ボリュームのある各科目をどう攻略するか
出題科目が多いので、広く浅くが基本
出題科目は、労働基準法・労働安全衛生法・労働者災害補償保険法・労働保険の保険料の徴収に関する法律・雇用保険法・健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法・その他、社会保険労働保険に関する一般常識、と広範囲です。実際の試験問題は「穴埋め式」「択一式」があり、どの科目も最低何問以上正解せねばならぬと、合格基準を設定しています。つまり捨て科目が許されない訳です。
★適用+保険料徴収+保険給付、共通する癖をおさえる。
どの科目も私達の生活経済を支える重要な法律なので、ある程度の共通点を見出して理解することになります。例えば、労働保険や社会保険は、必ず「事業所の適用」「被保険者の適用」があり、「保険料の支払」があって「保険給付」があります。適用・保険料はどれもかなり共通した内容です。給付も、厚生年金・国民年金は関連づけて覚えることになるし、年金は労災でも給付があるから応用が利く。労働基準法や安衛法は独自の分野なのでこれらは個別に当たって行くしかないんです。
★的を絞った勉強ができない「一般常識」
もうどうしようもない存在なのが「一般常識」です。例えば労働関係を規律する法律も、男女雇用機会均等法をはじめ多くが存在します。さらに、厚生労働白書の統計(例えば失業率)の問題も出されます。あまりにも範囲が広すぎて的を絞れない・・・・一般常識対策の参考書+日頃から新聞の経済欄を読むことから始めるしかないでしょう。(とても白書は全部読めないものです。時間をじっくりかけて日頃から問題意識を持っていろんな知識を得るのがいいと思います。)
勉強の仕方は人それぞれ、どれがベストなのかも人それぞれです。独学では難しいようなことを言う業者もありますが、独学でも受かるから本屋に参考書も売っているのです。独立起業は至難ですのでお金をかけない方法をお勧めします。(筆者は試験終了後に出回る古本から始めました!)
合格してから「呆気に取られる」手数料の高さについて。
とにかく懸命に勉強して、見事合格!となった後で戸惑うのは「それからどうなるの?」と云うことです。合格すると、各種手続きのための用紙が封筒で送られて来ます。国民年金基金の加入案内まで来ます。ただし、「社会保険労務士」を名乗るためには登録をする必要がある訳で、何もしないと「ただの人」なんです。(ちなみに筆者も登録はしてません。だから社労士相模太郎とは表示できないのです。)
その登録手続きの説明によると、「全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録し、勤務地か居住地(開業する場合は事務所の所在地)の都道府県社会保険労務士会に入会しなければ、社会保険労務士を名乗ることができません。(社会保険労務士法 第25条の29 登録即入会)
登録のためには、労働・社会保険諸法令に関する実務経験が2年以上必要です。 実務経験がない場合は、全国社会保険労務士会連合会が実施する指定講習を修了することで実務経験あるものと認められます。いわゆる「登録=社労士会の入会」なのであって、そのための費用については、
★登録免許税: 30,000円
★登録手数料: 30,000円
★労務士会費: 「開業→入会費50,000円、年会費96,000円」;「勤務→入会費30,000円、年会費42,000円」
労務士会の入会費や年会費は東京の場合で、これについては各県によって違いがありますが、さらに独立して法人として活動するためには法人の登記費用などもかかることになります。「独立」するならそれ相応の投資は必要だでしょうが、サラリーマン社労士となると、会費を事業所が負担してくれない限り「ただ合格しただけの人」で自己満足するしかないですね。
これだけは言えるのではないでしょうか。 「独立できる人は、何も社労士でなくたって独立できる!」
厳しい現実を思い知った自分が勉強になったと思えば十分と云えるでしょう。
検定は2級でおしまい?管理者の悪しき伝統~当サイトの資格試験の各コーナー
・社会保険労務士 ・DCプランナー ・FP技能士 ・消防設備士乙種6類 ・個人情報保護士