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2010.05.08
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テーマ: ニュース(99396)
カテゴリ: 人類学
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100507-00000004-maip-soci


ヒトと、ヒトに最も近い種で絶滅したネアンデルタール人のゲノム(全遺伝情報)を独米などの研究チームが比較した結果、過去に一部が混血し、ヒトにもネアンデルタール人に由来する遺伝子が残っている可能性があることが分かった。チームが7日発行の米科学誌サイエンスに発表した。
独マックスプランク進化人類学研究所などの研究チームは、クロアチアで出土した約3万8000年前のネアンデルタール人3体の骨の化石の細胞核からDNAを取り出し、ゲノムを解析。アフリカ南部▽同西部▽パプアニューギニア▽中国▽フランスのヒト5人のゲノムと比較した。その結果、アフリカ人を除く3人の方がネアンデルタール人のゲノムと一致する率がわずかに高かった。チームは、アフリカで誕生したヒトの一部が8万年前以降にアフリカを離れた後、ユーラシア大陸に広がる前に中東近辺でネアンデルタール人と混血した可能性があると指摘。「ヒトの遺伝子の1~4%はネアンデルタール人に由来している可能性がある」と推測している。
これまでヒトの細胞内のミトコンドリアDNAの分析などから、ヒトの祖先はアフリカで15万~20万年前に誕生して以降、絶滅した他種と混血しないまま、ユーラシア大陸を経て全世界に広まったという「アフリカ単一起源説」が主流だった。一方、ネアンデルタール人については、ヒトと共存する時期があったことや、両者の交流を示唆する石器が発見されていることから、混血の可能性も指摘されていた。
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かつて、ネアンデルタール人は我々現生人類の直接の祖先だと考えられていました。しかし、ネアンデルタール人の化石からDNAを抽出することに成功したことから、現生人類とDNAの比較が行われ、ネアンデルタール人と現生人類の分岐が約40万年前だったことが分かりました。一方現生人類はすべて、約12~20万年前に共通祖先から分岐しているので、ネアンデルタール人は現生人類にとって、いとこ筋に当たる存在で、直接の祖先ではないことが分かったのです。

人類の進化については、一地域進化説(アフリカ単一起源説)と多地域進化説が長く対立してきました。人類の祖先は、約400万年前のアフリカの猿人(アウストラロピテクス)まだ遡ることができ、約100万年前以降は、より進化した原人がアフリカ以外の地域にも分布を広げました。
一地域進化説とは、現生人類は比較的新しい時代に少数の母集団から生まれた種類だという考え方です。別の言い方をすれば、古い時代にアフリカを出たジャワ原人や北京原人、あるいは問題のネアンデルタール人などは現生人類の直接の祖先ではない(彼らは子孫を残さずに絶滅した)というのが一地域進化説の考えです。
一方、多地域進化説は、アフリカの原人はアフリカ人へ、ヨーロッパの原人はヨーロッパ人へ、アジアの原人はアジア人へ、というように世界各地の原人がそれぞれ現生人類に進化していったという考え方です。


※ たとえば、チンパンジーは個体数が人類より遙かに少なく、また分布もアフリカの一部に限られているにもかかわらず、チンパンジー同士の遺伝的差異は、現生人類同士の遺伝的な差異より遙かに大きいのです

ところが、今回の調査の結果、現生人類に、ごくわずかながらネアンデルタール人の血が受け継がれている(かもしれない)ことが示唆されました。正確に言うと、アフリカ人(いわゆる黒人)にはネアンデルタール人の血は受け継がれず、ヨーロッパ人とアジア人だけに受け継がれた、ということのようです。

実は、ネアンデルタール人と現生人類の間に交雑が起こった可能性があることは、化石資料からも支持されています。手元に文献がないのでうろ覚えですが、ネアンデルタール人の絶滅寸前の時期に、ネアンデルタール人と現生人類の両方の特徴を併せ持つ子どもの化石が発見されているからです。ということは、ネアンデルタール人と現生人類の交雑は可能(子孫が生き残ったかどうかは別にして)ということになります。
ただ、ネアンデルタール人と混血していたと言っても、たかだか1%から4%程度ですから、一地域進化説が揺らぐ、というには混血の割合が低すぎるかもしれません。
いずれにしても、現生人類が非常に均質な遺伝集団だという事実に変わりはありません。 ずっと昔の記事に書いたことがあります が、「黒人」「白人」「黄色人種」などという「人種」という区分は、DNA鑑定の元ではまったく意味がない。まして日本人と中国人など、区別すること自体バカバカしいというものです。





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最終更新日  2010.05.09 01:34:44
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