inti-solのブログ

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2016.08.27
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カテゴリ: 政治
「停止」迫る三反園知事、「妥協」探る九電 川内原発


川内原発1号機は今年10月に定期検査が予定されているが、三反園知事は「できるだけ早く再点検、再検査してほしい」と直ちに停止するよう求めた。ただ、その後の運転再開については「総合的に判断したい」と答えるにとどめた。
昨年末に立候補を表明した段階では、川内原発の一時停止については触れていなかった。考えが一変したのは今年4月に起きた熊本地震。震度7の揺れで多くの住宅が倒壊した。地震発生直後の1週間で、停止を求めるメールや電話が九電に5千件も寄せられたという。三反園知事は反原発グループと候補者を一本化する際に交わした政策合意書で初めて「停止」を盛り込んだ。

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正直なところを言うと、7月に三反園知事が当選したときには、それほど多くの期待をしていませんでした。何しろ日本全国でも有数の保守王国と言われる土地です。県議会でも自公が圧倒的多数を握っている(51議席中自民36議席と公明3議席)中で、結局はなし崩し的に脱原発の姿勢を後退させてしまうのではないか-と思っていました。どうも、私には民主党政権時代のトラウマが大きくて、どうせ政治に何かを期待しても裏切られるだけ、という感覚が強くあります。期待を裏切られてがっかりなら、最初から期待など持たないでおこう、と別にそういうふうに意識していているわけではないのですが、どうも無意識のうちにそういう感覚が働いてしまっています。
しかし、必ずしもそう失望することばかりでもないのかも知れません。沖縄では、翁長知事が、普天間基地異説問題をめぐって、政府に対して一歩も退かずに頑張っています。そして、鹿児島の三反園知事も私の予想をよい意味で裏切って、当選後も脱原発の強い姿勢を維持し続けているようです。

もともと、川内原発再稼動は、伊藤前知事が強引に再稼動を進めた経緯があります。どこの原発でも同様の傾向がありますが、原発の立地する市町村は、原発再稼動に賛成ですが、その周辺の市町村は、再稼動には反対、あるいは懐疑的な傾向があります。理由は簡単です。立地する自治体には原発による経済的恩恵がある一方、その周辺自治体には、原発が稼動したからといって経済的な恩恵はあまりなく、しかし事故が起きた場合のリスクだけは降りかかってくるからです。川内原発も同様です。ところが、伊藤前知事は、原発再稼動に際して求められている地元自治体の同意の範囲を、鹿児島県と原発の立地場所である川内市だけに限ってしまった。つまり、原発から利益を得る自治体の声だけを聞いて、利益がなくリスクだけが押し付けられる自治体の声は無視して原発再稼動を進めたのです。
その点だけに限らないでしょうが、伊藤知事に対する反感の強さが、4選に失敗する原因になったようです。

一方で、例によってこんな主張をする新聞もありますが

「地元の声聞かぬ」沸き上がる憤り 三反園知事 信頼関係にひび
「県民の声を聞くといいながら、特定の意見しか聞いていない。原発が止まったら困る住民の思いにも耳を傾けるべきだ」。鹿児島県の三反園知事が九州電力に対し、川内原発の一時停止を要請した26日、地元・薩摩川内市の声に耳を閉ざす姿勢に、憤りの声が沸き上がった。
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伊藤前知事こそ、原発によって経済的な恩恵を受ける「特定の意見しか聞いていな」かったと言うしかないでしょう。だから、川内市の意見だけしか聞かなかった。知事が変わった以上、今度は川内市ではなく、原発によって経済的恩恵を受けない地域(当然、そっちのほうがずっと広いわけです)の意見を優先して聞く、となるのは当然の成り行きでしょう。

三反園知事自身が認めているように、熊本地震がありながら、その至近距離にある原発の安全性に何の不安も抱かないでいられるわけがないでしょう。そして、多くの鹿児島県民もそう考えたから(それだけが理由ではないにしても)三反園知事が当選したのでしょう。





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最終更新日  2016.08.27 22:00:14
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