じゃんす的北京好日子 東京編

じゃんす的北京好日子 東京編

日本人俳優@中国



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(千里走単騎、PROMISEの看板ポスター画像)

最近、日本で公開になった高倉健主演の「単騎千里を走る(中国名:千里走単騎)」、真田広之、チャン・ドンゴン主演の「PROMISE」は中国ではすでに公開され、人気を博しました。公開前後には、メディアでもよく報道され、北京人に人気の新聞「新京報」は見開き2ページで、真田広之の顔をアップを使って大々的に報道していましたし、北京の朝刊紙「北京晨報」も1ページ全体を使いこれらの映画を紹介していました。

普段メディアに登場する日本というのは、テレビだったら極悪非道な日本軍兵士が暴れまわり、新聞雑誌だったら日軍に不穏な動きあり、とか小泉首相など政府閣僚がこんなけしからんことを言ってるとか、そういう内容ばかりなので、最近の日本人主演の映画が比較的好意的に報道されるのを見るのは嬉しいものです。

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(新聞の画像)

「北京晨報」では「中国の有名映画はなぜ日韓の役者を起用するのか」というテーマで国内の有識者がそれぞれの立場からその理由を論じていました。「制作者にとって、日韓の役者を起用することは、国際的なプレゼンスを高めるために最も重要なことなのだ」、「儲けるための手段の一つ、日韓の役者起用は宣伝に利用するためだ」、「アジアの映画人たちは団結すべきだ」など様々な意見がありました。私もこの紙面にコラムを掲載させていただき、「日本人俳優が中国映画に出演したり、中国人俳優が日本の映画に出演することは、日中相互理解のきっかけとなる」という意見を書きました。

「千里走単騎」は、監督の高倉健への友情と愛情で溢れている作品でもあります。張芸謀監督は本当に高倉健という男を愛しているのだなということがひしひしと伝わってきます。張芸謀監督はデビュー作「紅いコーリャン」でベルリン国際映画祭の金熊賞を獲得した時にあこがれの存在だった高倉と会い、いつか一緒に映画を作りたいと意気投合したといいます。


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高倉健主演、「千里走単騎」
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10月22日に開催された東京国際映画際で、張芸謀監督は「少なくとも私の心の中では、ずっと神様のような存在でした。彼が出演した映画『君よ憤怒の河を渉れ』は、10億人以上の中国人に感動を与えたのです。1970年末から80年代初めには、映画学校などで『高倉健モデル』というものが流行って、みんな健さんのように襟を立ててみたりしたのですよ。彼は僕のアイドルで、その気持ちはずっと変わっていません」と述べています。(サーチナ報道より)

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中国でも大ヒットした映画、「君よ憤怒の河を渡れ」

張芸謀監督が言っている「君よ憤怒の河を渉れ」は1976年に中国のほぼ全土で公開され、大人気を博しました。この映画をきっかけに、高倉健は最も親しまれている日本人の1人となっているのです。ほとんどの中国人が高倉健を知っています。NHKスペシャルで、今回の映画製作の現場のドキュメンタリーを「高倉健が出会った中国」の中で、高倉健が訪れた農村の売り子のおばさんが高倉健のことを見て「高倉健だ!」と驚くシーンがありましたが、その名前は農村まで広まっています。

チェン・カイコー(陳凱歌)、真田広之、チャンドンゴン主演の「PROMISE」も「千里走単騎」とともに中国で話題になりました。チェン・カイコーは『さらば、わが愛/覇王別姫』『始皇帝暗殺』『北京ヴァイオリン』などの監督です。これらの作品は日本でもヒットしているので、ご存知の方も多いと思います。

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真田広之、チャンドンゴンともにすべて中国語の台詞で演技しています。真田広之の中国語もなかなかのものです。さすが国際派俳優ですね。映画の撮影にはいるときに彼らの演技を中国語でやらせるかどうかについて、テストを行ったそうです。中国人を100人集めて、目隠しをさせ、真田広之、チャンドンゴンに中国語を話させたそうです。それで、問題ないということになったそうです。

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チャン・ドンゴン

さて、これら「千里走単騎」と「PROMISE」ですが、中国ではどのような評価をされているのか気になるところですが、新浪という中国で最も影響力のある掲示板によると、「千里走単騎」については多くのの中国人が「感動した」「素晴らしい映画」「田舎の両親を思い出して、親孝行したくなった」というような好意的な感想を書いています。「PROMISE」のほうは、「素晴らしい映画だ」というい意見もあれば、「つまらない」「意味が分からない」などの意見もあり、両極端に分かれるようでした。「日本人が主演している映画なんて観るな」というような愛国反日コメントも多いかと思ったのですが、それはほとんどありませんでした。これはちょっと意外でした。政治と映画は関係無いということなのかもしれません。

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