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ぱっと見たところ何気ない袖看板
に見える。
渋谷センター街を歩いている人たちにとっては、掃いて捨てるほど沢山ある看板のうちの一つなのだろう、別に気にとめるような袖看板でもあるまい。
ただ、このような看板を数多く製作している我々にとっては、こういう袖看板を見るたびに月日の流れを感じてしまうのだ...
「袖看板自体が古いから、年月を感じるんだろう?」って思うあなた、いえいえ
そういう意味じゃないんです。
「じゃあ、どういう意味なんだよ」とわずかばかりの関心を持たれたのでしたら、以下少々懐古趣味を兼ねた拙文をお読みいただければ幸いです
ご覧の通り、袖看板のテナント名称が表示されている部分の素材は、通常アクリル板を使用する。
そのアクリル板の既製品は平板(ひらいた)、すなわちまっすぐな板なのだ。
で、その平板1枚ものを写真のように Uターンさせようとすると、これが大変
。
普通のアクリル加工屋さんでは出来ず、アクリル成型業者の出番となるのだ。
つまり、この袖看板のためだけの、他に全く流用することの出来ない 「型」を作る
。
だから金がかかる
※画像をクリックすると拡大画面が表示されます
型代だけでいくらぐらいかかるかというと、最近は頼んでいないので推定であるが、20万から30万はいくだろう。
ただこの型代も成型業者が一方的に決めるものなので 、「ちょっと高いんじゃないの」なんてでも言ったらもう大変。やってくれない
要は値段があって無いようなものなのだ。だから30万かもしれないし、40万かもしれない。
そういう読めないところが、このアクリル成型加工のときにはつきまとう。
アクリル成型費用 30万円
アクリル加工費 3万円×7テナント分 = 20万円
ざっとはじいても 原価ベースで50万は見なければなるまい
。
もしこれを単なる一枚板で曲げ加工無しで製作したらどうなるか?
成型加工費が一切不要となるので
アクリル材料費・加工費込みで 2万円×7テナント =15万円。
つまりアクリル成型加工を依頼すると50万なのに対し、 通常の平板加工では15万もいらないだろう
。
この3倍以上の価格差は、値下げ圧力吹きまくりのこの世界では、いかんともしがたい。
顧客は値下げ要求、成型業者は不透明な単価設定、とくれば圧迫を受ける中間業者である我々はたまったものではない
だから我々も顧客に対してアクリル成型加工のことは勧めないし、聞かれたら「こういう方法もありますよ」っていう説明をするにとどめるのだ。
早い話、サイン業界および看板業界ではマクドナルドなどのチェーン店を除いて、単発の成型加工はほとんどやらなくなってきている気がする。
この袖看板を初めて見たときの思ったのは
今時こんな看板やらないじゃん・・・・・・
バブルの頃だろう、こんなことよくやったのは・・・・・・
今計算しても50万弱か・・・・・
っていうことはバブルの頃は、このアクリルだけで100万近い数字を出していたんじゃないのか・・・・・
そうだよな、全く同じもの、同じ仕事をやっても90年代初頭は100万だったのが、今じゃ
50万・・・・・・
利益が減るわけだ・・・・・・
栄枯盛衰、悲喜交々(ひきこもごも)、万物流転
、そういった言葉が走馬燈のように駆けめぐるのは私だけではあるまい。![]()
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