全57件 (57件中 1-50件目)
もうそんなになるのね。気付けば最後に日記を書いてから、ものすごい時間が経過してしまっていたことに、驚愕。どうしても、どうしても書けなかった。このページを立ち上げてキーボードに指を置き文字と対峙する、そんな単純なことが出来なかった。自分の心の深いところ、フタしたいところをべりっとめくり上げてわざわざこねくりまわすような残酷な遊びが出来る程の余裕は恥ずかしいほどなかった。微塵もだ。若い頃は違った、どんなに辛いこともいつかネタにしてやろうと思ってた、それだけ貪欲だったのだろう、人生に。まるで飢えた野良犬みたいなモンで、目の前に出されたネタは何でも美味しく喰い尽くす覚悟も度胸もあった。エネルギーの塊だった、燃えていたと自分でも思う。臨戦態勢って言うのかね。何がこんなにも退化してしまったんだろう。どうして戦うことを忘れてしまったのだろう否、諦めてしまったのだろうね。あんなにもギラギラと暑苦しく生きていた自分を少し、羨ましく思う。若いな、ともね。でもこうも思う。こうして乗り越えて来なければ、私はなにも見えなかった。ただ威勢よく吠えているだけでは美しいものも幸せも、なにも。諦めて、手放して、でもしがみついて、もっかい諦めて、放棄して、脱力して、もうなにも自分の人生にはあたたかいことのひとつももたらされないんだと投げていた。生きることは消費すること、こうして死ぬまで連綿と続く時間を消費するしかないんだと諦観していた、するしかなかった。だけど転機は必ず、必ずやってくる。こんな私にだってやってきたんだから、誰にでもやって来る。ただ、少し価値観をスライドすれば、誰の道にも救いはあって、そう、あの地獄の煮えたぎる窯に垂らされた金の糸のような神々しいものが、必ず。人の物語はその人の中にしか生きない。行き交う渋谷のスクランブルですれ違う何百もの人々、その膨大な背景すら感じられない。だからこうしてひとりごとをしたためたところで真実のほんとうの芯のところには響いてはいかないんだろう。それは自分で見つけるしかないんだ。だから誰に伝えるでもなく、私は私が生きたことをなんとなく、記憶しておきたい。記録しておきたい。あの日から、ここまで運ばれてしまった大きな潮流を。最後の日記から春が2回過ぎて、2回目の夏が来ようとしている。私はあの日から2回目の引っ越しをして、今はなんと横浜に住んでいる。ずっと住んでみたかった街、横浜。大好きな横浜。窓を開けたら川が見える。雨が近い日はかすかに海の香りがする。高速道路の高架が見えて、時折トラックがごうん、と低い音を響かせて走り去る。桜のころは、この川面に上流からたくさんの花びらが運ばれてきて、まるで水玉模様の見本市のようだった。朝窓を開けてそれを見るのが楽しみだった。私は今その部屋で、好きな人と暮らしている。この恋がはじまったのは去年の12月だから、それはスピーディーな展開だったと思う。ものすごく消耗した前の恋を終えて、私はもうもぬけの殻だった。疲れ果てていた。仕事と恋とが複雑に入り混じったあのOさんとの恋愛は恋愛ですらなく、私は結局遊ばれて棄てられたようなものだ。都合良く振り回されて、振り回されるから余計に執着して、の悪いスパイラルにどっぷりとはまっていたしょうもない関係がきっぱりと終わったのは、去年の8月くらいだっただろうか。それから数カ月後に今の恋人と出会っているから、こうして時系列で見ればたいしたダメージはないようにも思えるが、実際にはその何カ月も前から、泥沼のように重苦しい関係が続いていた。破綻していたのはもっと前からだった。その間に私はどんどん自分を責めて責めて責め抜いてしまった。どんだけ自分を追い込んでも満ち足りることはなく、そんなどうしようもない関係すら継続できない自分に嫌気がさして、すっかり生きる気力を無くしてしまっていた。彼との馴れ初め、それはまた別のお話として、そんな病みきった私を当初彼はものすごく持て余したのだという。なにかにつけ物事と自分を卑下し、深入りする前に彼を断ち切ろうとする私はもちろん傷つくのがもう怖かったし、これ以上ややこしいことを人生に増やしたくなかった。彼と始まった当時の私は収入も十二分だったし、もうひとりでの一生をカクゴしていたから。それは孤独だったけれども優しかった。誰も私を傷つける人はいない世界に、その寂しい物語の住人になればひとりでひっそりと生きて行くことは案外甘い誘惑だった。だけど彼はそんな私の手を引いて、本当に引いて何度も言った、「どうした?なんでそんなになっちゃったんだよ?大丈夫だよ!ちゃんと見ろよ」あの雪の日、今年東京にたくさんたくさん降った雪が街中の交通を停めてしまった日、まだ付き合い始めたばかりの私たちはディズニーランドに行ったのだった。彼の提案だった。ディズニーランド!そんな陽の当たる場所へ恋人と手をつないで行ける日が自分の人生にやってくるなんて、絶対にあり得ないと思っていたことに驚いて、私はとても幸せで奇妙な浮遊感の中にいた。地に足が着かないとはああいうことだ。駅に着いたときはまだ雪も降っていなくて、ただべらぼうに寒くて、私たちはしっかりと寄り添って互いを支えるようにして園内を歩いた。時たまピザを食べたりコーヒーを飲んだりして身体を温めながら、あまりの寒さにひともまばらな園内をただひたすら歩いてどんどん乗り物に乗っていった。寒さで顔が凍ってろれつが回らなくなっても幸せだった。彼のエスコートは完璧だった。こんなに幸せなことってない、罰が当たってしまうと怖かった。途中冷たい雨が降り出して、彼が傘を買ってずっと私に差しかけてくれていた。自分の肩はもう冷たい水滴で変色しているのに、いくら押し戻してもそのディズニーランドのダサいロゴが入った傘のアーチはいつも私の上にかぶせられていた。いつも私の歩調に合わせ、私の乗りたいものを最短距離で探し、キスもハグも忘れなかった。彼のハンカチは私の髪を拭ってすぐにびちょびちょになった。だから、さらに園内から人が消えても私たちはまだデートを終えたくなかった。パレードが中止になっても、だ。そのまま凍えた身体を赤坂の韓国料理屋で温めに行って、ブデチゲを思いっきり食べてマッコリでふあんと酔って外に出たら、もう一面真っ白だった。大粒の雪が次から次へと街を埋めていたのだった。穢れを祓う雪、喧騒を吸い取って。あまりに完璧な一日に私はとうとう本当に悲しくなって、悲しくなって哀しくなってどうしようもなくなって、ついに泣きだしてしまった。どうしよう、こんなにも優しくされてこんなにももう好きになって、でもどうせまた別離がやってくると思ったらそのあまりの辛さにもう身が千切れてしまいそうだ、だからもう2度とあなたには会いたくない、このまま2度と逢わない。駅まで一緒に行って、それからもうお互いの家に帰ろう、そしてそのまま携帯の番号もここで今すぐ消去して、と。そのとき彼が言った、「Don't worry,I'm in with you,all the time.」熊みたいなひげ面で、精一杯の笑顔で。そんな陳腐なことを、そんなありきたりの台詞を。god、その時の赤坂を、三軒茶屋を私は一生忘れない。あの雪を、あのブーツにまで沁み込んだ水の冷たさを。そしてその記憶と約束を、金色の記憶を約束を。その時に決めたのだ、新しい煩わしさに飛び込んでいく甘い不自由を私は選んだ。
2012.04.21
「今から行きます、恵比寿です」電話があってから約20分後、彼はあたしの部屋のチャイムを押した。ドアを開けたら、満面の笑顔。相当呑んでたらしいことは、彼の顔色を見ればわかる。本当は約束していたのだ、その呑みの場に、彼の後輩が来るというその宴席に、あたしは参加する予定だったはずなのだった。だけど待てど暮らせど、召集はかからなかった。そして、PM10:00。彼からのメール。“ごめん、約束を忘れていたわけじゃない。だけどタイミングがないまま宴会が終わった”その2分後、あたしのiPhoneが彼の着信を表示した。そのときあたしは完全にもう彼からの誘いはないだろうとハラを括ってつけまつげを外し、東野圭吾の小説を読んでいた。タイトルは“夜明けの街に”。皮肉にも、妻子ある男性と独身女性の不倫に殺人事件が絡むおはなし。自虐?そうかもしれない。だけど今あたしは、自分の置かれている立場から逃げたくないのだ。男性が婚外恋愛をするときどんな心境にあるのか、結末はどこにあるのか。こんな勝気な性格で、あたしは妻の座は奪えない。奪う気もない。いや、本当に?今彼がすべてを振り切ってあたしのもとにやってきたら、あたしは彼を歓迎するだろう。そんなカクゴくらいはもうとっくに、できている。まえの彼との不倫のときから。結果的には彼はあたしに逢いに来た。満面の笑みで、逢いたかったよ、と玄関であたしを抱きしめて。しかし宴席に呼ばれなかったという事実に変わりはない。打ち捨てられたような気分だった。まるで振られたみたいに、あたしは彼の連絡を、お呼びを待っていたのだ。この一連の出来事を一体どう解釈すればいいのか。呼ばなかったのか、呼べなかったのか。意図した作戦なのか、偶然なのか。それさえも猜疑心というフィルターをかけてしまうのは、きっと彼とあたしをとりまく恋愛という甘いムードの、とりあえずの終焉を示唆しているのかもしれなかった。不倫というくだらない関係に嫌気がさしはじめているのかもしれなかった。だけど、こうも言える。あたしはもうすでに、嫉妬や猜疑心なしで見られないほど、彼のことを愛しているのだ。まだ、多分。だけど今夜、なによりもショックだったのは、セックスだった。いつになく彼がうちに長居をしたのは、明日が土曜日だということ以上に、あたしに対する面目のなさからだろう。行為の途中で、彼が委縮したのだ。酒のせいかもしれない。コンディションのせいかもしれない。ああいうとき、普通の男性ならいたたまれない気持ちになることを知っていた。だから、そのままあたしは彼の胸に少しだけ寄り添い、なにもなかったふりをした。そして彼とあたしは、裸のまま色んな、そりゃあもうたくさんの話をした。だけど知っている。本当は彼の委縮の原因が、あたしにあることに。乾いたからだ。理由は明白だ。気持ち良くなかった、それだけ。それに気付いたあたしが、多分それに気付いていない彼の倍以上のショックを受けていたことを気付かれなければいいのにと、祈ったほどだ。セックスがよくないなんて、他にこの関係を続ける理由がどこにあるの。この問題は二人の関係性を根本から揺るがせる。それほどまでに重いテーマだ。これは一体どういうこと?宴席に呼ばれなかったことがそんなにもショックだったのか。メンタルがフィジカルに及ぼす影響をこんなにも実感するなんて。今日のあたしは疑問だらけだ。・・・そういうことか。快感にのめり込めなかったのは。疑問符で頭をいっぱいにして抱かれても、あたしに快感はやって来ないということか。ひとり残された部屋で、彼が飲み残したビールを捨てるとき、どこか心の一部も一緒に排水溝に吸い込まれたような、気が、した。
2010.10.08

愛らしい名前をした常温の日本酒、秋風、金木犀、私の髪に残る彼の残り香。ずっと繋いでいた手にも香る、彼のブルガリ。ゆるゆるとグラスをあけて、満たされて、放たれて。そして自分の気持ちに気付く、こんなにもアイタカッタこと。気付けば10月。早いね。なのにどうしてこんなに一日はゆっくりなんだろう。誰かを待つことを知った日から、私の時計は一秒一秒をやたらめったら丁寧に刻む。鳴らない電話、呼んでくれないメール。どうでもいい情報ならたくさん来るけど、私が欲しいのはたったひとつ、あのひとの指が私を思いながら綴る文字列だけ。Oさんと、久しぶりに逢った。べつにこの疎遠(ったって2週間くらい)に特別な理由があったわけじゃなくて、単に天然ボヘミアンなさくらが海外逃亡を図っていただけなのだけど、そんなさくらの帰国日を知っていたにも関わらず数日間連絡をよこさなかった彼に、絶望に近い感情を抱いたことは否めない。そんなもんです、女心。恋愛を長いスパンで考えられないのが女なんです。あんなに旅立つ前には寂しいだなんだ言ったくせに(出国前に逢ってる)おかえりのメールひとつよこさないのね、ああそうなのね、じゃ、もういい!って具合。わがまま?ううん、女って生き物はみな例外なくそうだと言いきってもいい。表に出す出さないは別として。さくらも年齢を重ねて、今やそれも女の悪いサガとして冷静に処理出来ちゃうくらいのスレようだから、感情を表には出さない派ではある。だから彼のドライさにジタバタしたり悩んだりしたわけじゃ、ないよ。こんなときはどんと構えて、違う男子とデートしてるくらいの余裕がないと、女人生無駄にすり減らしちゃうだけ。どうせ離れてしまった心には、距離以外の薬は存在しないから。・・・って前にも書いたね。というわけで、“万が一Oさんがさくらに対してトーンダウンしていた場合”を想定して、自分からの積極的なアプローチを控え、そして心優しい男子とデートしたり呑んだり、していたわけです。悶々となんてしないほうが、肌にもハートにも、うんといいに決まってるからね。そんなさくらの心情の変化を察してか、帰国の数日後にいきなり電話をよこした彼。電話嫌いな彼が電話をよこすなんて、本当に珍しいことだった。彼はIT関連のお仕事さんなので、すべての用事をメールで済ませるからして、ね。『どうしてるの?連絡ないけど元気?』ちょっとご機嫌とりみたく、おずおずと話す彼はとても可愛らしかった。だからもっと意地悪しちゃおうって、ことさらに連絡を控えていたら、今日のデートのお申し出があったというわけ。だからといって、愛が半減したわけではもちろんない。旅立つ前、彼ととあるものを交換した。旅先でも一緒に居たいから、あなたのそれを貸して、代わりにあたしのこれを持ってて、と提案したさくらに、いいよ、とその場でそれを付けてくれた彼。それが目に入るたびに彼を想い、彼を反芻した。そのおかげか、異国の太陽の下で、そしてスコールに降られながら、彼を思い出さなかった瞬間はなかった。何をするにも、どこに行くにも、確かに彼は“一緒に居た”。そのたびに思った、アラブの香水屋さんで濃厚な薫りをかぐとき、甘い甘い現地のミルクティーに口を付けるたび、雨上がりの緑の鮮烈さに心奪われるたび。ああ、彼と一緒にこの風景を見られたら、感動を分かち合えたら、と。旅先から送ったメールに添付した写真を、彼は見ていただろう、その写真にさくらと一緒に写る彼の分身に、きっと気付いていただろう。そしてそれを返した今日、それはこれまで以上の意味を孕む。きっとそれを見るたびに、彼はさくらのことを想い、思い出す。だってそういう魔法を、あの国でかけてきたのだから。「どうしても、考えてしまうんだよ。数日間も海外に行っちゃったりしたら、きっとその間に色んな仕事が山積していて、それを処理するのに膨大な時間がかかるんだろうなって。すくなくとも俺の場合はそうだから、そんなときにこっちから連絡なんてできないなって。時間が出来たらさくらのほうからメールをしてくれるだろうって、俺も待ってたんだよ」それが彼の言い分。嘘でも本当でも、強く背中を抱いて「逢いたかったよ、ずっと想ってた」と言う彼が、心からいじらしかった。
2010.10.05

