そのくせカンナは一目で気付いている)。
 ケンヂの仲間を野放しにするのも、ともだちの策略だった、というのも有り得るが、ともだちがなぜそんなことをするのか、少なくとも本作を観る限りでは分からない。

 全世界が頭を包帯でぐるぐる巻きにして変なマークを顔にしている人物を熱狂的に支持している、という設定も意味不明。常識的に考えてみれば、気味悪がられるだろうに。こんなのを「人類滅亡計画を阻止した」と何の疑いもなく受け入れる市民は相当アホである。普通だったら「人類滅亡計画を阻止した? 本当か? 何か裏があるのでは?」と思われるだろう。
 常に包帯で頭をぐるぐる巻きにしているから、素顔は見られない。「暗殺されました。その三日後に生き返りました」となっても、「顔が見えないんだから中身が違うんじゃね?」と疑う者がいて当然の筈だが、何故かみんな「死から復活した! ともだちは神になった!」と信じて疑わない。
 この時代の人間はどいつもこいつも洗脳されていて、普通の思考ができないらしい(その割にはカンナのように洗脳されていない人間もごまんといるが)。
 意味不明な内容ばかりだから、ストーリーや登場人物にまるで感情移入できず、最初から最後まで「ふうん。そうかい」としか思えない。
 とにかく評価し辛い。
 完結編の第三作を観れば理解できるというのか。
 自分としては、劇場で観たいとは微塵にも思わなくなったが。

 本作の主人公カンナを演じるのは新人女優平愛梨。
 オーディションの中から、原作にそっくりな容貌だから選ばれたという。容貌がそっくりなんだから、演技力が多少不足しても大丈夫だろう、と製作者側は考えたようだが……。
 やはり演技力不足は致命的なレベル。学芸会を思い起こさせる。
 脇役としては問題ないが、主役にはふさわしくない(本作の内容からすると、完全に脇役だが)。
 大々的なオーディションをしておきながらこの程度の女優しか選べなかったのか、非常に不思議。

 本作は、大ヒットしたコミックを下敷きにしている。
 製作者は、コミックを忠実になぞれば大ヒット映画が生まれると思っていたようだが……。
 コミックと映画は、ストーリーを伝えるという共通点はあるものの、全く別の媒体。
 コミックは、読んでいる側も「これは完全に作り物だ」と承知しているので、多少の粗も許されてしまう。
 一方、映画やテレビは、実際の人間が演じている。内容的には作り物である、と観ている者は承知しているが、実際の人間が使われている以上、よりリアリティが求められる。コミックでは許される粗も、映画やテレビだとあからさまで、許されるものではなくなってしまう。
 本作は、コミックをほぼ忠実になぞったが故に、コミックでは許されていた粗がそのまま映像化されてしまい、コミックがいかに粗だらけで荒唐無稽であることを実証してしまった感じ。
 名作コミックは、コミックという媒体に留まっているからこそ名作なのであり、他の媒体に移すと必ずしも名作ではない、というのを証明している。


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Last updated  2015.06.21 15:14:44
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