夢中人

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2010.08.13
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紅い鼻緒、じゃなくてクリスタルのブレスがブツっと切れた(?夜桜お七)。

何してるでもなく、新居の、ようよう片付き始めたリビング(ってほどのもんじゃないな、完全に前室!ってほど可愛らしいサイズだからして)にて、ふと腰に手を当てた瞬間に唐突に。何のテンションもかけていないのに、本当に音を立ててそれは切れ、そして床にボトっと落ちたのだった。
そしてその瞬間脳裏に浮かんだのは、まさに昨夜、引っ越して初めて、声に出して言った自分のことば。
「この部屋、最高」。
帰宅して、くったり疲れて、シャワーを浴びて、眠る、その前の一瞬あたしは心から思ったんだ。
そりゃ前の豪華なマンションに比べれば、この部屋は小さくて窓も一つしかないし、駅からだって街からだって遠い。
前の大きな部屋のサイズに合わせて買ったソファも、この部屋じゃあるだけでぎっしりだ。
もちろん収納しきれない荷物がまだまだ散乱してるし、テレビだって配線してない。だから決して快適とは呼べないかもしれない、けれど。
けどここは、私が久しぶりに、自分のためだけに選んだ部屋。

それはまさに“私の城”とも呼べる、小鳥のねじろのようにちんまりとささやかな巣になってゆく予定の、まだ生まれたてのあたしのベース。
そこに居を移し、腰を据えた、と実感した瞬間に切れたブレス。
もしかして、お役目を終えたの?
何からあたしを守ってくれていたの?
ラグの上に落ちたはずなのに、どうしても3粒、見つからない。
どこへ行ってしまったのだろう、もはやあたしの一部のようだった、あの愛しい透明な石たちは。
あたしの闇を吸い取って、そしてどこかへ消えてしまった。





な~んちゃって、ちょっと気取りすぎたかしら。
確かにブレスが切れたことで、感傷的になったのは事実。
だって本当に片時も!離れずにあたしの左手を飾っていたの。

石に縋らなければ乗り越えられないくらい不安定だったのだ、あの頃のあたしは。
今でも残りの2本は腕にあるし、よっぽどのことがなければ外さないと思う。
それは護符、というよりも努力目標として。
自分を信じる、ひとつのツールとして。



それにしても引っ越しを決めた瞬間に色んな事がいっぺんに起こって、本当に驚いている。

そういうの、本当にあるのかもしれないな、と考えざるを得ないくらいの変化だ。
それはさなぎから蝶、というような華やかな変化ではないけれども、着実に人間関係が変わっているのがわかる。
それを拱いているのは心境の変化、なのかもしれないけど、でもそんな言葉じゃ片付かないよ。


まだ散策すら出来てない現状ではあるけれども。
2010年8月13日、あたしの腕からブレスが1本消えた日。
またひとつ、何かを重ねた日。












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Last updated  2010.08.14 01:33:57


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