2007.01.31
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学園 水戸黄門 第十八話

 亜久代寛がもたらした一瞬の静寂の中、麗子の取り巻きたちに光子が言った。
「あなたたちもこの薬に見覚えがあるんじゃない?」
そして、助川が手に入れてきた例の薬を掲げた。
「この薬はドーピングでひっかかる禁止薬物よ。こんなものを使っていい成績を残せたとしてもそれはまやかしに過ぎないわ」
しかし麗子の取り巻きたちにはそんなことは関係ない様子だった。再び乱闘は始まってしまった。もう、ちょっとやそっとでは収拾がつかないと光子が思ったとき、格野が懐から何かを取り出した。
「おまえたち!いいかげんにしろ!この方を誰だと思ってる?この方こそ全国生徒会自治連盟の元副総裁、TOKUGAWAグループの御三家のひとつ、水戸家御令嬢、水戸光子様であるぞ!」
 格野が取り出したのは光子のソーイングセットだった。金の三ツ葉葵が輝いている。
「おおーっ」

 麗子も驚きを隠せない。まさかとは思っていたが、本当にTOKUGAWAグループの水戸家だったとは。
 寛は全国生徒会自治連盟の存在に驚いていた。昨夜起きた暴力事件、そのとき襲われ逮捕されたのは寛の作ったグループだったのだ。不思議なことにあれだけの乱闘騒ぎなのに襲った方からは逮捕者が出ておらず、寛も腑に落ちないところがあったのだ。だが、TOKUGAWAグループや全国生徒会自治連盟などという組織が裏で何か工作をして、それをもみ消すことができるようならそれも納得いく。
 これには麗子の取り巻きたちも戦いの手を止めてしまった。
 確かにこの時の光子には何とも言えない存在感を感じずにはいられなかった。というのはマチ子の兄の後の言葉である。
「どうしたのあなたたち、こんな人たちの言うことを信じてはダメよ。私がそんな薬を使わせるわけがないじゃない」
麗子が叫んだ。

つづく


はい、あのシーンです。
こんな感じにしてみました。






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最終更新日  2007.01.31 11:08:25
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