横浜・タイクーンにてアジア料理を食べながら紹興酒でくるんくるんに酔って、たくさんのことを話した昨夜、8月31日。このまま帰っちゃうのか、ちょっと物足りないな、つまんないなと感じていた、酔ったあたしの手を引いて、Sさんは「いいとこがあるから、連れてってあげるよ」と海沿いの路地でクルマを停めた。某出版社の編集者であるSさんとこんなふうにでかけるのは初めてだった。37歳、既婚。クルマの運転が素晴らしく上手く、細くて、猫が好き。こういうサプライズに、あたしは本当に弱い。サプライズという名の引き出しをたくさん持っている、ということはたくさん遊んできたということ。人間関係におけるプレゼンテーション能力の高さは、経験からしか生まれない。ひんやりと冷たいSさんの手を握り、足元も見えない灯りの消えたヨットハーバーをすり抜けて、繋留されたヨットたちのロープを踏み越え、立ち入り禁止の引き戸をこっそりと押して防波堤を登ったその先には、何にも遮られることのないベイブリッジが神々しくすとん、と夜の海に浮かんでいた。すごいすごい、こんなとこあるなんて知らなかった、超きれい!とはしゃいだあたしを見て、飲めないSさんは「ね、いいでしょう、ここ。俺も久しぶりなんだよね」としらふでにっこり笑った。頭上には緑に光る灯台、うしろには高速道路の高架たちに小さく切り取られたポートタワー。ときに静寂を破るような水音で跳ねる魚、サテンのような海面につるつると反射する工場群のオレンジの光。灯台の下に腰掛けて、肌をなでる夜風を愛でた。なんて静かでなんて美しい。激動の8月が今、終わろうとしていた。9月まであと数時間、逝く夏を悼むような気持ちであたしたちは灯台の下に寝転がり、どちらからともなく手を繋いだ。そして軽く、キスをした。それは心から甘く切なく、そして気恥ずかしく、あたしたちは身体を離してすこし、笑った。どんなにキスが甘くても、あたしたちの間に恋愛は生まれない、そのことを知っていた。身体を重ねることなら、いますぐにでも出来る。だけどそういうことじゃない。わたしたちはきっと、友達以上の何にもなれない。だからそうして、ずっと話していた。今年の夏のこと、仕事のこと、昔のこと。あたしの胸に昨日残った傷は、その夜の間だけすっかり癒えていた。いや、その存在さえもを忘れていたと言ってもいい。8月が、横浜が、この夜がくれた奇跡だった。昨夜Oさんから、やっと電話が来た。あまりに動向のおかしいOさんの携帯を、奥様が見ちゃったんだそうで。ああもう、どんくさいなぁ、なんで着信履歴消しとかないの!と内心呆れもし、この関係を清算するつもりはない、勝手な話だけどまた逢いたいという言葉に安心したりもした。あたしたちは結局、モトサヤという着地点を迎えたことになる。存外落ち着いて話せたけれど、彼の言葉の端々に傷つくところがなかったとは言えない。今もその棘が、刺さって抜けない。うちの子が、うちの家のが、そういうのを本人の声で聞くのは辛かった。彼の生活の内側に、あたしは決して入れないという完膚なきまでの疎外感。これだから不倫は辛いのだ。すべて受け入れること、そのうえで愛さなければいけないということ。いや、愛してしまったこと、完全なる自戒。だけどもう止まらない。家の前まで送ってくれたSさんは、別れ際にもう一度あたしの唇にキスをして、楽しかった、ありがとうと言った。時刻は午前2時。9月になっていた。
2010.09.01
混乱の一夜が明け、不思議とすっきりした気持ちで目が覚めた。朝はまだ去らないしつこい猛暑を孕んで、もったりとカーテン越しに部屋に忍び込もうとしていた。まだ明けきらない5時。自然と瞼をひらいたあたしは、ちくちくと射すような不安と絶望が、ほんの少し癒えたことを知る。そして睡眠と言う名のCURE、自然治癒力の恐ろしさを知った。こんなに早い段階でこんな曲面を迎えるなんて、予想もしていなかった。まったく連絡の取れなかった週末を超え、さすがに痺れを切らせてメールしたその何時間かのち、あたしの携帯はとんでもないインフォメーションを連れて来たのだった。『ちょっと問題が起こって、連絡が取りづらい状況になりました。メールはこちらにお願いします』 今まで知らなかった新しいアドレスと共に。 あの動揺を、なんと例えればいいのだろう。 早鐘のように打つ鼓動と一緒に手が震えた。 仕事の連絡だけ、よそよそしい内容で素早く送った。そして返ってきた彼からのメールもまた、絶望的にビジネスライクだった・・・ 後悔と、自責の念。 わからないことへの不安。 見えなさ。 切り捨てられようとしている自分への、憐憫。そう、憐憫。手当たり次第に電話して、女友達の声を聞いた。それでもやらなければいけない仕事は山積みで、だけど彼が繋いでくれたこの家のwi-fiを使う気にはどうしてもなれなかった。そしていつしか、眠ってしまった。ああ、いつのまにこんなに彼を好きになってしまっていたのだろう。まるでそれはいつの間にか満ちてきた潮が岩場の潮だまりを満たすような圧倒的な自然さ、静けさだった。あたしはそこに自ら溺れようとしていたのだった。足を取られ、そのまま動けなくなることを喜んでいた。どうせそのうち逢えなくなることを、どうせ完全に手に入る相手ではないことを知りながら、どうしても抗えなかったこの一連の熱い衝動。気付けばその海の色に、芯まで真っ青に染まっていたのだった。それでもよかったのだ、ただ楽しいことを共有するだけで、ただ彼の身体のあたたかさを感じているだけで、ただこれから来るふたりでのささやかな未来を、ほんのひとときでも分け合うだけで。もっと彼の生きてきた道を、彼の観てきたものを、あたし自身の人生にすり合わせて行きたかった。まだまだ勉強したいことがたくさんあった。彼と出会えた意味はそこにあると思っていた。彼との恋はこれからひとりで生きていくための、準備のうちのひとつだと。仕事の仕方さえも。それがあたしの、彼への愛だった。そうやって彼はあたしの一部になり、いつか融け合い、あなたの愛したあたしだから、あなたに恥じない生き方をしようあたしの愛したあなただから、あなたの視線で生きて行こうあなたの渡り方を自分の渡り方にしようそうして、いつかそれもあたしの生き方になると。きっと一生忘れないだろう、あの痛い痛いひりひりした心でハンドルを握って、246を走った昨日の夜、頭がまっしろになって眉間にしわを寄せながら、それでも明日のためにガソリンを入れに行ったあの日の情けない情景を。こんなに痛くても辛くても、前にしか進んでゆけない生命という巨大な営み。喉がかわいて水分を求めてしまう身体。今日もまた、生きてしまう自分。進んでしまう時間軸。天空は回り、太陽は空を横切る。そして夜が来て、また朝が来る。それが心底恨めしかった。どうしてこんなになってまで、あたしはばかみたいに生きてしまうのだろう。ひとはそんなには、簡単にへこたれない。そのことへの耐えられないもどかしさ。泣きながらでももう、進むしかない、いや、勝手に進んでしまうのだ、エスカレーターみたく、自分は止まりたくても勝手に。もう逢えないのかもしれなかった。こんなメール1本で呆気なく終わるほどの関係性じゃないと、誰が言えるだろう。それにしても、こんなにもこんなにも、早い破綻がやってくるなんて。まだあの写真ももらってない、あの曲も覚えてない、あの夜あなたが付けた胸の花びらのような痣も、こんなにも鮮やかに残っているというのに。待てばいいの?いつまで?どんな気持ちでやりすごせばいいの?せめてあたしから逃げないで、話して欲しかった。
2010.08.31

男性が「今めちゃくちゃ忙しいんだよね」と女子に言うときって、絶対にウラがあるとさくらは睨んでいる。今逢いたくないとか他に女ができたとかコイツといてもつまんないって気付いちゃったとか、etc。忙しい、は便利な常套句だ。だってそう言えば、相手のパーソナリティを非難することなく相手だけを遠ざけることが出来る。だから男の「忙しいんだよね」を真に受けて、彼が暇になるまで待つくらいだったら、さっさと次に進んだ方がいい。待つなんて時間の無駄だ。どんなに辛くても、彼に心が残っていても、その靴は一旦クローゼットにしまいこんで、新しいヒールを履き、お酒でも飲みに行けばいい。彼が戻ってきたならば、それは単にラッキーだったと思って。なくした指輪が思わぬところから見つかった、くらいの気持ちでね。だって自分もそう言うもん。嫌いになったわけじゃなくて、ちょっと面倒くさいとき。嫌いになったわけじゃなくって、ちょっと距離を置きたいとき。もしくは、嫌いになりはじめたとき。相手に、飽きはじめた兆しが見えたとき。「最近めちゃくちゃ忙しくてさ」って。さくらももう大人だから、無駄に相手を傷つけることはしなくなった。超粘着質の男を除いて(そして幸か不幸かけっこうそういう男子に当たりがちのさくらではあるけれど)、元来プライドの高い男子は、こっちにある程度の距離がみえると自分も距離を置くみたい。キズつけることなく、友情関係を保たせたままで恋愛感情を希釈していくテクニックは「忙しいんだよね」以外にもたくさん、知らない間に身に着けていた。それは案外簡単。相手への感情をすべてフラットにする(もしくはそのように見せる)こと。あれ?あたしたちの間になんかあったっけ?的なけろっとオーラを出し続ければ、男女は案外簡単に友人になれる。一回二回寝たくらいの相手なら、これで『なにもなかったこと』にしちゃうのが正しい。・・・っていうのは、間違えてんのかしら?あたしの貞操観念、ユルすぎ?同様に、浅い関係の彼に同じことを言われたら、さくらは決して、後追いしない。だって、行ってしまった彼の心は、そう簡単に取り戻せないことももう、知ってしまっているからだ。たった一つ方法があるとすれば、そのまま彼が距離を取るに任せること。追わないこと。自然にさくらとの楽しい日々を思い出すことを、待つことだ。時々、何気ないメールでくすぐりながらね。というわけで、まだまだ関係の浅いニューカマー、Oさんとさくら。だから「僕、忙しいんですよ」と言われたときは、ハラを括った(余談だけど、6つも歳下のさくらに向かって、彼は自分のことを必ず僕、と言い、かしこまった話のときは敬語を使う。そういうとこ、彼の品だと思う)。ま、というのも今回我ながらしくじった、と思う局面がいくつかあってですね、それは「簡単にオチすぎたこと」だったりするわけ。さくらが恋愛においてこらえ性がないのはなにも今に始まったことじゃないけど、彼と初めてキスをして、そしてベッドに入ってしまったのは4回目のデート。え?普通?でもね、今回は珍しく、さくらからアプローチを仕掛けた相手じゃないの。彼の熱烈ラヴコールを受けてるうちに好きになっちゃって(単純・・・)なんだかなし崩し的な?だからこそ、もっと引っ張ってもよかったんじゃないか、と今は思ってる。早く彼の手に入ってしまったことで、その攻略感から早急に飽きられても仕方がない、と思っていた。しかも、大きな誤算がすでに生まれていた。予測していたよりもずっと、彼のことを好きになっちゃったのだった。が、幸いなことに今回の「忙しいんですよ」は本当に忙しかったらしい。いや、本当はちょっと距離を置きたかったのかもしれない。冷静が信条の人だから、感情にブレーキをかけることを、自然に選んでしまうのだろう。たとえ彼に家族がなかったとしても、彼は同じようにするのだろう。「やっと時間が出来ました。すみませんでした」仕事の帰りに、港北PAから、ちょっと鼻声の彼からの着信。メールは頻繁でも、電話はそんなによくあることじゃない。気付けば、中学生のころみたいに、1時間以上も話していたあたしたち。さくらは鈍感なふりをして、彼の話にきゃっきゃと笑って、そしてすごくすごく寂しかった、と正直に言った。それには返事をしないで、話題をすり替えた彼。知っている。シラフのときの彼は、うんと人に対してナーバスだ。だからあたしはもっと、楽天的なふりをする。なんで無視すんのぉ~?いいけどぉ~、でねっ、とさくらも次の話題を提供する。そうすればまた彼の声が明るくなることを知っている。 それでいい、たとえ交差することのない思考回路だとしても、さくらはそんな彼の孤独さが、とても愛しい。あたしが一瞬でも彼の心を照らすライトになれるなら、孤島の岩場を賑わす熱帯魚の群れになれるなら、そのひらひらと水面を揺らす尾の残像だけでもいい、彼の心にあたしと言う名の記憶の烙印を押せるなら、いくらでもいつまででも、鈍感でバカなふりをしていたい。彼がたとえさくらのことさえ信じてなかったとしても、だ。そんなわけで、来週はデート強化週間。なくしてしまったかも、と思っていた指輪が見つかると、普通に指につけてた時よりも大事に思える、というわかりやすい寓話でした。
2010.08.14
紅い鼻緒、じゃなくてクリスタルのブレスがブツっと切れた(?夜桜お七)。何してるでもなく、新居の、ようよう片付き始めたリビング(ってほどのもんじゃないな、完全に前室!ってほど可愛らしいサイズだからして)にて、ふと腰に手を当てた瞬間に唐突に。何のテンションもかけていないのに、本当に音を立ててそれは切れ、そして床にボトっと落ちたのだった。そしてその瞬間脳裏に浮かんだのは、まさに昨夜、引っ越して初めて、声に出して言った自分のことば。「この部屋、最高」。帰宅して、くったり疲れて、シャワーを浴びて、眠る、その前の一瞬あたしは心から思ったんだ。そりゃ前の豪華なマンションに比べれば、この部屋は小さくて窓も一つしかないし、駅からだって街からだって遠い。前の大きな部屋のサイズに合わせて買ったソファも、この部屋じゃあるだけでぎっしりだ。もちろん収納しきれない荷物がまだまだ散乱してるし、テレビだって配線してない。だから決して快適とは呼べないかもしれない、けれど。けどここは、私が久しぶりに、自分のためだけに選んだ部屋。なにもかも小さくかわいくまとまって、自分が自分のために配置して、自分のために居心地良く整えたのだ。それはまさに“私の城”とも呼べる、小鳥のねじろのようにちんまりとささやかな巣になってゆく予定の、まだ生まれたてのあたしのベース。そこに居を移し、腰を据えた、と実感した瞬間に切れたブレス。もしかして、お役目を終えたの?何からあたしを守ってくれていたの?ラグの上に落ちたはずなのに、どうしても3粒、見つからない。どこへ行ってしまったのだろう、もはやあたしの一部のようだった、あの愛しい透明な石たちは。あたしの闇を吸い取って、そしてどこかへ消えてしまった。☆な~んちゃって、ちょっと気取りすぎたかしら。確かにブレスが切れたことで、感傷的になったのは事実。だって本当に片時も!離れずにあたしの左手を飾っていたの。辛い時は本当に支えてくれたと思うし、拠り所のように思っていた時期もある。石に縋らなければ乗り越えられないくらい不安定だったのだ、あの頃のあたしは。今でも残りの2本は腕にあるし、よっぽどのことがなければ外さないと思う。それは護符、というよりも努力目標として。自分を信じる、ひとつのツールとして。それにしても引っ越しを決めた瞬間に色んな事がいっぺんに起こって、本当に驚いている。部屋?土地?怨念?(笑)そういうの、本当にあるのかもしれないな、と考えざるを得ないくらいの変化だ。それはさなぎから蝶、というような華やかな変化ではないけれども、着実に人間関係が変わっているのがわかる。それを拱いているのは心境の変化、なのかもしれないけど、でもそんな言葉じゃ片付かないよ。まだ散策すら出来てない現状ではあるけれども。2010年8月13日、あたしの腕からブレスが1本消えた日。またひとつ、何かを重ねた日。
2010.08.13

