inti-solのブログ

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2012.01.02
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カテゴリ: 災害
元日からいきなりM7.0の地震で1年が始まってしまったわけですが、昨日の間にちょっと良いニュースもありました。

浜岡原発再稼働、津波対策しても知事「認めぬ」



中部電は東日本大震災後、高さ18メートルの防波壁の建設などを柱とする約1000億円の対策工事に着手。2012年末までに完成させる予定だが、川勝知事は、浜岡原発3、4号機が福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉、5号機がその改良型であることを問題視し、「津波対策ができても再稼働の話にはならない。事故を繰り返さないためにはパラダイム(思考の枠組み)を変えるしかない」と述べた。

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「福島第一原発は地震には耐えたけど津波にやられた」という人がいます。私も、事故の当初はそう思っていました。しかし、実際のところは、地震に耐えたのかどうかはかなり疑問です。事故の直接的な引き金となった外部電源の途絶は、津波ではなく地震の揺れによって鉄塔が倒れたことで起こっています。(倒壊した鉄塔の地点には津波が届いていなかった)また、配管に大きな損傷が生じたことが、事故の原因になった可能性も指摘されています。
だから、実は津波で壊れなかったのは、建屋の外壁だけだったのかもしれません。が、ともかく建屋の構造自体は地震に耐えたのは事実です。
じゃあ、津波さえなければ原発は安全なのでしょうか。

そう考えるのはあまりに早計です。
今回の震災で、津波の来襲する映像をずいぶんたくさん見ました。マスコミが撮影したもの、被災者が個人的に撮影してアップしたものなどさまざまですが、それらを見て、ひとつ気がついたことがあります。
それは、津波が来る前から倒壊していた建物はほとんどなかった、ということです。鉄筋や鉄骨の建物は言うに及ばず、木造建築も倒れてはいませんでした。震度7を記録した宮城県栗原市は津波には襲われなかったため、倒壊家屋はほとんどなかったということです。

つまり、今回の震災は多分に津波地震(揺れは小さいのに津波だけが巨大化する地震、明治三陸沖地震が典型例)的な性質があったように感じられます。今回の地震の揺れは、もちろん小さくはなかったのですが、揺れの大きさの割には建物に大きなダメージを与えないような揺れ方だったことが指摘されています。


そのことを考えれば、東海地震の震源域の真上に立つ浜岡原発は、津波を防ぐ防潮堤さえ作れば安全だ、などとは言えません。もちろん、東海/東南海/南海地震でも、過去に津波地震と思われる例はありますが、次に来る地震が津波地震なのか否かは、誰にもわかりません。普通の地震であれば阪神淡路のように鉄筋コンクリートの建築物が軒並みペチャンコになるでしょう。そのときに原発だけが安全だとはとても思えません。

菅前首相が浜岡原発を停止されたことは英断でしたが、防潮堤が完成するまでの一時的な停止という話に過ぎませんでした。それだって、何もしないよりはずっといいのですが。
今回は、知事は恒久的に浜岡原発を止めることになるのでしょう。
これを契機に脱原発への動きが本格化していく1年になるといいなあと、私は思います。少なくとも、もっとも危険な原発である浜岡原発と「もんじゅ」だけでも、廃炉が決まってほしいですね。





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最終更新日  2012.01.03 00:14:05
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