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2020.04.28
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テーマ: ニュース(99953)
カテゴリ: 政治
保守派による「新型コロナは生物兵器」というトンデモを検証する


保守系雑誌『WiLL』(20年4月号)では、『中国が進めていた”ウイルス研究兵器”』と題して、新型コロナウイルスが武漢にある研究所から漏れたものではないか、という断定的な記事が掲載されている。~
そもそも、「武漢から30キロ離れたところ」にある研究所から漏れたウイルスが、なぜ飛び地のように武漢市内の海鮮市場で発生したのか。30キロという距離は、東京23区の端から端までに相当する距離だ。「漏れた」のなら、発生源はその研究所から連続的につながっていなければおかしいはずだが、その疑問への回答はない。~
新型コロナは生物兵器説は早々に専門家が否定している。~世界各国で研究されている生物兵器の中に、コロナウイルスは含まれていないというのである。考えてみれば当間の話で、今次新型コロナ禍における致死率は、最も高いとされる武漢で約5%未満。このような低い致死率では、到底生物兵器としての利用価値はない。(以下略)

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もはやかなりの旧聞に属する話題となってしまいましたが、例によって例のごとく、お話にならないトンデモ陰謀論が、ネトウヨ界ではまるで定説のように扱われているようです。

中国が、というより厳密に言えば武漢市の当局が新型コロナ感染が始まった初期の段階で、感染症の拡大阻止のための策を講じるのではなく、それを隠蔽しようとしたことは事実です。おそらく事態の重大さを認識しての隠蔽ではなく、深刻さを見誤まり「たいしたことのない事態を針小棒大に騒ぎやがって」という認識ではなかったかと私は想像しています。いずれにせよ、初期の段階で感染症拡大阻止の適切な策を講じず関係者の口を封じようとしたのですから、その対応が問題だったことは間違いないでしょう。
しかし、だからと言ってそれを「中国が作った生物兵器だ」というのは、明らかに事実に反するのです。

問題は、この種のトンデモ論に、米国のトンデモ大統領のトランプまで乗っかってしまっていることです。何しろ、新型コロナ対策に家庭用消毒液(漂白剤)を注射したらいいんじゃないか、などという超トンデモを公の場で言ってしまうほどの人ですから、何でもありなのでしょうけど。

※いや、トランプ大統領閣下におかれましては、是非ともまず自らが率先してそれを実行していただいて、範を示していただきたいところです。多分全世界にとって好ましい結果と何のではないかと思います。もっとも、医師がその処置を行った場合、その医師が殺人罪に問われる可能性が生じてしまいますが・・・・・。

これについては、WHOから、新型コロナの塩基配列の分析などから、その期限がコウモリなどの動物にあり、人工的に操作されて作り出されたものである可能性が低いという(性質上100%絶対という断定は困難であるものの)ことが 発表されています
でも、ネトウヨ脳の人たちは、WHOは中国の手先だとか言って、一切信じないのでしょうけどね。


そもそも、兵器とは使用者の意思でコントロールできるから兵器なのです。敵に向かうか味方を全滅させるか分からないないような代物は、(味方にとっても)たんなる危険物に過ぎないのであって、兵器の態をなしません。その「威力」もまた、兵器としての威力を疑わせるものです。つまり、高齢者、基礎疾患のある者は比較的重症化しやすく死亡率も高いけれど、健康な若年層にはそこまで深刻な脅威にはならない、というのが新型コロナの特徴です。ところが、軍隊というものは一般に高齢者とか基礎疾患のある者はあまりおらず、健康な若者を中心とした集団です。

例えば、米空母「セオドア・ルーズベルト」は4800名の乗組員のうち600人以上の感染者を出して行動不能状態に陥っていると聞けば、新型コロナの兵器としての威力は一見とても高そうに思えます。それはしかし、今が、他国との紛争という意味では平時であって行動不能であっても問題が生じないからです。逆に、「新型コロナウィルスとの闘い」という意味では今は戦時同然であり、それが「人間同士の戦い」より優先されているので、「セオドア・ルーズベルト」は行動不能状態にされたのです。いざとなれば、この空母を動かすことは簡単です。何故なら、600人の感染者の6割は「無症状」で、入院するほどの重症者は6名、死者は1名というのです。「人間同士の戦い」という意味での緊急事態になれば、軽度の風邪程度の症状の者は軍務に付かせるか、乗組員を入れ替えるなりして行動を再開するのは不可能ではないでしょう。

240人の風邪っぴきと6名の重症入院者、1名の死者という「戦果」は、兵器として考えたらおよそ笑ってしまうような代物です。しかもそのために中国が失ったものの大きさを考えれば、とうてい割の合う代物ではありません。
これらあらゆることから、こんなものを生物兵器として利用しようと考える専門家がいるわけがない、という結果しか導き出せないのです。

それにもう一つ、武漢の何とか細菌研究所で研究していたウィルスが、管理が悪くて漏れ出した、という説も同様に荒唐無稽なものです。
引用記事でも指摘されていることに尽きます。研究所から市場までの30kmの距離を「至近」と言えてしまう感覚が、すでにおかしいのです。武漢は1000万人都市で、東京と人口がほぼ同じですから、日本に置き換えてみれば分かりやすい。海鮮市場は豊洲市場としましょう。そこから南西に30km行けば横浜より先です。北に30kmなら浦和より先です。
もしも豊洲市場で何か奇病が発生したとします。そして浦和か横浜にウイルスの研究施設があったとしましょう。浦和や横浜は豊洲から30kmも離れていない、至近距離だ、だからその奇病は浦和か横浜の研究施設の管理が悪くて漏れ出したに違いないーそんな主張をしても、都民や神奈川県民や埼玉県民のほとんどは「どこが至近距離だよ、ぜんぜん遠いじゃないか」と思うに決まっています。
それを「至近距離」と思うのは地球儀や世界地図の感覚であって、人間の生活感覚とはかけ離れたものです。





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最終更新日  2020.04.28 19:35:37
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