大雨のなか強引に敢行したゴルフのあと、なんとなくそのまま別れ難かったのは彼も同じだったに違いない。驚くほど強くフロントガラスを叩くアクアラインの大雨をすり抜けて都内に入ったとき、ハンドルを握ったまま、「品川水族館にでも行こうか」と彼が言った。水族館!まるでそれは今日のドライブをそのまま例えているような場所だった。なんとなく、水槽にいるみたいな気分だったのだ、ずっと。雨に、降り込められて。運転する彼の腕に自分の腕をからめたまま、「うん」とはしゃいだ私の声は、きっととても軽やかに響いただろう。その笑顔は輝くように映っただろう。営業時間終了直前、そんな時間にチケットを買っていたのは私たちだけだった。どことなく磯の香りがするエントランスを抜け、寄り添うでも手をつなぐでもなく、淡水魚の水槽を見て回った。「これは釣るとすごく引きが強いんだよ」「味はこっちの方がおいしいよ」「手に取ると吐き気がするくらい臭くてさ」釣りが好きな彼は、目を輝かせて水槽を見ていて、そんな彼を、私はまた、改めていいなと思っていた。こうやって繰り返し、私は彼に恋心を重ねてゆくのだろう。今となってはそれは、疑いようのない事実だった。多分また、この恋はサスペンドする、きっと続いてしまう。その予感は外れてほしくても、そう滅多に外れるものではない。そう、外れてほしくても。淡水魚、あざらし、目の覚めるような熱帯の魚たち、深海魚、懐中電灯を照らしながら進む薄暗い海底トンネル。彼と、その向こうの水槽とのコントラスト。その歩数はそのまま私たちふたりの記憶に変わる。蓄積する。心の奥の部分に、ひらひらと積もって歴史を刻む。時折その魚たちの尾がきびすを反すかのごとく、差し込むように気づいた。ほんの少し前まで、この人の存在すら知らなかったということ。この人を初めて紹介された食事会で、彼は私のことを昔から知っていたのだ、と言った。ずっと、逢いたかったのだと。そのまま仕事の発注をいただいてしまって、その間に何度か食事を重ねて、会話を重ねて。なんとなく、私も空気に呑まれるように、彼を好きになり始めてしまったこと。ううん、きっかけは簡単だ。私みたいなペーペーのおじょうちゃんとの再会を確定させるために、仕事をでっちあげてしまう手腕。私は仕事が出来る男に、心底弱い。そして、初めて出逢ってそのあと、何も予定がなかったあの夜、酔った彼からメールが来た。『あなたの顔がみたくなりました、今何をしていますか?』そこで出かけてしまった私は、ええい、もうどうにでもなれ、と考えていたのだろう。あの引越しの荷物だらけの汚い部屋で、私たちは甘く長いキスと、それ以上に甘く深く、互いを受け入れたのだった。その夜の記憶。そして今、なだらかに彼が私の生活に寄り添い始めている。こんな風に終焉をただ見届けるだけの恋愛なんて、きっと二度としないと考えていたのだ。だけど、そんな意識レベルの私のちいさな決意なんてひらりと越えて、彼は私の世界に介入してしまった。ひら、ひらと尾をくゆらせて視界の隅を行き来するたくさんの滑らかな肢体。巨大なうみがめ。繊毛を震わせるくらげたち。
2010.08.02

新しい恋に、単に浮かれた気持ちでいるのと同じくらいの分量で、繰り返し寄せては返す自責の念を振り払うことが出来なかった。例えばこんなふうに、彼の出張にうっかりノリで便乗してしまった夕方の待ち時間。彼の仕事が終わるのを、ひたすら待っている、ひとりきりのあたし。甘い感じでゆるゆると暮れてゆく夏の強い日差しが鳴りをひそめて、東北の乾いた風が汗に濡れた髪を乾かしはじめる魔法の時刻に、ふと立ち止まって我に返るひととき。蜩が一斉に合唱をはじめ、あたりは急に静寂に包まれて。世界はこんなにも美しくて、こんなにもJOIA、祝福されているのに。あたしはまた、同じ過ちを…自ら選び取ってしまったのだ。始めてしまった恋が、また不倫だったという陳腐な結末。彼が結婚しているって事実を知っているのに、踏み込んだ。踏み入れて、しまったんだ。そんなにもあたしはあの恋に苦しんでいたのだ。決して振り向いてくれることのない男、身体だけを、快楽だけをただ搾取されていた。知っていたのに、引きずられたのは惚れていたからだ。だからこそ、誰かに単に好きになって欲しかった、誰かに必要とされたかった、誰かのひたむきな愛情を求めていたのだ。もうこれ以上邪険にされている自分をかばいきれなかった。それでも愛している、と言い切るには心が疲れ切っていた。利用しかされていないとわかってしまうことは、強烈な自己否定に他ならない。そういう精神状態が持続することは、かなりきつい。だけどそれはもう、今やこの恋の言い訳でしかなかった。彼のあの、会話のインテリジェンス、孤独さ、そして後ろ暗さ、それらのファクターはいとも簡単に私を夢中にさせた。結婚しているひと特有の緩さは、焦燥しきった私に優しいのを知っていた。怠惰でがむしゃらなあたしを包んでくれる。家庭という安定がある人だけは。背徳感とは、こんなにも蜜のようにあたしと恋を酔わせる。そしてその味をあたしは確かに覚えていた。それがどんなに今のあたしにとってアムリタ、甘露のようなものであっても、決して乾いた身体を、喉をうるおしてはくれないということも。四年も一緒にいたあの人と、二年目からは一緒に暮らしていた。あの人は家庭にはもう帰らず、子供とも会っていないようだった。それに関して罪悪感がなかったとは言わない。だけどあたしは当然彼との結婚を信じていた。ほかの不倫とは違う、これは純愛だと、単に出逢う順番が違っただけなのだ、と。しかし彼が離婚することはなかった。2人とも、泣いて別れた。どうしてこんなに好きなのに、結ばれることはないのだろう、と。でもそれがすべてだ。それが不倫だ。愛とはまた違うステージで交わされる契約なのだ。日本の法律、結婚制度は本当にまっとうな人に優しく作られている。On 2010/07/30, at 10:31, wrote:
2010.07.30

この偶然?必然?をどう受け取ればいいのかわからなかった。かなわないならもう、二度と会いたくなかった。傷つくならもう。だけどそれは突如、ルーティンワークの隙間に差し込むような鮮烈さでねじ込まれてきたのだ。夢にまで見たシチュエーション、それがこんなタイミングでもたらされたこと、この部屋を引き払うその直前に。奇しくもそれは、2010年の七夕。いつまでもほとほとと公園の土を目掛けて天から落ちる雨粒が絶えない、梅雨の長いこの夏に。どうして諦めようと決意した先には必ず、こんな笑っちゃうような奇跡が起こってしまうのだろう。隣の人の顔さえも知らないこの東京で、どうしてラインは彼に繋がってしまうのだろう。もうその関係はデビルだと、腐ってしまったものだと、そしてその依存からの脱却は可能だと、彼女がめくったあのカードは告げていたのに。今日もまた、続く奇跡の中で、私は繰り返し彼に恋をする。どうしても、どうしても、出会いなおしてしまうひと。薬指の指輪、その存在を知っているのに。時折視界に入るたび胸刺す痛みを連れてくる、だけどそれさえももうどうでもいい。今、彼が、ここに、いる。ハンドルを握って、あの冬のように、隣にいる。幸福と絶望で、あふれかえってしまいそうだった。今にも夜にこぼれていってしまいそうだった。その瞬間、確かに思った、彼との関係が悪魔でも天使でももうどうだっていい。今、彼が隣にいて、東京タワーをもういちど観ている。ただ、その事実。あのとき、この事実に困惑する私に、夜中のカフェで彼女は言った、真剣な顔をして。私が切なくて苦しくて、何度も打ち消した考えをあっさりと言葉にして。「ねえそれは、運命なんじゃないの」信じたかった。でもそんな都合のいい考え。胸のうちで去来するいくつもの感情の断片、それらの状況がきれいに運命を否定していた。いや、運命と呼べるのかもしれない、“巻き込まれざるを得ない、抗うことのできない時間軸”という意味なら。でもそんなものを求めてるんじゃないの、私は単に、彼と恋をしたかったんだ。単に抱きしめて、一緒にごはんをたべて、セックスをして、眠る。そんな日常を、重ねていきたかっただけなのに。
2010.07.11

あのときのあたしは、どんなことだってできると信じていた。もうどこへだって行けるし、誰にだって逢える。手に入らないものはなにもないんだ、と。元彼、というあるひとつの拘束から解き放たれた先にある自由は、あらゆる可能性を秘めた光の塊だった。そのドアがまさに今開くんだと、眼を見開いていたのだった。そんなときに、彼に出逢ってしまったことを、今も不思議に思う。彼は4年の不倫生活ですっかり曇ってしまった私の価値観をざぶざぶと洗い流すような、まさに“自由”(むろん私の考える自由に他ならない)をシンボル化したみたいな生活をしていた。音楽を愛し、楽器を愛し、古いものを愛で。話すことを、言葉を大事にして、決して他人に呑まれない。まるで彼は、ずっと学生時代を生きているような空気感でそこにただ、存在していた。そしてそれは、まるでもういっかいあの狂乱の学生時代を生き直せるかのような、私までそんなように自由に生きられそうな錯覚を見せ、4年間の愛人生活ですっかり萎縮してしまったこの萎れた感性をそれはそれは激しく揺さぶり、そしてとうとう揺り起こしてしまったのだ。そのとき、確かに私は恋に落ちていくときのあのスピード感を、感じていた。恋が動き出すときの、コトリ、という音を確かに聞いた。決して忘れない、あの不思議な夜を、あの埼玉スーパーアリーナ、Coldplayのジャパンツアーを。誘ったのは彼だった。そして、夜中まで仕事だったはずのスケジュールが異様に巻いて終わった私は、ふとその日がライブだったことを思い出して、彼にメールをしたのだ。返事は速かった。「よし、行こう!」その文面を、今でもはっきりと思いだせる。うちの近所のコンビニで待ち合わせた。ニットキャップを被って、高倉健バリのティアドロップのサングラスをかけて現れた彼の不思議なファッションセンス、その出で立ち自体がもう、存在感自体がもう、これまでのあたしの東京ライフにはなかった香りを芳醇に立ち上げていた。それはそれはうきうきするデートだった。こうやって誰か他の男の子と出かける日が来るなんて、想像さえもしていなかったから、あの不倫の末には、きっとあの人との明るい未来が待っていると信じていた、あの頃には。そしてそのライブは、いや、あのデートは完璧だった。沁みるような旋律、The Hardest Part,FIX YOU,そしてViva la vita。「まるで映画を観たようなライブだった」と言った私を、いいな、と彼が思ったことを知っていた。埼玉からの首都高の複雑なカーブ、それを抜けてゆく彼の以外にもうまい運転で、そのまま東京を通過し、別の友達のいる横浜のダイニングバーに行った。そこで何人もの人と合流し、まるで彼の彼女みたいに、私は紹介された。不倫の間、押しこめていた自我がまるで、まるごと解放されたかのようだった。不倫が終わったとき、気付けば友達なんてひとりもいなかった。彼だけを待って、生きてきたツケが回ってきたのだ。そんな私に福音のように降ってきた恩恵。そんな新しい薫りそのもの、彼の向こうに見える新しい生活すべての眩しさに、私は憧れたのだろう。強く惹かれたのだろう。なんとなくそれから毎日のように連絡をし始めて、三日に一回呑みに出掛けた。まるでもう、恋人みたいだった。ああ、あの人が連れてきたあのいくつもの夜たちときたら。まさにエクスペリエンスだった、見慣れたこの街さえ、彼の肩越しに見れば異国のように艶を含んで物語を豊かに内包して見えた。彼の生まれて育った街、何故かここを選んで棲みついてしまった私の、こんなにもそばで生きてきた彼の物語を。妙な温度の熱に浮かされたような、それでいてどこかドライな、独特の色を持つ夜の数々よ。
2010.07.09

もう二度と会わない、と、あの日心に誓った。もう二度と連絡はしない、と、あの日心に誓った。だけど、ここに住んでいる、残りの日々だけは。さよなら、色んな荷物よ。さよなら、ある感慨、与えられるだけだった私よ。切なくて、一人じゃいられない。違う、それはただの言い訳。ただもう一度、逢いたいだけ。
2010.06.23
これは何の陰謀だろう、と思わず折に触れて考え込んでしまうくらい、六 月は暇だった。 仕事のオーダーがぱたりと途切れ、ま、それはさして深刻になる理由では なく単に偶然、だったらしいが、それにしても暇イコール収入減、に直結 するフリーランスであるからして、問題は非常にシビアだ。 とはいえないもんはないでハラを括るしかない。 まさにこのタイミングで、私は引越しを余儀なくされてしまったのであ る。 ダーリンと住んでいたこの部屋は広くて静かで便利、できるコトなら永住 したいくらいだったけど、巣立ちのときは訪れてしまった。 要は一人じゃ家賃が払えないってことよ、あはは。 いや、笑ってる場合だってばさ。 とうとう人生9回目のお引越し、決定っぽい。 これを楽しまずしてなにをかいわんや。 今はこのヒマだった日々が、この家との最後のランデブーだったと、思い 始めてもいる。 目の前の公園から香る強い緑の草いきれが大好きだった。 その公園に葉音を鳴らして降る雨が大好きだった。 この家で見た、三回目の梅雨。 これが再生の、恵みの雨になるんだろうか、私の。 想いは遠く、なんだか切なく、少しだけわくわく。
2010.06.15
まるで頭の芯まで冷やすような雨だった。まるで何百年も前から降っていて、そしてこの先何百年も降りやむことのないような。朝が来て目覚め、カーテンを開けるたびに落胆を隠せなかった。ああ、今日もまた雨だわ、と。そしていつまでもクリーニングに出すことのできない真冬用のモンクレールに袖を通す。それでもあのとき、春は痛ましいほどのけなげさで、その優しいまなざしをこちらに向けようとしていたのだった。分厚い雲のすきまから、私たちのささやかな営みを労うように。駅まで向かう小道、あまりの寒さに不機嫌になりながら足元だけをひたすら見つめて歩いていたある朝。視界の隅に飛び込んだある色彩に、思わずはっ、と顔を上げた。折からの雨に降られ、散り敷かれた桜で一面ピンクに染まった公園!ああ、と思わず声を上げた。なんと見事な。そして、やっぱりあのひとの影を、反射的に思い出してしまう私なのだった。去年一番素敵だったお花見、それは。夜中に待ち合わせて、彼がバックパックに詰めて運んできた、ややぬるいビールで乾杯をしたあの、公園。高く高く、暗闇にモザイクのように浮かび上がる満開の桜の下で。もうこんなにも、時間が過ぎてしまったのに、いつまでも前に進めない恋心。去年の桜を見たあたしの瞳。今年の桜を観たあたしの瞳。そして来年の桜を想うあたしの未来。あたしはまだ、ここに居るのだろうか?あたしはまだ、彼の時間軸を追っているのだろうか。
2010.04.19
恋愛低体温症の人々が増えている、そうで。ま~それはそれであたしは素晴らしいことな気がした。低体温症のどこが悪いん?臆病になるときもあるし、彼以外観えない時もある。観えなすぎて自分(の行く先、方向性、)を見失うときもあれば、必死に探そうともがくこともある。それらすべての作業、さくら美しいと思うんだけどね。自分は恋愛低体温症かも、と危惧しているひとは、往々にして感度の高い人だから。自分のアンテナがちょっと恋愛に反応してないだけで、ほかのものにはきちんと向かってるからさ。なんら心配することはない。身体が熱くなる日が来るまで、存分に寄り道すればいい。年齢や旬なんて、どうにだってなるんです。自分がそうだったから、はっきり言える。確かに去年、あたしはとある一人の男子にご執心だった。そういう意味では低体温症どころか高熱に浮かされていたと言っても過言じゃない。そりゃ~もう、新型インフルも裸足で逃げ出すオーバーヒートだったのだ。だけど彼のグラスにあたしの雫は落ちなかった(BY平井堅)。厳密に言うと、そのときさくらは彼と、単なる身体の関係を3か月に一度ほどの割合で重ねてしまっていた。毎月でも、毎週でもない。彼からの連絡を、ただ3か月も待って生きていたのだ。ばかでしょ、でもそうしかできなかった。他の男子は、見えなかったんだもの。男の形をしていても、それは彼じゃない。彼じゃなきゃ、意味がなかった。だから他の男なんてガラクタだった。でもそれが非生産的な考えであることも、同時に知っていた。そんな思想にがんじがらめにされている間は、決して彼に想いが届かないであろうことも知っていた。あまりにホットすぎる想いは重いに変わる。それはどんなアカデミー賞女優でも、完全に隠しきることなんて出来ないと思う。だって受け取る男子も動物じゃん。こりゃ喰われると思ったら、反射的に引くのが本能でしょ。だからそんな想いを分散させるべく、自分なりに、コンパに出かけ、食事会に出かけた。そりゃ~もう、本の一冊くらい書けちゃうくらいのコンパ量を千本ノックよろしくこなしてみたのである。だけどどんなにコンパをしても、どんなにいい男でも、彼以上に抱かれたいと思った男はひとりもいなかった。だから、彼以外の男子に対してはまったくの低体温どころか、冷凍ですよ、もはや。フリーズされたアンテナは、反応することを忘れていた、誰といても誰と会っても、夢の中でさえも、彼という思考のヴェールの向こう側でしか、あたしは呼吸できなかったのだった。だけどそのおかげで、あたしは貧乏な時に(貧乏でなくても♪)おいしいごはんを食べさせてくれるメンズをてんこ盛り見つけたし、泣いちゃいそうな時に怒ってくれたり、一緒に悩んでくれたりする剛毅な女友達をたくさん得た。それも全員見事に年上、全員経営者よ。ねーさんがたの恋愛哲学はまっこと深くて濃くて、どれだけそれが自分をあたためたことか。どれだけ知らない世界を知れたか。正直今じゃ、そりゃ恋愛が成就しなかったのは悲しいことだし、今だって彼をいとしく思う気持ちがないことはない、情けないことに。だけどそれ差し引いても「・・・もしや必要悪?」とうそぶくんじゃなく言えるくらいに、成就しなかったことに感謝したい。これだけは言える。よっぽど好奇心が強いかSeifishかでないと、恋愛と友情の新規開拓は、両立しない。ネコも杓子も恋愛せい!恋してなけりゃおかしいやろ?みたいな風潮のほうがクレイジーじゃないかなぁ。年中発情してるようが不自然だと、思いません?それは人間関係だけではない、あたしは独り遊び(ってアッチの話ではなく♪ま、それはそれで好きだけど)を覚え、自分で自分の時間を贅沢に使うことの悦びを知った。独りで旅をすること。食事を作って食べること。PC。仕事。ああ、なんて甘美な時間だったんだろう。なんでこれを知らずに今まで生きてきたんだろう。禁断の果実だったからか・・・とも。さて、そんな風に時間という名の禁断の果実をむさぼるさくらだけど。そうだった、新たな恋みたいなものが舞い込んで来たっぽいのだったわ。半ばあきらめつつも件の片思いの君を忘れられなかったさくら(でも半ば期待してもいた、なぜならそれが恋だから)。実は新たなオトコにジャンプしようとするきっかけ的な出来事が起こっていたのだったんだけど。長くなったから、またにします。
