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2004.08.31
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私が執筆の道へ進む切っ掛けとなった作品。居酒屋で夫に、書きかけの原稿を見せ「これ面白い。続きを書いてよ」と
言われたのに1年間放っていた。その後、文化庁の劇作公募を劇団の掲示板で見かけたのと同時に、
頭の中で消えてしまっていた登場人物たちもむっくりと起きだした。
それからの4ヶ月間、頭の中で登場人物たちと私との強化合宿が始まった。それが深夜にまで及ぶときは
劇団の出張を増やし、私は電車やファミリーレストランで昏々と眠り続けた。
家庭に仕事、シナリオ学校の三点を円を描くように周り、どこにいても紙とボールペンだけでそこを過ごした。

2月、文化庁から受賞の知らせが劇団に届く。
受賞の報告がそのまま、今まで戯曲を書いていました、という告白となる。皆の驚きの声は、受賞と、

その思い出の作品の初演が、27日から29日までの3日間に行われた。
頭の中にいた物語が、紙面の上で生き、役者の体を通じて舞台から生を放った。最初から生を放ったわけじゃない。
漸く、本当に漸く、3ステージ頃からそれを感じて、やっと舞台の上で登場人物たちと出会えたと思ったら、最終公演が終わった。
「やっと役と一体になって、セリフが自分の口から出たのに」何人かの役者がそう言ってくれた。ありがとう。それで満足です。

でも不満がないこともない。転換(シーンとシーンのつなぎ)が全て暗転で処理されているのには驚いた。
こちらは転換を見せる(たとえば着替えとかも)つもりで書いているのに、あれでは話しがブツ切れになってしまう。
どれだけ滑らかに進行するかは、基本なのに。
初日は、暗転の中でセリフを話す、という有り得ないことがあったので、すぐに止めてもらった。
案の定、「なんであんなことをするの?」と知り合いから言われる。
「私も、初めて見たんよ~~~!」と、半泣き。
ラストも、正面きってセリフを言われた。これも数名の知り合いから「あれは恥ずかしい!」と言われる。

とにかく、照明が暗い。せっかくの舞台空間が生かせず、洞窟の中で裸電球を灯したような明かりの下では、芝居も小さくなりがちだ。
あぁ~、触りたい。芝居を触りたい。と、心の中の私は首筋を掻きむしる。(笑)

アンケートにある感想を読み、好評であったことを知った。またこの手の芝居を見たいというのが殆どだった。
嬉しい。実際、この手の芝居を見たくて自分で書いたので余計に嬉しい。

打ち上げが思いのほか楽しかった。目の前に、私と同じ気質の方が二人座られてからは、

このエピソードでも勝負がつかないほど、相手の見合い話はすごかった。

今回の芝居について、この二人の方がどう取り組んできたかを聞き、相手を引き寄せて抱きしめたい衝動に駆られた。
役に対する思いと理解が私と重なり、そこに行き着くまでの過程は、私がこの物語を創るあの苦悶の日々と似ていた。
「荒木瞳は、真壁さんなんですね。あのエッセイを読んで真壁さんに親近感を覚えて、役を理解できたんです」
親近感を覚えるのは当たり前で、エッセイにある私と同じおバカなことを彼女はしていた。
名刺交換以上に「珍話交換」は威力がある。すっかり彼女と私はお友達。明日にでも会いたくなった。

帰る間際に、主役を務めてくれた彼女が私の隣に座り「3ステージ目でやっと千絵のことがわかったんです。これが初日だったら・・・」
そういって、すっと私に手を差し出し握手をした。役がまだ抜け切れていないような、力強い感触に、
私は自分の描いた登場人物と直にあったような気がした。
彼女もまた、あの苦悶の日々を過ごした私の同志だ。


追伸

今回の芝居は兵庫でありました。大阪で再演すると聞いていましたので、
とくに南に住む大阪の方と奈良の友人知人に連絡をいたしませんでした。
初日、演出家の方から大阪での公演は無理みたいと言われビックリ。(ToT) あぁ・・・・。大阪と奈良の皆様。
全員ではありませんが、ご案内を差し上げることができなかった皆様、ごめんなさい。

舞台装置は、「我が家の食卓・日々のフォト」ページに掲載しています。(8/29の欄)









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Last updated  2004.09.01 14:06:35


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