inatoraの投資日記

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2004年10月17日
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そもそも、学問の意義とはなんでしょう?


かの福沢諭吉先生は著書「学問のすすめ」で「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。」と言っています。この言葉だけを見ると理想論っぽいことを言っているように見えますが、その本当の意味は「人は皆平等だが、その人に差をつけるものは学問である。」ということです。

「バリュー投資 CMB研究所」のサイト主である内田さん風にもっと噛み砕いた言い方をすると「馬鹿と貧乏人はろくに学問すらしないから、いつまでたっても馬鹿だし貧乏人なんだよ!そんでもって、俺達みたいにきちんと学問やっているやつがお前らみたいな馬鹿や貧乏人から搾取できるんだよ!だからそうなりたくなかったらお前らも学問くらいやってみろよ!この野郎!」ということになります。(諭吉様がそんなにヤクザな言い方はしないと思いますが。)

さすが、1万円札に載っているだけのことはあります。思わず、「諭吉さまー!」と叫んでしまいたくなります。(意味不明)

とりあえず、この一言だけでも我々は学問をしておいた方が良いのではないかと痛感させられます。

「学問のすすめ」に限らず様々な本で学問の存続意義やあるべき論について述べられていますが、学問とは「自分を知り世界を知るための探究活動である」と私は思います。探究活動である以上、さまざまな試行錯誤が必要だと思います。また、「やってみたけど、この方法では上手くいかなかった」というような否定的な結論も学問の発展の上では欠かせないと思います。

ところで、私自身は世間一般の平均的な人たちと比較して、学問の存続意義をかなり認めている部類の人間であることをまず告白しておかなければなりません。「最終的には実益に結びついていなければ学問の存続意義はない」という批判は必ずしも正しくないと考えています。多くの反論があることを覚悟の上で敢えて言わせてもらうと、そういう批判の多くは、学問を全く知らない人による的外れなものであると考えています。

学問領域によって目指すべき探究活動の内容が異なるはずですから、全ての学問を同じ線で見ること自体が間違っているのです。以下は、私が考えた探究活動の内容に応じた学問の分類です。


純粋数学・論理学・哲学などの、演繹的な論理体系で閉じていて、その世界の中だけで完結しているような学問領域のことを指すことにします。実社会との接点があるないに関わらず、人類の純粋な知的興味として古代から存在している学問です。人類にこうしたマニアックな部分が存在する以上、これらの学問の存続意義を否定することは出来ませんし、私もするつもりはありません。

(2)人類が生きていくための教訓を知るための学問
文学・歴史学・宗教学などの、直接的に社会的実益に結びつくとは言い難いものの、人類が生きていくための教訓を学ぶ上では不可欠な学問領域です。とりわけ文化的背景の違いや歴史的教訓などの裏づけを以って、国際社会における人と人とのコミュニティーを円滑に運営していくことがこれらの学問の存続意義であると考えることができるかと思います。

(3)人類と自然現象との関わりを追求するための学問
物理学・工学・医学などの、人類と自然現象の関わりを追求する自然科学全般は、いわゆる「科学的方法」を以って自然現象の法則を発見することがキーになります。この分野では、そうした研究結果が最終的に社会的実益の追求が伴えばそれに越したことはありませんが、必ずしもそれだけが目的ではありません。「科学的方法」を以って研究している限りは、それらを支える「基礎研究」も支持されて然るべきです。「科学的方法」につきましては、「科学哲学入門」などをご参照ください。この「科学的方法」は、折に触れて取り上げたいと思います。

(4)人類が望む社会的実益を追求するための学問
経済学・経営学・ファイナンスなどの、直接的に社会的実益を追求する学問では、まず「社会的接点ありき」です。これまでに紹介した(1)~(3)の学問領域は、必ずしも社会的接点が最優先項目ではなかったのですが(そんなことはどうでもいい学問領域すらあることも紹介しました)、ここに属する学問領域だけは別だと思います。つまり、これらの学問を追及しようとする学者は「世間知らず」であっては話にならないのです。したがって世間一般でよく言われる「象牙の塔」という批判は、まずはこの学問領域に向けられなくてはなりません。

さらにファイナンス(証券投資)について言えば、他の学問領域では必ずしも追求されない、もう一つの使命が与えられています。それは、「お金を稼げるための研究でなければ、学問としての存続意義が全くない」ということです。

一般的に学者というのは金儲けをすることに積極的でない(少なくとも二次的な要素である)という価値観を持っている人が多いのですが、他の学問領域に属している人ならばそれでいいとしても、ファイナンスの世界だけはそれは許されません。したがって、「金儲けのためではない」というファイナンスの研究者は完全な偽善者であり詐欺師であると断言できます。

次回からは、ビジネススクールにおけるファイナンス教育の情けなさが見えてくるような話をいくつか紹介していきたいと思います。

今日の言葉:






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最終更新日  2004年10月17日 11時30分39秒
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