2010.03.13
つくづく自分でもゲンキンだと思うけど、やはり恋につけるクスリは恋しかないんだ、と思い知る。雪の昨夜。塗り替えるようにすっきりと晴れた今日。その両方を、一緒に観たひとがいた。なんなんだこれは。どうやら、新たなリレーションシップという名のお客様が、私のもとにいらっしゃったらしい。らしい、というにも理由があって、自分でもあまりの急展開にこれが恋なのかなんなのかさえもよくわかんないってこと、なんです。間違いないのは、なんとなくもう少し彼と一緒に居たいな、と思っていること。本当に本当につらかった一方通行の想いを、出逢って1年と少し、その間片時も思い出さなかったことのなかった彼のことを、昨夜の追憶の途中だけは、完全に忘却できているというミラクル。先週とあるセレビーなパーティで出会ったばかりの彼。顔を合わせたこと自体が、昨日で2回めだった。「今晩大雪だけど、ご飯いかない?」なんて魅力的なお誘い。大雪なんて世紀のイベント(大袈裟(笑)でもさくらは雪が大好きなの)を分かち合うなんて素敵すぎるでしょ。この非常識、この積極性。こういうノリ、さくら100%嫌いじゃない。そのセンスが、とてもいいと思った。その時点で、なんか予感があったのかも、しれんね。なんか吹っ切れて、前髪切ってみたさくらでした。恋に変わらなくても、人生にはまだこんな奇跡が昨日の雪みたいに、しんしんと積もることもあるのですね。
2010.03.10
ヴァケーションから帰ってきたら、なんと寒いことよTOKYO。もう三寒四温なんて感じでもないよね、ちょっと身体が変になっちゃいそうな気温です。というわけで、稚ブログがお留守気味なのはいつものことだけれども、リアルに日本をお留守にしてハワイに行って(逃げて?)きた。去年は元ダーリンと不思議な感じでカウアイに行ったな~、なんて感慨深くリムジンバスに乗る・・・がすぐに爆睡。あたしだって職業婦人ですから、2週間も休もうと思ったらあーた、並大抵の立て込みようじゃなかったわ!睡眠時間平均4時間、これ、普段はカラダが融けるくらい寝ていられるさくらにとっては驚異的な数字でね。おかげで機内食を食べ逃すほど爆睡したままホノルルに降り立った。久々のオアフステイ。最近はずっと、ネイバーに行っていた。カウアイ、ハワイ。マウイはなんでだかご無沙汰なんだけど、どうやら自然を求めていたあの頃の私、らしい。きっと東京にぐったりと疲れていたんだろう。だけどね~、カウアイは手強かった。まずものすごく“扉”が分厚く、なかなか歓迎されないような気が、とてもしたのだった。オアフがとてもウェルカムなアッパー系の気を持つ島だとしたら、それに近いのがマウイ(でももっとぽかんとしてるね)。そして女性にとってものすごく懐が深いのがハワイ、Big Island。後にも先にも降り立っただけで鳥肌が立ったのはこの島だけだった。それに引き換えカウアイ。あんなにも美しい場所なのにほとんど開発がなされず、ほぼ放置されたように忘れ去られたように存在していることからもそれは伺える。そしてカウアイ島に魅せられた人々は、カウアイ以外見えなくなっちゃうのもよくわかる。それは精霊に魅入られる、ということでもあるような、とにかく自然は畏怖であってお友達ではないんだ、ということを痛切に感じさせられる場所、な気がする。ニイハウ島を除いて最北端に位置することからも言えるけど、冬の水温は低すぎてウエットスーツが欲しいくらいだった。そう、あのときあたしはすごくすごく行き詰まっていた、カウアイはそれを紛らわせてくれるような生易しいところではなかったということだ。だからこそ、また行ってみたいと切に思う。今度はフラットな状態で、もしくはハッピーな精神状態で、夏にリベンジをしたいな、と。あ、大幅に脱線した、そんなわけでオアフステイ。2週間もいたらさすがにネイバーに逃げたくなるだろう、な~んて思っていたのもつかの間、気付いたら明日帰国、なんてふうな時間経過だったわ。しみじみ、アガってるときのハワイは天国だ。ぽちぽち、更新していきます。気が向いたらね。
2010.03.08
先日の某制作会社・新年会にて。偶然名刺交換したそのひとの名前を読んで、もしやあなたは・・・と驚いた。それはさくらがその昔、モデルをしていた時代に、とある事情で一瞬だけ籍を置いた事務所のマネージャーさんだったのだった。彼は当時からその事務所でナンバーワンの営業力を誇り、その事務所を知らない人はいないくらいの企業に育てた実力者。よってさくらは電話で何度か仕事を振ってもらいこそすれ、会社にぜ~~んぜんいらっしゃらない彼の顔を、見たことがなかったのである。「あなた、もしや・・・」「よし、メシいこう!」な~んて具合に一気に意気投合、今日はそんな彼と幼馴染みたいに一日中、デートをしてきた。子供みたいに昼間からビールをガブガブ飲んでげらげら笑って、途中サボリーマンの巣窟(って今日は祝日だったわ)ルノアールにてコーヒー飲んで語り合って、夕方から居酒屋入ってまた飲んで・・・と、さっき帰宅したって~のに気分的にはてっぺん回った感じ。解散したとき時計見て、え?!まだ10時?!みたいなね。彼氏かっての(笑)濃かった~。今ここ東京でキャスティング会社の代表である彼は、今も毎日何百人単位で色んな人を面接しているのだという。彼の人生はまさに絵に描いたような“成り上がり”、エーちゃんもまっつおって感じでね、言葉も慣用句も間違えまくるし、明らかに“学はない”んだけど、その好奇心と行動力、隅に置けないよ。芸能界との繋がりも深く、人脈もスゴイ。ヤンキーがそのままラーメン屋の店長になりました、って感じのひと、いるよね?まさにそれをスケールでっかくやってる感じの人だと思って。豪快、肉食、話は尽きなかった。ま、そんな人の常として、若干話はお下品なんだけどね、シモネタ満だし(笑)さくらそんなの慣れっこだから、さらっとしれっと笑顔で流しといた(ここ重要)。さて、回りくどく何が言いたいかっていうと。さくら、その彼に激しく起業をすすめられたの。起業もなにも、さくらフリーランスで仕事してるから起業も同然なんだけどさ、要するに“法人化”を勧められたってワケ。そのあと合流した彼の会社を担当してる税理士さん(35歳、元モデル、独身、イケメン風)にも「あ、君完全に社長になるタイプね、成功するよ」と太鼓判?押され。なんでや?!しかも厄が明けたこのタイミングで!!!彼らが異口同音に言うことには、「やるなら一刻も早くやれ」ということ。さくらが今やってることは、ポイントカードを持ってるのに、ポイントを貯めないでレジを通ってるのとおんなじことだそうだ。せっかく業績という名のポイントがあるのに、ドブに捨ててるなんてもったいない、と。そして某有名企業を見てきたそのイケメン(風)税理士クンが、あたしの起業のアドバイスをしてくれるって言うじゃないの。・・・なにこのトントン拍子??さくら、来週ロングバカンス控えてるんだけど、それ終わったら・・・迅速に、進めるやもしれません。野望、新たに。
2010.02.11
![]()
画像はなくて申し訳ないけど;;松谷みよこ著『コッペパンはきつねいろ』読了。まだ穢れを知らなかった子供時代(とこのように子供時代を比喩する表現がありますが、さくらの場合今の500倍腹黒い子供だった・・・子供って、残酷だよね)、小学校の図書館で読んで以来、恋焦がれていた本だったのだ。だいたい、このダケカンバの森のくだりの表現なんて今読んだって胸騒ぎがするくらいリアリティがあって濃い。ありきたりなきつねのコンと人間のノンちゃんの友情のお話であるけれど、それが名作たる所以は松谷みよ子さんのみずみずと潤むような有機的で流動的な、表現力のなせる技でしょう。コンが電話に変身するところは、またもやさくらっち、泣いちゃったもの(最近よく泣くのは、決してトシのせいではない)上等な児童書は、上等な哲学書でもある、というお話でした。
2010.02.04
![]()
節分。待ちに待った、節分。なにが待ったってアナタ、今日で厄が明けるんである。節分は旧暦の大晦日。明日から新しい年の運気が流れ出す。もうほんと、指折り数えて待ったわよ、この日が来るのを。九星気学のスージー先生に癒してもらいながら、彼女の美しすぎるパワーストーンを胸に抱いて、自分の内面と戦った・・・そう、この1年間は失恋よりもなによりも、中身のなんにもない自分自身との激しい百問答だったのだった。触れたくない傷、見たくない場所、認めたくない弱さ、中身のなさ。そんなものに向き合わざるを得なくなってしまったあの恋。それが一番つらかった、今思えば失恋の500倍、自分のしょうもなさに向き合うことが苦痛だった。や、もちろん彼に気持ちが伝わらなかったのも、つらいんだけどさ。だってさくら、これまで100%を誇る恋愛成就率を誇っていたの。狙った獲物は逃したことないし、狙ってなくても言い寄られてたし♪それが去年1年でさっぱりわや、しおしおのぱあである。そこから始まるわけよ、さくらラボのデータ収集がさ。・なぜ成就しないか・成就のプロセス・従来型との比較etc、etc・・・。こんなんも読み漁った。元来凝り性だから、こうなるとガンガン拍車をかけて研究者街道まっしぐら!!ぐっどぅいる博士のは、結構参考になった。もとはと言えば行動学から来ている恋愛考察だからして、今後仕事にも生かせそうな人付き合いの秘密が書かれている。恋愛上級者がこぞって読んでるらしいよ!(美人百花に書いてた)もちろんあの恋、今となれば、成就しなかったことに感謝している。あんときすんなりさくらが彼とフォーリンラヴしてたら、さくらずっと“他人にしか自分の幸せの尺度がないと思い込んでる恋愛依存のオンナ”のままだったから。そんなまま男だけをコロコロととっかえていっても、結局自分が満たされることはないよね。だって楽しみを見つけ出そうとしてないんだもん。そこに真の愛なんて、きっと見つけられない。ほんとここまで達観できるなんて、何が幸いするかわからない・・最近は・オネエの手相観、大吾ちゃんや、占いライターのケイコちゃんにも、「すごい・・・完全に抜けたね、すっきりしちゃって、最近楽しいでしょ」と異口同音に言われたし♪間違いなく戦火を潜り抜けたんだろうな、と我ながら悦に入っている。これも“火の輪を潜らなければ辿り着けなかった境地”だからね、自分の手で勝ち取った感強いのよ。これがなけりゃ、さくら今のこの楽しさを知ることはなかった。実はね、前厄どころか本厄も佳境に入るまで、あたし厄のことなんてほとんど意識してなかった。後厄に入ってから、どんどん物事がだるま式にアンラッキースパイラルに突入し、あれよあれよという間にフォースの暗黒面に捕われていった(ダースベーダーか)。きっと一生忘れないだろうな、この1年を。きっとものすごく、土壌をふくよかにした1年だったろうな。そんなことを思いつつ、飛躍をヴィジュアルで空想しつつ(明確なイメージングがポイント)申酉の方角に正座をしつつ、恵方巻きにかじりついたさくらだった。実はさくら、関西人なのでね。恵方巻きや節分行事にはちょいと造詣が深いんですのよ。しかも大阪在住時代は、キタやミナミでクラブホステスを経験してたもんだから、関西の色街にはお馴染の“おばけ”なるイベントも内から経験してるしね。今夜はまさに、おばけだね。ミナミは花魁道中や白無垢なんかが、溢れてるんだろうな~。そんなこんなで、長くなりましたが。初心に戻って、氏神様である駒繋神社に、粛々とお参りをしてきました。ここは竜神さんの住むところ。気高く清浄な気が満ちていました。まさにお正月のようだった。
2010.02.03
![]()
コレ読んでから、これは行かねばなるまい!!と奮起したのが穴八幡宮さまの一陽来復御守。なんでも金銀融通の御守にして、強烈なご利益があるらしい・・・む~ん。もちろん満月の夜にはお財布をふりふりしているさくらではあるけれど、後厄が完全にあける今年はフルスロットルで邁進したい、そのためにお借りできる神仏の力には全部すがりたい!という思惑である。この穴八幡宮に来る前に、妙なシンクロニシティが起こった。パリのサンジェルマンにお住まいの女医さんとディナーをご一緒していたときのこと。彼女は今、ドクターズコスメの開発・販売を行っていて・・・うん、いわゆるセレブ。彼女はフランスにお住まいなだけあって、価値観がものすごくグローバルで成熟している。おかげで日本という島国のなかで色んなことに凝り固まってた自分を啓蒙してくれる、ものすご突き抜けたひとなんである。来週節分だから、お守りをもらいに行くんです、と話したら、「あら、穴八幡さん?持ってるわよ!」とお財布から一陽来復(携帯用)を取りだすではないですか!!!「うちの母がここにお参りに行っていて、毎年くれるのよ~」まじすか。これは行かねば、とさらに参拝への意欲を新たにしたさくらだった。一陽来復は冬至から節分までしか配布されない御守のことで、冬至・大晦日・節分のどれか、夜中の12時に恵方に向かってお祭りするというもの。期間限定、時間指定、しかもその年の恵方とくれば、なんだか効きそう・・・と思うのは人の常、なんではないだろうか。なんだかご利益がぎゅっと濃縮してそうでしょ。ということで穴八幡さまへ。今日は節分の前の日、ということでかなり空いていた。大晦日や冬至は参拝に何時間!ってくらい、相当混雑するらしい。わたしたちは何の苦労もなく、鳥居を抜け、階段を上がり、美しい朱門をくぐって、おままごとみたいにギッチリ並んだ屋台を抜けて、つるっとお参り出来てしまった。だけど本当に人気のある八幡様。ひっきりなしに人が訪れて、競うように一陽来復を求めて行かれる。もちろんさくらもおうち用、女医さんが持ってた携帯用、2個とも頂いてきました。今年の恵方は申酉(真西から少し南寄り)。明日は恵方巻きもいただかなくちゃ!今年の節分はさくらにとって快気祝いみたいなもの。盛大に祝う気、満々です。そうそう、一陽来復、明日までの配布です。みんな急いで!
2010.02.02
![]()
どうしてこんな時期にこんな本に出逢ってしまったんだろう?あまりのことに遠くに心を彷徨わさせざるを得ない。確かによしもとばななの小説の題材には、不倫を扱ったものは少なくなく、そして不倫というものはどんなに純愛でも遊びでも、大概同じような軌跡をたどって終焉を迎えるから、そんなに突拍子もない環境でなければ、普通に(?)不倫を経験した誰しもをぎくっとさせるようなストーリーテリングはそう難しいことではないのかもしれない。だけど。どうしてなの、観てたの?!あたしたちを、と何度も思った。なんで知ってるの、あのときのあたしの行き場のない悲しみを、どうしようもなく歯ぎしりするくらいくやしかった夜明けを、と。彼がここにいて、一緒に眠る。もう彼が自宅に帰るほうが珍しかった。だから、何の不足もないはずだった。だけど。幸せな筈なのに、どんどん疲弊していく精神。どこに出かけても、手をつないでいても、いくら自然にしていても、その不穏な感じ、いやな感じが完全に心から出ていくことはなかった。海外でも、温泉でも、彼といればいるほどその考えは濃く、深くなり、どんどん私は自分の感情にふたをしていったのだと思う。結果、なんにでも無感動になり、表面上は笑っているのに、心の底からゲラゲラ笑ったりすることが本当に少なくなった。結果的に寝ても寝ても眠くて、なんにもしていないはずなのに毎晩、風呂で髪を洗うことすら億劫だった。なにか心に後ろ暗いところがあることの、なんという負担、負荷。心のスイッチを半分切って、なるべく悲しいことやつらいこと、彼が建てた家に置き去りにされた彼の子供や奥さんのことを、「なかったこと」にするためには心の開度をうんと小さくするしかなかった。彼というフィルターを通して観る景色の、リアリティのなさ。そういうことを、強烈に思い出した。守られていたのではなくて、社会の隅に追やられていたこと。結果的にね。それらのこと。ハゴロモの中の、妙な癒しのプロセス。私にとってはそれは、吉方取りであり、参拝であったように思う。必死にもがいて、立ち直った、今。そんなことを、ページをめくりながらフラッシュバックのように思い出し。仕事の待ち時間、控室で。風呂で半身浴をしながら。何度も涙をこらえた、それは号泣というものではなくて、不意に込み上げてくる爆発的な感情の飛沫。今のこの、世界と近しい感じ、自分の足で歩き、自分の手で灯明を掲げ、誰も先を行ってくれない道を歩くことのなんという高揚感。忘れていた、不倫をしていた時には気付かなかった、澱のように心の空気穴を少しずつ塞いでゆく自己嫌悪と焦燥感。今度はもっと、きちんと歩いてゆこう。自分の道をもう、誰にも侵されない様に。そう、思えた名作でした。
2010.01.31
![]()
今月はつらかった。何がって、あなた、生理ですよ。昨日はほとんど生ける屍・・・どころかもう、屍そのもの。ゼリーみたくソファの上でワンコ抱いて、痛みに融けていた。プラセンタのせいかな。女性ホルモンの働きが活性化されるプラセンタを打つと、あたし一瞬生理痛きつくなるの、忘れてたわ~。それよりも余りある恩恵のせいでプラセンタが大好きな私だけど、これだけはいただけん。ま、しょうがない、効果があるものには副作用?があるもんだ。だけどね、生理はデトックス。一か月に一回、女の毒を出してくれる素敵なイベント。そう思えば生理もなかなか悪かないでしょ??そんなわけで今や「あら、今月もデトックスが始まったわ~♪」なんて余裕ぶっこいてブルーデーを過ごしているさくらだけど、そのコツというか、気分良く過ごすコツがあるんだな~。それがコレルナクリスティー サニタリーショーツ。肌のあたりがよく、レースが美しく、とにかくこれをはくとブルーデーもブルーじゃなくなるくらい気分がアガる。あまりに気に入って全色揃える勢いなんだけど、どんどん素敵な色から売れていってしまうの。急がなきゃ。女子は感情で生きる生き物。肌に一番近い下着にこだわってこそ女子の醍醐味も味わえるってもの。でしょ?やっすいオバハン色のパンツ履いてたら、身体の中からトシ喰っちゃうわ。女30代たるもの、これくらいのサニタリーを用意しなきゃね。そうそう、おうち仕事が続くときは、給水ポリマーで身体を冷やしたりしないように、布ナプキンも併用してます。こっちもふわふわ・ふかふかで大好きなのだ。
2010.01.28
![]()
山本印店に行ったほとんどすべての人が買うであろうこちらの本を、やっとこさ購入。なんだか最近不思議と導かれるように山本印店のなんやかんやが視界に入るのでね(ex:偶然閲覧してたブログで山本印店のはんこを作った、という記事を見る、とか、バスの車窓の向こうにあの緑の桃仙ビルが視界をよぎる、とか←これは近所に住んでるからアタリマエだ)、これは何らかのサインではないのかな、と、短絡的にも直感を信じてオーダー。肝心の本はまだ届いてないんだけど、先走って認印の袋を、山本印店に立ち寄って買ってみた。奥様手作りの、吉祥柄の可愛い袋。使い方も、教えて下さる。いろんな色があったけど、さくらはピンクをチョイスした。Dr,コパも言ってるけど、ピンク、オレンジ、黄色は女性とって最高の色だって。だったらピンク持たないテはないでしょ?!(ちなみに2010年のラッキーカラーはワインレッド・ネイビー・ゴールドだそう)私がお店に立ち寄ったのが17時くらい、おふたりとも談笑しながらくつろいでおられたお時間だったみたい。御代金はなんとたったの200円だった。帰って認印を入れたら、あ~らなんだか印鑑ちゃんがまる~くなったような。そう思うさくらも大概単純だけど、ま、ハッピーは思い込みからやって来るって、大好きな九星気学のスージーせんせも言ってるしね☆
2010.01.26

久しぶりに三宿の有名マッサージ店、アジアンブリーズに行ってきた。最近三宿にもオリーブスパができちゃって、ただマッサージだけ、っていうんなら正直オリーブのが上手。でもま、誘ってくれた元ダーリンが「オレはタイ古式がいい」と言い張るので、スポンサーの手前文句も言えず、久々に三宿池尻の交差点を右に曲がったってわけ。ここは景気のいい頃のホリエモンも来ていたという有名マッサージ屋さんで、カフェもちょっとしたアジアン雑貨も置いていてとても感じがいい。なによりも店の前にある、でかいヒスイの珠が水の力によってぐるぐると回るオブジェ!これが入る前からめちゃくちゃ縁起よさそうなのよね~。店内も吉祥モノ満載で、なんだか入った瞬間にクリアな気を感じてしまう・・・一枚視界のヴェールを剥がれたような?なんだかそこだけ、夢の中で観る世界のような不思議な磁場なのだ。私はリフレクソロジー&ヘッド+ショルダー90分を受けた。とろ~~りとり~~~り夢の中・・・ずっと店内を流れるオリエンタルな調べと川のせせらぎ(店内にクリークが流れているんです)の音に誘われるまま心をさまよわせて、いつしかすとん、と眠りの神が私の手を引く。とてもすっきりして目がさめた。ここは最後にドリンクをサービスしてくれるのだけど、私は『黒糖みるくるみティー』を、彼は『マンゴースムージー』をオーダー。彼は担当した女子がイマイチだったらしくブツクサ言ってたけど、あたしは大満足でした。しかし、こんなにも技術に差があるのに混んでるってことは、やっぱ風水パワーは絶大なのかもしれないね。担当セラピストさんの言うことには。「お通じのために、毎晩寝る前にオリーブオイルを小さじ1杯入れたお白湯を飲むといいですよ」だって!早速やってますけど、イイ感じです。デトックスもクリアリングも、もとは風水だからね。
2010.01.23

友人の紹介で、音楽関係のメンズとディナー。指定されたのは三軒茶屋のビストロ・ガタンでした。お料理は気楽なフレンチ。本当に、まちのビストロといった雰囲気。ヨーロッパの街角で、ふと出逢えそうなカジュアルな内装はボロだけど温かみがあってステキでした。何といってもさくら、大好物のフォアグラが1500円?!とかでいただけて大感激!もちろん肝心なお味のほうも抜群。そんな感じのいいお店だったもんだから、呑んで、話して、盛り上がったんだけど。友人であるところの肝心の仲介の女性は「ちょっと仕事が・・・」とかいって中座するし(それも失礼だよね)、会相手の男性はとにかくよくしゃべる人で、しかも自分の趣味の話が500%ときたもんだ。さらによろしくないことに、その趣味とはさくらの仕事にモロビンゴで、なんだか仕事しながら呑んでるみたいな妙な感じだった。・・・多分、二度と会わない。いくらお酒を飲んでいても、自分の話を延々と繰り出すのはやっぱNGだと、真剣に思った。特にさくらは専門職だから、興味を持たれることはそれなりに多いんだけどね~。でも、げんなり。ここで格言。初デートは、無難なくらいがちょうどいい。無口でない程度に、相手の話を尊重して。そして、お酒の席でディープな仕事(や仕事に絡むおはなし)は避けたほうがブナン。でもま、素敵なビストロを知れたから、ヨシとしよ♪
2010.01.17

海からみた、横浜みなとみらいの夜景。すさまじく生々しく、それでいて遠くにかすむみたいに美しかった。あのひとのことしか、考えられなかったあの日々。★今日は新月。なんでも、自分のお願いを新月に託せばいいのです。モデルのアンミカさんもオススメだという新月の誓い、さくらもこれから書いちゃうよ♪かれこれ、もう半年も前からやってるMY儀式。カウアイ島のBIG Kマートで買った、子供が使うみたいなスパイダーマンのノートに書いてます。書くことによってどんどん冴えて、自分が本当に何を求めているか、何をそぎ落とせばいいのかが見えてくる。文字にすることによって誓いはより深遠に、願いはよりシンプルに骨格をあらわにするのだ。それがつまりは、願望達成のコツなんではないかと、真理なんではないかとおもうわけ。もちろん宇宙に願いを届けるなんて、ロマンティックこの上ないおまじないでもあるしね。書いたお願いは、ふと思い立ったときに開いてみる。ひと月に何度も確認するときもあれば、次の新月まで開かないときもある。そのたびにその意味を考える。ちょっとだけ立ちどまって、自分の位置を確認するような作業だ。しかも今回の満月はちょっと、トクベツなんだって!愛とお金を示す金星と重なってるらしいのだ。だから、愛とお金に関して、なにか変容を求める人はとくにおすすめだという。新月の願いに関しては、占い師&ヒーラー、ジーニーさんのブログ参照。http://helpmeangel.blog70.fc2.com/blog-entry-578.htmlさくらみたいなすちゃらかスピラーにとって、ジーニー式はボイドタイムを気にしなくてもいいってのも気楽です。間違えちゃったお願いには、山本印店の認印で訂正しちゃえば、いいのよん♪今月は愛とお金に、ただならぬ願いがあるさくら。おねがいしちゃって、いいかしら?!るん。
2010.01.15

ちょっと仕事がゆっくりになる1月2月。ま、さくらのギョーカイでは普通のことなのでね、去年は無駄に焦ったり落ち込んだりもしたけれど、今年は比較的ヨユーを持って、あれやこれや好きなことに邁進してる。結構たのしくて、日々充実してるのが実情。ようやく独り暮らしの醍醐味を知った、ってかんじ??←遅っ。こんなゆったりした時間があるからこそ、気付くこともあれば着手できることもあるからね。ちゃんと靴下のなかにマグネット入れて(笑)電磁波体外に流しながら、PCに向かってるんですの。あ、電磁波なんて突然すぎた?!以下参照。カフェグローブ、ご存知カリスマ蝶々さんの『色女になる方法』(なんて魅力的なタイトルでしょ!なりたいに決まってるし♪さくら的目標はあと、“伊達女”)いやほんと、マグネット踏んだ瞬間に「抜ける」し「気持ちいい」から!試してみて欲しい、あたしだってみんなと一緒で、電波で老けたくないしね。さて、今日は山本印店の忘備録メモメモです。このブログでも驚異のアクセスを誇り続ける『山本印店』、その後について。正直言って、自社ビル建った!とか結婚決まった!などの“超劇的変化”はまだ、ない。だけど、たしかにこの印鑑を押して出した請求先からの発注は、不思議と増えるんですな。別に営業努力なんてしてないよ?確かにこれはご利益なのかもしれない・・・なんて思ってる。作って以来、お金に困ったことないしね。ザクザク入ってきてるわけでもないから、不思議に思ってたところ、今日とあるブログで情報入手!このはんこ、『押せば押すほどいいらしい!!!』・・・さくら、ちょっと控えめに使ってたかも・・・てへ。これからはもっとガンガンつかってポンポン押して、バッチリ開運目指します。実は印店、ご近所さんなのよ~、あたし。桃仙さんの奥様手作りの、印鑑ケース買いにいこ♪うふ。というように、やっぱネットはライフライン。マグネット踏んででも、きちんと情報収集しなくちゃね~、女子としてさ。
2010.01.14
年の瀬である。すでに仕事を納め、凱旋帰郷しているわけなんだけど、今年は特に年末の慌ただしさったらなかった。今年ももう、あとわずか。こんな風に暖かい部屋で年末を迎えられることを安堵とともに味わっている、午後8時である。ほんと、12月は師走とはこれいかに!ってくらい奔走したわ~。有難いことだね、このご時世、仕事でてんてこ舞いなんて!感謝の気持ちで甘んじて奔走に身を投じていたさくら。まだまだがんばれるし、まだまだ知りたいことがたくさんあるのよ。あたしやっぱ仕事が大好き、人と会うのが大好き。さて、年末といえば大掃除、なのだけど。多忙ながらも掃除だけはサボらなかった・・・というよりも、サボれなかったのだった。今年はまさに、憑かれているような掃除熱だった。睡眠時間削ってまで、カラダが勝手に掃除を始めちゃうのよ、コワイことに!まさに突き動かされている、としか思えない飽くなき掃除への衝動!!気持ちよかった~!サクサク捨てることでどんどん“捨てモード”に入り、冷静に考えたら今後一切使わない様なものを後生大事にとっておいていた自分に気付いたりも、したの。最終的には『一日一個、不用品を捨てる!』という自己目標に乗っ取って掃除を敢行。結果、家にスペースがどんどんできていく快感にどっぷりハマり。高価なものはオークションに出したりすることで、なんとなく現金収入にもなったりしたしね♪捨てる快感と同時に、気づいたことがある。部屋の空気がどんどんクリアになってくのよ。浄化もなんもしてないのよ?!だけど掃除するだけで部屋の空気ががスーっと澄んでいくことに心から驚いた。それもまた、掃除スパイラルにハマったきっかけとなった。不思議なことに、あんなにも迷走していた2009年。夏は光明がまったく見えず、本当に本当に出口のない辛い日々を過ごしていた2009年。そんなときにはまったくもって「部屋片付けよう!」なんて気持ちにならなかったのに、仕事に勢いが復活し、なんだか生活に活気が戻ってきた瞬間に、ふと思ったの、まるで沸いてくるように、「掃除しよ♪」って。調子が悪いとき、ずっと読んでいたのが占い師でありヒーラーでもあるジーニーさんのブログ、『地球の力、星々の奇跡』。そこにはここのところずっと、『ガラクタ追放キャンペーン』について書かれていた。でも、本当に本当に調子が悪かった頃は、部屋を掃除する気すら起こらなかったのだ。掃除したって誰も来ないしなんてスネていた。ましてや自分のために掃除する気なんて起こらなかった。だけど、掃除をはじめて変化が起こりだしたことを今は、正直に認める。まず、友達が家に来るようになった。家で飲んだりパーティするのは案外難しいことではなかったことを知り、私には家に来てくれる友人がいるんだと言うことをとても幸せに思ったのだった。ジーニーさんは言っている。「不要な物を手放せば、手放したものよりもさらに上質な物が届けられる」ノーブランドのラビットファーコートをオークションに出した翌日、先輩の引っ越しを手伝いに行ったら、なんとエンポリオ・アルマーニのファーコートもらってしまった。・・・効果テキメン♪ほんとコレにはビックリしました。掃除をしたいと思う気持ちは、自分のテンションが元に戻ろうとする記号なのかもしれないな、と思った。調子の悪い時は、自分を擦り減らすようなことは決してしない。だからゴミも捨てない。だけどこれからたくさん吸収していく時期だ、ってタイミングに来たときには、自然と不用品を手放していく気持ちになってゆくんだ。そしてそんな気持ちを持つ柔らかい感性には、またさらに新しい恩恵が届けられてゆく。すべてはスパイラルだっていうこと。らせんのように、陰と陽が交互にやってくるのが人生だということ。大切なのは、その自然の声を、内なる声を聞き逃さないようにすることなのではないかな。そしてそんな運の土壌を築くためにも、クリーンな空間を保つことは必要なアクションなのかもな、とも思っている。今からでも、みなさま。「捨てなくちゃ」と思いながらなかなか手をつけられない不用品があるんだとしたら、それが内なる声、捨てるタイミングなのかもしれませんよ。うふふ。http://books.rakuten.co.jp/rb/item/1433187/
2009.12.30
http://special.fortune.yahoo.co.jp/special/unsei_2010/index.htmlこれであなたも、鏡リュウジせんせに癒されてくださいな。メリークリスマス☆
2009.12.24
あなたの恋愛運を高める場所は「志摩スペイン村」です。村内では、アトラクションやショーを満喫しましょう。情緒あふれる異国の雰囲気の中で芽生える、開放的な気持ちが、異性をひきつける魅力につながるでしょう。・・・・じゃ、スペインでよくない?うう~ん、伊勢は行きたいけどね~。あのあたり、ものすごくいい感じに南国で大好きだけどね~。タラサ志摩、行くか。
2009.12.24
あなたが運命の人に出会える運をアップさせる場所は「靖国(やすくに)神社」です。神社の境内や千鳥が淵(ちどりがふち)の散策をしたり、日曜日の骨董(こっとう)市を見ましょう。同じものに手を伸ばした人とは縁がありそう。・・・骨董市で同じものに手を伸ばすひと・・・枯れてそうだな。
2009.12.24
あなたの出会い運開運スポットは福岡県です。あなたの出会い運を高める場所は「福岡タワー」です。自然と都会的な建造物とを同時に眺めることで、立場などの垣根をこえた出会いに恵まれるようになります。昼と夜、両方の景色を見ると、さらに運気がアップします。
2009.12.24
たった今、久々に自分の日記読み返してみた。って言ってもこの更新頻度ですから、大した労力じゃあ、ナイ。だけどまあこんな短期間にワシャ何してんねん?!というくらいアッチヘフラフラ、こっちへフラフラ、してるわね~~~。しょうがない・・・あたしはたぶん天性の旅人だ。転地を繰り返すだけじゃなくって、人間関係や仕事にも、現状維持よりも常にさすらうことを求めてしまう、因果な性分なのよ。自分でも、たまに疲れるんだけど、おもしろければそれでオッケー、ってことにしてる。てか、そうでも思わなきゃやってらんない。我がことながら。だって振り回されてる自分自身が、一番疲れてるんだもん。しかしそんなさすがのあたしも1月から2月はヘコんだ。フリーランスで仕事してるもんで、この不況のアオリをイッキに受け、来る日も来る日もヒマだらけ。世間で話題になった派遣切り、人事とは思えない。切られる前にどこにも所属してないあたし、いったいどーすればいいのおおおお?????若干ワーカホリック気味なのでね、もうこうなると社会全体から断絶されたような気にもなってしまって、しばらくひきこもってしまっていたり、したの。しかもこんな時に限ってオトコなし。ヒマ、持て余しまくり。実は長年連れ添った元ダーリン(不倫・45歳)からも愛人整体師・Tからも、復縁の熱いご要望を未だに受け続けてはいるんだけど。だけど、それってもう、あたしにとっては過去のハナシ。終わってしまった恋を、紅茶にマドレーヌを浸して食べて回顧するような純文学めいた趣味は残念ながらあたしのパターンに、当てはまらない。なんかね・・・終わった恋を反芻するのって、すっご~っく非生産的な気がしてしまうの。だって割れた皿のヒビって、いくらアロンアルファでガッツリ止めたって、消えることはないじゃない。それに辛いからって愛の無くなった元彼に頼るなんて、粋じゃないし伊達でもない。女前下がっちゃうよ。だけどだけど、引きこもりはそんなに長く続かなかった。元来さみしがり屋の性分が幸い?して。これじゃいかん!と一念発起、昔のクライアントに相談のメールをしたんだ。彼もフリーランスで仕事をしている。職能はあるが女を見る目はなかったようで、あまりにもjealousな奥様との結婚生活を半年前に破綻させたばかり。彼の経営する横浜のダイニングで飲みながら仕事の相談をするも、なぜか話は恋愛に。ま、フリーの男女2人揃えば、致し方ない展開ではある。「さくらちゃん、最近どうなの?恋愛してる?」「してないです~、12月に全部清算&今はフリーで」「オレも…リコンしてから、まったく出会いもなくってさ、なんか恋愛とかじゃなくって、楽しく飲んだりしたいだけなんだけどな」「あたしも~!しばらく恋愛はイイや~」「でも出逢いは必要だよね、俺らのギョーカイなんか固まっちゃうし、他の職種のヒトと交流がナイんだよ~」「じゃ、セッティングしますか!!」トントン拍子でコンパ決定(笑)。オトナ同士はハナシが早くて、イイね。そこでその週末、早速サバトが開催された。土曜20時、三軒茶屋某所。男子3名、女子3名のお食事会である。なんか聞いただけじゃつまんなそうな感じでしょ?だけどその会は、かつてないくらいに盛り上がった、奇跡のコンパだったのだ。6人が6人ともそれぞれに意気投合し、なんとコンパだっちゅーのに、翌朝6時まで、誰一人欠けることなくガッツリ飲み&語り明かし。まるで大学生のサークルみたいに、ゲラゲラ笑いながら飲み倒した。ねえ、こんなことってあるんだね、大人になっても。知らない同士がとある夜の中で交差して、時を共有し、親交を深めていくってことが。バックグラウンド、職業、年齢、それぞれ違う道を、違う方法で歩んできた複数が、とある平和な夜の中で車座になって、互いの輪郭を溶かしあうことが。あたしたちは三軒茶屋の駅前のマックの2階で学生みたいに始発を待ち、電話番号を交換して、手を振りあってまたね!と前からの友達だったみたいに別れた。そして、その会で出会ったのが、Sくんだった。今なら断じて言えるけど、その会の2次会あたりから、あたしは彼を気に入っていたに違いない。賢さ、回転の速さ、会話の豊かさ。感性の鋭さ、プライドの高さ。もっと話したいと思った。彼の発想の源がどこにあるのか、知りたかったから。そうして気づけば、彼に恋を、しはじめていたんである。2009年、1月末日。未曾有の不況風吹く中、あたしの恋はテイクオフしてしまった。
2009.03.14
「実は楽しいことのほうが多いのに、わざわざ悲しみのほうに焦点を当てて悲しがるということが今までの私にはあったような気がしているんです。でも悲しいことや落ち込むことは誰にでも普通にあって、別に自分だけが特別ではない。だったらそれを悲しんでばかりいる人ではなくて、笑わせてくれる人のそばにいたいなと思うんです。もちろん、その笑わせてくれる人にも同じようにいろいろなことがあって、いろいろな苦しみを乗り越えているかもしれない。そう思うと、みんな同じなんじゃないかなと思うんです。だから“笑わせたいな”と歌っているんです。これは2009年の私の目標でもあるんです」元JAMのYUKIちゃん。新曲リリースに際して、こんなコメントを出していた。刺さる。胸に。あたしもわざわざ悲しみに焦点を当てていた、ここのところずっと。なんで?多分あのひとのことを、想っているから。なんだか今までにないくらい難航してる恋を、持て余しているから。どうして好きになっちゃったんだろう?面倒くさい。なんでこんなトシになって、わざわざ片思いなんてしなくちゃいけないの?毎日、希望と絶望の淵を行ったり来たりして。いくつかの思い出を反芻しては胸を焦がす。どうしてこじれてしまったんだろう?あんなに、光って見えたのに、だから惹かれたのに。秒単位で変わっていくこころ。あきらめと、期待と。ミラーボールみたいな不思議なテンションに、自分さえも見失う。ひかりの尾を目で追って、追って、追っていたら、それはもはや残像だった。彼はもう、どこにもいない。
2009.03.12
いや、このネタこんなにアクセスあるとは思わなかった。さすがスピブームだね、不景気だから?わかっちゃいるのにネタ寝かしっぱなしでごめんなさい;;なんか色々細々あったのよ~、あたし。さて、「霊視をして印鑑を彫る」山本印店、先日の続き。当日、あたしは山本印店にチャリンコで向かった。お店に入ったら、先客が2人。すでに店主の前に座っているスーツ姿の男性、奥のベンチのような棚のようなところに座っているたぶんトシのあんまり変わらない地味な感じの女性。店が聞きしに勝る狭さなので、意識しなくても他人の相談内容が耳に入る。男性は会社の印鑑をお願いしてるみたいだった。「大丈夫、あなたには先祖もついてるし、会社はうまくいくよ。自信もって」とかなんとか、なんだかずいぶん景気のイイ鑑定結果ではないか。あたしの鑑定にも期待が高まろうというものだ。私の到着した時点で男性の相談はかなり佳境に入っていたらしく、それでは…とすぐに男性は席を立った。そして店主はお手洗いに…その時に奥のベンチに座っていた女性が、なにか床に落ちたものを拾おうとしたらしく、店主が「おっぱい見えるよ」とその襟首のおおきく開いたセーターを着た女性に笑いかけた。ほどなく帰ってきた店主とその女性の鑑定スタート。おっぱい効果か(違うと思うけど)、店主は彼女をホメ倒す。「いや~、あんたイイ女だ、今晩にでもすぐに彼氏ができそうだ、早く子供を産みなさい!今夜誰でもいいから電話をして、夕ごはんを男性と食べに行きなさい」なんて言ってる。ほうほう、これが店主節か・・・こういったことを言われた人の手記を、ブログで見た。あたしも妙齢だし独身だし、おんなじようなこと言われるんだろうな・・・なんて予想しながら、ひたすら待つ。予定時間よりも10分くらい押して、あたしが呼ばれた。これがまた!!アナタ!驚きの鑑定結果だったのである。実は結構ショックだった。今もまだ、ショックを受けてる。まず、「あなた、何の仕事してるの?」と聞かれた。職業を告げる。「えっとね。あなたは本当にしなければいけないことをしていないね、その仕事で」…?仕事が合ってない、ということですか?「そうじゃない、仕事はあなたの性に合ってる。だけど、なにか高尚なことを思って仕事をしてるでしょう。世のため、人のためになろうと。」…はい。「それではいけない。人間はもっと汚くてドロドロしたものだ。そんなことができるのは神様だけだ。あなたは生意気だ。神様のまねを、人間はできない」…えええええ??????「だから、あなたはもっと私利私欲を大事にして、仕事をしなさい。お金や名誉を大事にしなさい、本当にしなければいけないところに、意識がいってしまっている」「あなたはお人よしだ。人のことを考えすぎだ。これは今あなたが使っているこの印鑑がそうさせてる(請求書用に使ってた印鑑!)。経済観念はしっかりしてるんだけど、人のためだと思うと無駄なお金を使ってしまう傾向にあるねぇ。人間的にはまっすぐで裏表がない、素直な性格だね」「強い印鑑で“実家の後継ぎはあなただ”っていうことが固定されてしまったみたいだね。あなた嫁には行けないよ、婿を取りなさい」「あなたは神仏を大事にしている、それを神仏のほうも評価をしているようだ。ただ、神仏のほうから愛されている人は現実に子供が出来にくくなる。神様が自分と結婚させようとするからだ。神様が自分の子供を産ませようとするからだ。実際に神様とセックスはできないから、子供が生まれなくなってしまう。あなたも神様に愛されてる。子供のいない人生を選ぶなら、あなたには別な道が用意されてるよ」「2006年の12月21日ころからもう、旦那さんが用意されているね。ただ去年はその準備が整わなかったみたいだね。親戚、友人からの見合い話は全部乗っかったほうがいいよ」「ま、ダメだね、君は全部ダメだ!」店主が話したことを克明に記してみました。なにこれ?めっちゃ、めっちゃショック~~~~~~~~~~~~!!!!あたし子供産めないの?欲しかったのに、授からないの?そしてあたし、全部ダメなの??しかし、ハンコは作ってくれることになった。今もうすでに手元にあるが、特に下の名前で作った実印はありえないくらいカワイイ。笑ってるような自体で、あした銀行印も登録し直そうと思う(忘れてた)。これで「ダメ」な人生が変わるんだろうか?確かに印鑑が来たその日から、イキナリ仕事の電話が増えた。やっぱ信じたい。幸福のかけらを手に入れたことを。
2009.02.26
年末・年始とたくさん旅をした。台湾・韓国・関西・草津。暇に任せて、行けるだけ。ほんとはもっと旅したい。常にさすらっていたい。留まりたくない。流れていたい。はあ、もうほんとに病気。昔はもっと仕事や安定が好きだった。単にステイタスを求めて、がむしゃらに突き進んでた時代もあった。どうしてこんなに仕事が好きじゃなくなったんだろう?いつの間にかトーンダウンしちゃったのは、なんでなんだろう?昨日、年上でとっても魅力的な女性と食事をご一緒させていただいた。パワフルで色っぽく、ちょっとはかなくて、そこがキュートな女性。あたしと似てるようで、全然似てない。だけど感性のベクトルはたぶんおんなじで、一緒にいたらいつもとっても、元気になる。彼女はあたしの今の職業が、あたしのスケールに合ってないと思う、と言った。八ッ墓村みたいな小さな世界観でシノギを削り合ってるようなギョーカイでトップを目指すことは、あなたのような性格の人には間違った選択なんじゃないの?とも。うん、そうかもしれない。ずっと感じてた息苦しさの原因。年始から、旅しても旅しても辛かった、そのワケ。天井が低すぎたのよ。その先を、天井のその向こうを、見れなくなってた。その天井のサイズは、職業(ギョーカイの特殊さ)からもたらされるものでもあるけれど、それに対応できない自分が決めたものでもある。そう、きっとそこが問題で、あたしはこの仕事をあんまり好きになれないからこそ、自分でワクを作っちゃってたんだわ。そしてそこに自分をはめ込もうとしてた・・・否、自分からそのちっちゃいサイズに迎合?しようとしていた、それに甘んじてた。いや、「もしかしてあたしにも非があったかも・・・」的な偽善者面はやめよう。ハッキリ言って、バカばっかりと仕事してらんない!!ってことかな。とっても窮屈だった。なんで好きなスタイルで仕事しようとしたら、横槍入れられたりすんの?なんでお局の顔色伺わなきゃいけないの?ワンマンの何がいけないの?長く付き合ってきた元ダーリンの仕事の雲行きがアヤシイ。もちろんそれはこの先行き不安定な不況のあおりをモロに受けた結果だ。だけど、彼はしれっと「ダメになったら会社畳む。で、昔から夢だった海外に移住して、そこで仕事をはじめる」と言うではないか。彼のオゴリで行った温泉の懐石料理に箸伸ばしながら、あたし、ぽかんとしちゃったわ。なにを唐突に、とクチを挟むと、「いや、こんなキッカケでもなけりゃ、今の仕事を辞められない。不況を言い訳にして会社畳めば、クライアントも納得するでしょ?海外に拠点を移すキッカケとして、こんな追い風はない。やっとこの時期が来たって気がする。ある意味チャンスだよね」と笑った。「もちろんすぐに始めるワケじゃないけどね、徐々に準備をしたいんだ、きっと思った以上に苦労をするだろうから。だけどその苦労も覚悟してる。でも最悪野宿したっていいんだ、南国なら死ぬことないだろうしね」それから、彼は「だから、向こうで土台作って、待ってるからね」と言った。泣かせるね。彼とあたしはもう、付き合ってる関係じゃないけれど。今も連絡を取り合う仲ではある。彼のそういうポジティブなところ、それからガイジン並みのバイタリティを、いつも愛しいと思ってきた。・・・ってイロコイ話は置いといて。そんな彼の計画を聞いて、あたしはある感慨を抑えきれなかった。あたし、ワクにハマりすぎてたかも。もっと自分を解放してあげても、いいんじゃないだろうか。天井なんて決めずにさ。もしくはそんな天井ムシしちゃってさ。何もそんなに嫌な職業なら、限定することはない。幸いにして会社員じゃないし、もともとフリーランスだし、ちんまいギョーカイ一本に仕事を絞ることは、ないんじゃないの?そしていつでもハンドルを切って、進路を変えることは可能なんじゃないかって。そこに世間体なんて、介入する隙間はないんじゃないかって。そして人は誰でも彼のように、どこまでもイマジネーションを広げて冒険していくことは、いくつになっても可能なんじゃないかって。そう思ったとき、いきなり視界が晴れてびっくりした。なんか年始からほんとに塞いでたみたい、あたしったら。本厄が明日で明けるあたしの、これは最後の災難だったのかもしれない。最後・・・だといいんだけど(笑)。
2009.02.02
知ってる人は知っている、東京都世田谷区は三宿交差点近くの不思議な印鑑やさん、山本印店。店主は桃仙と名乗る、ご老人である。彼は幼少のころ3度臨死体験をし、霊能力を備えた。彼の彫る印鑑は、キムタクやキョンキョン、名だたる大会社の社長さんなど地位も名誉も手に入れた人々から熱い信頼を得て、一時は行列のできるはんこ屋さんとして名を馳せた。とにかくその印鑑はすごいらしい。自社ビル建てた、とか儲かったとか、結構俗っぽい願望がアッサリ叶う。結婚できたとか、こどもが出来たとか。何より、店主の霊視が、ハンパないらしい。何にも言ってないのにズバズバ言われ、怖くなったという人多数だ。そして必要がないと店主が判断した人には、印鑑を作らないという。その存在を知ったのは、ほんとうに偶然だったの。数か月前、とある食事会。恋人と別れたばっかりだったあたし、広告代理店勤務男性ばかりのその場で、来年に向けての抱負を語ってた。「来年は~、まじでアゲでいきますよ!!運気をねっっ!!呼び寄せてねっ」うん。有言実行ってわけじゃなきんだけど。夢は口にだしてれば叶うってあたし思ってて。とにかく思ったことはすぐに他人に、いっぱい話すことにしてる。「運気?あのささくらちゃん、三宿の印鑑やサン知ってる?」うち一人が突如、言った。「はぁ?印鑑?知らないです~、うさんくさ~」ゲラゲラ笑いながら流そうとしたら、それでも彼は言うではないか。「運命変わるはんこなんだってよ。うちの部署の女の子も、もう2人作ったよ」え~ほんとですか~、さすが広告代理店、情報の守備範囲広いッスね~なんて言いながらもその話が妙に心に残り、うちに帰って検索してみた。確かに山本印店が「信じてはいけない霊能者」リストに載るほど有名な印鑑やサンなことは間違いなかった(っていうのも、そのリストにはありとあらゆる有名ドコロが載ってるのよ。叩かれるのは一流の証って言うじゃない)。たくさんのブログにもその感想は掲載されていて、それぞれが思いを語り、興味深い。半信半疑の人も、傾倒しちゃってる人もいる。あたし、精神世界のお話とかスピとか大好きだけど、それがすべて!じゃないもんで、あんまり濃くて胡散臭いのは生理的にダメなんだ・・・。それは依存であり、責任転嫁。自分を切り開くことにはならないと思ってるから。すくなくともあたしの生きるスタイルに、そんな依存みたいなべったりした関係は必要ない。だけど個人で仕事してるもんで、あたし自分で請求書も作るし、そのたびに印鑑押すもんだから、どうせ毎月押すなら押すたびアガるような印鑑がいいな、なんて思い始めた。大体今まで無頓着すぎたかも。あたしが使ってるハンコ、全部もらいものなんだもの。それから、印鑑が欲しくなった理由がもうひとつ。なんだか下半期偶然にすべてが大きく動いたあたしの人間関係なんだけど。そのきっかけとなったのは、箱根神社参拝からに間違いはない。そのとき、あたしは九星気学の先生に箱根神社と九頭竜神社、白竜神社を案内してもらった。これも友人の誘いで偶然に実現したショートトリップだったんだけど、そこであたしの命題には、“印綬”という性質が大きく影響していることを知る。印を授ける、という意味の印綬、あたしも専門家じゃないからよくわからないけど、プライドが高く、高圧的で理屈っぽい・・・なんて嬉しくない内容ではあったんだけど。だけどこの印綬の説明が心に残っていたの。「印を押すのは自分を押すのとおなじ。曲がっていれば自分が曲がります」ここまで繰り返し響くキーワードに“印”があるなら(ほかには霧島・塩竈・パリ・NY・龍・出雲・葛城・草間彌生)、それは呼ばれているのかも、なんて、即翌日電話をしてみた。この山本印店、今現在は月曜日から木曜日までしか電話の予約を受け付けない。前日の12時から翌日分の予約を受け付けるという形式を取ってる。これがさー、噂にたがわず繋がらないのなんの。ブログたちにも書いてあったから覚悟はしたけど、自由が丘の愛光堂(パワーストーンの大人気ショップ、店主兄妹が“みえる”ひとらしい)しかり、幸せって忍耐が必要なのねん。だって1年間繋がらなかった人もいる(!!そのひと相当忍耐あるね、そのパワー仕事に向ければいいのに)っていうのよ。しっかし、呼ばれたはずなのにヘンね、なんてクビかしげながら、その時はさっくりあきらめた。あたしだっていくらすちゃだらに仕事してるからって言っても、そんなに平日ヒマなわけでもないし。ま、繋がらないってことはまだ時期じゃないのかもなんて思う気持ちも、実はあった。だけど数日後の夜、ベッドの中で。ふと、思いついたんである。「あ、明日の仕事が中止になったら、電話しなくっちゃ」そう思った瞬間に、電話が鳴る。「あ、さくらちゃん?明日の現場、雨っぽいから中止ね、よろしく~」ひ~~~~・・・さすがに怖かった。呼ばれた。こりゃ行かなきゃね。翌日、電話をしたら、10分で繋がった。もちろんコンサートチケットとるときみたいに家電話&携帯駆使。だって今日繋がらなかったらそれはあたしの怠慢だ。呼んでもらったなら、ベストを尽くすのが礼儀だ。だけど、繰り返し響くぷー、ぷーという音を聞くたび、「必ずつながる」と、確信してたの。「2時15分はいかがですか」「大丈夫です」「お持ちの印鑑すべてもってきてください」「はい、お願いします」すぐに電話が繋がった人は、先祖が何かを伝えたがっているという(って、すぐに繋がった系のひとはみんな書いてた)。・・・呼んだのは、誰なんだろう。とにかく妙齢で未婚の女性は、「子供を産め産め」言われるらしい。まちがいなく言われるだろうな・・・とそこは素早くハラを括る。しかも好みの?女子には「アンタはいい女だ」 など、霊能者でなければセクハラじゃないの?的な(笑)発言も飛び出すらしい。いや~ん。アタシもセクハラされちゃったらどうしよ~ん♪なんてのんきに思ってたオバカさくら。実際の鑑定?結果はもっとずっと、ショックなものだったんである。
2008.12.20
ふう・・・今日は5時に起きてガッツリ仕事してきたさくらちゃんよ。お疲れ!よくがんばった!!←自分をホメてみた。ちょっとおばかっぽいけど(笑)、コレ案外大事。自分のこと、自分くらいは労って&いたわってあげないと。明日への元気が沸いてこない。とにかくがむしゃらにがんばるだけだった若い頃には、こんな余裕なかったけど。今ならよしよし、と自分の頭をなでてあげられるようになった。さて。今日はちょっとした事件がいくつかあった。今日の仕事内容はロケ。クルーはさくら以外全員男子、年の頃なら30代前半から40代前半。ま、普通にオトナな年齢でしょ。ところが。朝7時の集合時間、来ていたのはなんとさくらひとりだけ。5分遅れでカメラマンが到着。ま、これは許容範囲。細かいことは言うまい。あたし、昔(学生とかの頃ね)はとっても遅刻魔だったんだけど、仕事始めてから時間は信用問題・人間性にもかかわる大きなセンテンスだと思ってきっぱり、心入れ替えた。相変わらずデートする男子は待たせちゃうけど♪そこに一分でも仕事のニュアンスが入ればオンタイムは当たり前、むしろ10分前行動でしょ?!とビジネスモードが憑依する、特殊体質なんである。まーただ待ってるのもなんなので・・・と、ファミレスにて朝食を食べながら待つことに。そこに今回の仕事の発起人が登場。「ごめ~ん、道間違えちゃってさぁ」・・・正直どうやったら間違えられるのか、神経を疑うような簡単な場所である。ま、でも彼がいなければ仕事はなかったんだから、そこは言うまい。「それにしても最近O君、遅刻多すぎじゃない?」最後まで姿を現さないもう一人、ディレクターO君の遅刻をぼやくみんな。「でもさ、それって発起人であるKさんがちゃんと、言ったほうがいいよ」とあたし。実はあたしたち、このチームでもう何年も仕事をしている仲間なんであるけれど。最近ちょっと、ダレてない?!的空気が、漂っていたのだった。そのふんどしのヒモ締め直せるのは、発起人以外いないでしょ?普通。「だってさ、言いにくいんだもん・・・さくらちゃん言ってよ・・・」「はぁ?それは筋違いですよ!Kさんが言わなきゃ!Kさんの仕事なんだから」「言えないよ~」はぁ。気を取り直してオーダーを済ませたとき、遅刻常習犯のディレクターがやってきた。そこで。カメラマンがひとこと。「さくらちゃんが、キミに一言あるってさ」!!!!あたしのクチから言えって言うの?!発起人Kを見たら、苦笑いしながら目をそらしやがった。・・・チキンどもめ・・・・!!!これほど憤慨したことはない。誰だって人に注意なんてしたくないし、悪者になんてなりたくない。だからって、女子ならうまく言ってくれるしカド立たないんじゃん?みたいな無責任さで、女に責任なすりつけるって、どういうこと?あたしちゃんと言ってあげたよ。望みどおり。だけどぶっちゃけ、もう付き合いきれない・・・と思った。あたしすでにずいぶん前からこの仕事に未来のにおいを感じていないの。みんな顔を合わせればギャラ安いだの忙しい割に儲からないだの、グチばっか。なのにその現状から抜け出す努力を何もせず、人の顔見て生きてる。勢いのある仕事は、勢いのある人から生まれる。それは過去何度も間近で見てきたし、あたしはその流れにうまく乗って生きてきたから、それを見極める目には自信がある。ほんとよ。そして事件はまた、ランチタイムにも。カメラマンの注文したものがミスオーダー。違うものがでてきてしまったのだ。そこまではよくあるはなし。だけど、そこから、齢40のオッサンは、ネチネチ文句を言いながらメシを食べ始めたんである。ご飯もカタイだの。頭が悪いだの。・・・ねえねえ、一緒にごはん食べてる人の気持ち、考えたことある?あたしたち他の3人は、それですっかりクラくなってしまった。いや、正確には2人かな。発起人Kはカメラマンと一緒になって文句を言い始めたからだ。自分の不快な気持を周囲にまき散らすのって、傲慢だと思う。相手のことを思いやれないって、悲しいことだと思う。彼のマイナスオーラは勢いよくほとばしり、すっかりあたしたちを巻き込んでしまった。これももしかして、よくあることなの?あたし、ご飯たべてるときにご飯のモンクいう人って人間的に好きになれない。食をおろそかにするオトコ(女も)は、大体において生活がだらしなく、他力本願で子供だ。そういう理屈云々抜きにしても、あたし、ご飯のモンクいう人とは食事もベッドも時間も共有できない。だからさくらの周りにはそんなバカ、ひとりもいないの。やむを得ず、仕事でご一緒するくらいはね。さくら、いつもお守り代わりに塩を持ち歩いてるんだけど。即効、交換した。あれ、悪霊といわずしてなんというんだろ?なんだか、一周まわって切なかった。
2008.12.16
をを!!ショッピングレビューを生まれて初めて書いたら。トップページに掲載されてる!!なるほど~、こういうことね。というわけで、めっきり冷え込んだ今日。ムートンブーツを楽天にて買いました。ネットショッピング大好き!いつまでも見ちゃう。みんな大好きだよね。ムートンブーツなんて今さらだけど、理由があってね。実はTとの別れとほぼ同時期。これではイカン、自分をこれ以上ごまかせない!と、長年連れ添ったダーリンとの関係をも、時間をかけて清算したさくら。だから無計画なことに、あたしは自分の誕生日&クリスマス前に、2人の男を同時に手放してしまったことになる。だけど、この中途半端なキモチで誕生日、迎えたくなかったんだもん。新しい歳を、自分のために正しく始めたかったのよ。つまり、コレ以上、不倫という関係性に見て見ぬふりができなくなった、ということ。彼を深く愛しているがゆえに、もうこれ以上一緒にいることはできなくなった、ということ。正直気持ちはまだダーリンにある。こんなに深くあたしを理解しようと心を常に砕き、時間を費やし、包んでくれたオトコがかつて、いただろうか?それを思うたびに涙が止まらない、今でも。だけど。あたしはあたしの人生とまた、手をつなげたような気もする。後悔はしない。前にしか進めない、あたしは。昔から。キレイになった身ひとつで、一人旅を計画した。ホントはNYに行くつもりだったんだけど、諸事情で断念。クリスマス、台湾に、わたる。目的がサーフィンだから(そう台湾でもサーフィンできるんだよ!あったかいしね)、ムートンブーツがどうしても欲しくなった。でもリアルに海で履くから、安いのでイイ。そこでムートンブーツGETってワケです。年始には実家の家族とソウルツアーが待ってるし♪極寒のソウルでも役立ってくれること、間違いなしだよね。もしやムートンブーツはファッションと実用性を兼ね備えた、次世代のバックパッカー必需品なのかもしれん。あたしバックパッカーじゃないけど、心は愛のボヘミアンだからね。
2008.12.14
某雑誌の編集長とデート。 ヨーロッパ、特にパリ一区から考察される民衆と教会の位置付け、なんていう高尚な宗教論から2ちゃんねる(なんでやねん)まで、テーマは多岐に渡り。 気付けばティーンネイジャーみたく六時間も!ノンアルコールで激論交わしてた…我ながらびっくり。 特に何かが解決したわけではないけれど、久しぶりに使命感・気概ある男子とキッチリ心と向かい合い、組み合った感じ。 なんとなく、デトックスだったような気がする。 朝方帰宅したときには、オーバーヒートを通り越して心地よく疲労していて、子供みたいにコトリ、と眠りに落ちた。 なんだか最近、急に目が覚めたように色んなものが鮮明でダイレクトに視界に入り、心に響いてくる。 からだの風通しがよくなって、どこまででも歩いていけるような、それが心許ないような、妙な具合に気持ちが開いてゆく。 もっとひとに会いたいし、もっとなにかを知りたい。 起きたら昼すぎで、とても綺麗な秋晴れだった。
2008.12.06
嵐みたいな風と雨がやんだら、しっとりとつめたい冬の夜がやってきていた。 書きかけの仕事を途中で閉じて、メイクと着替え。 手強い同業界女子で、こってりオヤジ飲みの予定@新宿である。 色々ありすぎて何から書けばいいのかわからないけど、あんなに盛り上がりまくった整体師Tとの恋は昨夜、静かに幕を閉じた。 理由は様々だけど、結局濃度が違ったというか、ペースが合わないと言うか… この前8年!付き合った元カレから電話があったときに話したら、「一般人をオマエが生きるテンションとか次元に巻き込むんじゃない、それをもっと自覚しろ。そのうえポイ捨てなんて気の毒すぎる。まあ俺もその一人だけど」と怒られた。 だけどさ、以前も書いたがヤッパ恋愛は落ちて気付く落とし穴なんである。 あとで気づいちゃったんだから仕方ないじゃんさあ… アンタは小悪魔越えて魔女、とまで言われたあたしだけど、その理由はターゲットを間違えてるところにあるのかもしれん。 ま、なにはともあれ飲んでなかったことにしよ♪←懲りてない。
2008.12.04
雨の中、ダーリンがすでに仕事に出かけたMY SWEET HOMEに朝帰り・・・もといすでに時計は午後を指していた。つまり昼帰り。愛息子のチワワ・海くんがキッチンに置いたハウスでキューキュー鳴いて迎えてくれる。・・・愛いやつめ。思わず抱き上げてよしよししてしまうが、この甘やかしがコイツをこんなにもバカにしてしまった原因だってことくらい、親バカさくらにもよ~くわかってる。だけどこのうるうるEYEに見つめられて、誰が拒否できるってのさ?老いたダーリンと別れを考えてはいても、このか弱きモノとは一生共にする覚悟、オス。そう、昨夜は新横浜でお泊り。愛人の整体師・Tが生粋のハマっ子なせいで、ここのところすっかり横浜とお友達だ。「アンタまあ同棲してる彼氏がいるってのに、よく愛人と宿泊できるね」なんて突っ込みもありそうだが、今回の宿泊は突発的な事故・・・もとい、タナボタだったのよ。昨夜は前職を共に戦った元・同僚シー(現ネイリスト)・後輩ココ(現花嫁準備中)と新宿はアルタ裏の居酒屋で、女子飲みしたんだった。ワイン赤白、レッドアイ(さくらはトマトジュースが大好物なんですわん♪)など脈略なく飲みながら近況をきゃっきゃ報告しあう3人。10月に3人で行く予定の伊豆ダイビングツアーについても積極的に語る・・・がなぜか(やはり?)ハナシはさくらの恋愛へ。「さくらさぁ、アンタなに潤っちゃってんの?なんか女オーラ全開なんですけど!」・・・やっぱり?最近仕事先の男子にも指摘されるくらいなんだかあたし、ムンムンしちゃってるみたいなの。「さくらちゃん、恋うまくいってるんでしょ?」おっとり系ココはそのアイドルなルックスに似合わず案外魔性。今結婚準備中のダーリンだって、前のオトコを振り切って家出した末の戦利品。あまりに愛らしいその性格と外見のせいで、過去のオトコは例外なくストーカーに変化してしまうというが、今回はそれもなさそうで安心だ。「あれからどうなったの?」後輩ココにはまだTと関係を持つ前に、かいつまんで報告したのが最後だ。そのときは来週あたりにTとのXデー♪を控えていたため、すっげーヘンなHだったらどうしよう~、なんていまどき女子高生でもしないような心配をぶちまけたんだった。だってさ、そのときあたしのココロはもうTにあったわけ。惚れたオトコのセックスがどうにも我慢できないくらいヘンテコだったら、あたしもう立ち直れないと思ったの。あと、すっごいヘンなカタチとかね。極小とかさ。だけど結果、Tとのセックスは最高だった。良すぎて「このままあたしたち、どこへ行っちゃうの?」なんて不安になるくらい。ありがたいことに、心配は杞憂だったってワケ。そこんところを多少の誇張を交えつつ、セキララに語るさくら。前のめりで相槌の2人。・・・女は下ネタが結構好き。「で、どうすんのよ、今のカレ。」シーにつつかれるあたし。「カラダにハマった恋愛って、結構抜け出せなくなるよ」・・・それは真理かも。どうしたらいいんだろ?「ほんとはもう結論出てるんじゃないの?あたし、さくらちゃんには幸せになってもらいたい。不倫なんてやっぱダメだよ。」ココが泣かせることをいう。それからあたしの不倫とダーリンの問題点、Tの問題点まで話が発展し、「とにかく今は現状維持!様子を見なさい!」という結論に達した。そんな折、まさに愛人Tからメールが舞い込む。『ごめん、明日3時半から予約が入った』・・・マジすか?明日はコッテリ昼間っからホテルにシケ込むつもりだったあたくし・さくら。シラフなら自制の利く欲望も今やアルコホルで解放されちゃってるもんだから、素直に『ばかー!』と不満メールを返してしまう。それを察したシー・ココ、「だめだよ~、彼氏の仕事は応援しなきゃ!!」と殊勝なコトを言う。・・・んなこたぁわかっとるわい!!だけど酒があたしに加速をかけるんである。『ごめんね、あしたちょっとでも会おう』ちょっとだぁ?足りないわ!!鬼の形相のさくらに、シーがポツリと呟いた。「あのさ、さくら、そんなにシたいならうちに泊まることにしてイイから、Tさん呼び出せば?」・・・!!ナイスアイディア!!!!酔うと喜怒哀楽が激しくなるさくら、ソッコーTにお迎え要請。Tも罪悪感&恋愛初期の情熱で横浜~新宿のタクシードライブを快諾。Tを迎えてみんなでカラオケしこたま歌ったあと、新横浜に舞い戻り、深夜3時、ようやくベッドにおちついたふたり。あたしが脱ぎ散らかした服を畳み、靴を揃えて水を飲ませてくれ、Tがあたしの隣にもぐりこんできたのは、部屋に入ってしばらくしてからだった。いつもすまんね。「こんなにたくさん友達や仕事のひとに俺の顔見せて、おうちの事情(ダーリンのことね)は大丈夫なの?バレたらやばくない?」さらにバカなさくらの心配をするT。どこまでいい人?「俺はうれしいんだけどね」・・・胸ガイタイ。「もうバレてもいいの。あたしはTが好き」酔いのせいか、そのセリフに感動したのか、思わず本音を言ってしまう。「だけど、俺は別にさくらに今すぐこっちにきて欲しいと思ってるわけじゃないから。さくらの精神的な負担にならないように、俺が待てばいい話だから、無理はしないで」なんだか胸がいっぱいになって、思わず背中を向けてしまった。彼がいつもたくさんあたしを求めるのは、不安だからなのかもしれない。昨日は5つもシてしまった。
2008.09.19
最近すごく、眠い。寝てる時間は長いはずなんだけど、眠りにつく時間がヘンテコだからかもしれない。疲れもとれなきゃ、あんなにほぐしてもらってるはずの腰痛もひどい。ま、それ、ほぐしてもらった分だけ激しく愛し合っちゃってるから、結果プラマイゼロになってるってだけなんだけど♪それにしても、疲れが取れない。自由業のあたしは毎日ベッドに入る時間も起きる時間もバラバラ。そんな生活を大学時代から続けてはや何年?・・・コレ計算したら「トシとったわー、あたし」なんてことじゃなく、「一体あたしゃ何年根なし草生活続けりゃ気が済むねん?!」ってとこにヘコみそうだからスルーするけど、とにかくずっと、ヤクザな生活に甘んじているのである。人間やっぱ、規則性は大事ね。社会にまったく適合しないまんまにオトナになっちゃったあたしは、きっと一生この不調を抱えていくんだろう。それはきっと自由を手に入れた対価だ。・・・とはいえ。あたしだって不調は改善したい。だって辛いの自分だもん。この不調を往年の桃井かおりみたくアンニュイな魅力に昇華させるほどの度量持ってりゃハナシは別だけどさ、年中セレブな艶テラコッタ肌を維持するサーファーさくらにとって、不健康は邪魔以外ナニモノでもないんである。禁煙したのは3か月前。それまではきっちり10年間、そばにメンソールを切らしたことはなかった。だってさ、煙草って背徳の味じゃない。カラダに悪いって知ってるからこそおいしい禁断の果実でしょ。それに、アノ加護ちゃんじゃないけど、カッコイイ女優さんとか、それこそ桃井かおりとかさ、紅い口紅で細い煙草をくゆらせるのって、ちょっと憧れちゃうじゃない。悪いものが美しく見えるってこと、あるでしょ。きっかけはそんな感じだったかな。だけど普段から直情的なあたし、手を出すときも唐突だったがやめる時も唐突だった。ヨーロッパ出張のとき、成田にてシルバーのリモワを転がしながら、なんとなーく、「やめるか」と思いついたんである。その足で薬局に行き、二コレットを購入。いつもカートン買いする免税店をしゃら~っと通り過ぎてルフトハンザに搭乗したのだった。鞄に入っていた残りの煙草はあと3本。フランクフルト空港で長ーいフライトを終えた到着の一服(ってかなりクラクラ来ません?)、そしてホテルにチェックイン・・・するはずがなぜか予約が取れてない!!何回聞いても愛想の悪い田舎者ホテルマン(ひどいね)はクビを横に振るばかり。ええ?!ナンデ?!焦るさくら。ひとりドイツでパニック!!海外の個人旅行じゃこのテのことはよく起こる。それはわかっているものの、焦らずにいられない。だって今夜は満室で一部屋も用意できません、って言うんだもん。おそらく周辺ホテルもすべて満室のはず。一体今夜どこに寝ろっていうのよ?!溜息まじりで現地で合流するはずのスタッフに電話するも、「確かにさくらさんの名前で予約しました、多分メールのやりとりの勘違いでしょう。がんばって交渉してください」と冷たくあしらわれる。・・・なんなのよ!!やってやろうじゃないのよ!!ここで気合いを入れるため&平常心を取り戻すため、ホテルの外に出て一服した。残るは1本。果敢に挑んだ交渉の末、ひとり極東からやってきたベビーフェイスのヤマトナデシコに同情したのか、フロント係が溜息混じりに「わかった、19時にもう一回おいで。そのときに今予約をしているお客が来なければ、部屋を君にあげる」と言うではないか。「OK,I'll be back」シュワちゃん並に精一杯シブイ顔こさえてホテルを一旦あとにするさくら。でもホントは不安でいっぱいだった。今夜部屋がなかったら、一緒に寝てくれる人はどのスタッフなんだろう・・・どいつもこいつもイヤだな・・・この期に及んでより好みである。アタリマエだ。あたしももうオトナ、雑魚寝なんてできるかい!思いついて、駅前の教会に足を向けた。困ったときの神頼み・・・じゃないけど、現地でのラックは現地の守り神にお願いするのがイイと思ったの。荘厳な扉を押す・・・が開かない。地元のカップルが裏側にある入口を教えてくれた。そこではちょうど、夕刻のミサが行われていた。高い高い天井、美しいステンドグラス。パイプオルガンの沁み入るような音色。人々の、決して上手ではない賛美歌。席の下には、使い込まれてぼろぼろの聖書が置かれていた。そのとき、そこで連綿と続いてきた、そしてこれからも続いていくであろう信仰の歴史の時間軸を観た気がして、涙がこぼれてしまった。そしてそのとき、唐突に「大丈夫、ちゃんと部屋は用意されてる」って確信したんだよね。19時、ホテルに戻ると「おめでとう、君のだよ」とあの無愛想だったフロント係が、笑顔であたしに鍵を差し出した。やっぱり、とそれでもそこでやっとあたしは安心して、なんだか何かをやりおおせた気分で、あたしは最後の1本に火をつけたのだった。それをゆっくり味わってから、もう一回教会に行って、扉の前に感謝の気持ちのユーロコインを置いた。ドイツの小さな街、コブレンツ。うっとりと暮れゆくサマータイム。あたしの煙草ライフはそこで幕を下ろしたのだった。
2008.09.17
ネイリストの友人宅にてネイルケア♪の予定が、昨夜の徹夜仕事のせいで寝坊してしまった。メイクの最中に「これからじゃ遅くなるから日を改めて欲しい」とメールが舞い込む。先週末の出張のせいで割れた左人差し指、一体どうしてくれよう・・・と内心憤慨するも、寝坊した自分が悪いんだからどうしようもない。「ごめんなさい、じゃ、木曜に」とお詫びメールを迅速に返信する。ほんとはそんなことやっちゃイケナイのはよーく知ってるんだけど、このまま亀裂が広がって流血騒ぎになるのもアレなので、割れたツメにアロンアルファを流し込んで固定。・・・ネイリストの皆さん、ごめんなさい・・・で、せっかく徹夜で仕事終わらせたし、出かけるつもりでメイクもしたし・・・ってことで、すかさずTにメール。案の定、すぐに「会おう」と返事が返ってきた。はやっ。整体師は昼間は案外ヒマらしい。そりゃそうよね。あたしだって整体してもらうなら、帰宅直前のほうがいい。そのままお風呂入ってバタンと眠れる状態で癒されたいに決まってるし。で、いつもの中目黒で待ち合わせ。目黒川沿いのカフェにてランチのオムライスを食べる。昨夜は徹夜のわりに夜食も摂らずに仕事に没頭していたあたし、よっぽどおなかが空いてたらしく、しみじみおいしくて完食してしまった。そのとき、ふと「ああ、関係が安定してきたな」と感慨にとらわれた。恋愛体質なのか自意識過剰なのか、そこんトコロの分析はこの際大事な問題じゃないからどうだっていいんだけど、あたし、恋愛モード初期段階では必ず!ごはんを食べられなくなってしまうのだ。カワイイ?乙女?いや、そんな甘ったるいモンではない。若いころは内臓が元気だから耐えられる。だけど!アラサー(around30ね、ちょっとだけね)の胃にゃ胃酸過多がこたえるんだ。しかもそんな折に重なった件のバリ旅行。浮かれて遊び暮らしていたら、抵抗力が下がって親知らずが腫れ、こりゃイカンと薬局で適当に買ったインドネシア産強力処方の抗生物質がその弱った胃を直撃!!激痛のために大好きなバリ料理だってブブル・アヤムくらいしか食べられなかった。って、鶏肉のダシがじんわり沁みたお粥のようなブブル・アヤム、大好物なんだけど。そしてあまりの痛みに帰国後駆け込んだ病院じゃ、エコーまでとられてしまう有様。・・・妊婦じゃないんだから。結果普通に胃炎だったけど、なんと神経性と診断されちゃった。皆さん、バリの薬局じゃ簡単に抗生剤が買えるけど、胃炎の時に飲んだらヂゴクの苦しみよ。おかげで今年、ダイエットには成功したけども!加えてサーフィンとセクササイズ(きゃ☆)できれいに腹筋割れたけれども!胃炎も手伝って、Tの前でおいしくごはんを食べられるようになったのは、実は最近のことなのである。ランチ後、「さくらに時間があるなら、サロンにおいで。施術してあげる」との可愛い誘いにホイホイ乗り、ここのところ通いなれた彼のサロンへ。マンションの1室、ベッドひとつのちんまりしたサロンである。自分の愛人にこんなこと言うのも照れくさいが、彼は本当に腕がイイと思う。何よりも人を癒そうとする態度に誠意があり、適度にドライ。天職なんだろう。いとしい人に背骨を矯正され、セルライトを指摘される気持ちはなんともフクザツだけど(実話)、「しょうがないよ、オレプロだもん。プロだから大事な人の体はメンテナンスしてあげたいんだよ」なんて言われるのはまんざらでもない。これってば、まさに「骨まで愛して」じゃなくって?!考えようによってはロマンティックだ。だけど身体がぴったりと密着する整体は、どうしてもエロティックな気分になってしまうことも否めない。ストレッチをしてもらいながらキスしていたら、施術台の上でうっかり始めてしまった。・・・いつものことなんですけどね。
2008.09.16
暑さ寒さも彼岸まで、というけれど、彼岸を待たずしても充分に季節が過ぎてしまうのを感じられるのがお盆だと思う。暑さは変わらないのに、久しぶりに外に出たらイキナリ日差しが丸くなっていて驚いたのは、今年もまさにお盆が明けたその日だった。それは気配のようなもので、日々乱暴に生きていたら見逃してしまうような密やかな変化だ。2008年、夏の終わりは、ダーリンのポルシェの助手席で見た目黒の風景。今年も夏が行くことを、スピードとエンジン音の中で感じていたあの日のあたし。そして今日、自由が丘16:00。すっかり秋のショウウインドウが並ぶ自由通りで、異国を歩いているような錯覚が不意に訪れた。疎外感?不意に人ごみが遠ざかる。自分の立ち位置を、今どこにいるのかを、自分が誰なのかを、一瞬忘れて立ち止まる。TOKYOにはこんなエアポケットが存在する。空虚な時間。そこでは誰もが、インスタントに旅人になることができる。定住すること、それは叶う夢なのか。留まることを嫌うクセは、いつか治まるのだろうか。
2008.09.08
ここのところずっとずっと考えてることがある。あ~なんだか涼しくなってきたからごはんがおいしくって太っちゃう☆・・・なんてノンキな悩みでなくって。・・・ま、それも否めないけど、そんなこたぁ自分の努力と気合次第でナンとかなるんである。これ、ホントよ。だって今までズボラなあたし、何度も薬品や機械に頼ったダイエット試みてるけど、一番効くダイエットはとってもお手軽だ。ズバリ、それは恋すること。あたし、恋したらまるごとその恋にのめりこむタイプ。ホルモンとフェロモンのダブルパンチにやられちゃって、毎回とても食事するどころの騒ぎじゃなくなっちゃう。眠れない、胸が苦しい。頭の芯は痺れたように疲れてんのに、どうしてだかお肌はつるんつるんのうるうる。これを究極のアンチエイジングと言わずになんと言う。恋せよ乙女!!出せよフェロモン!!・・・じゃなくって。あたしここのところ、ずっと考えてるんだった。10日間のバリから帰国して、いきなり始まった新しい恋愛のせいで、あたしのココロは乱れまくりなのだ。それはなにも冒頭に述べたような甘ったるい心理状態のことではナイ。ましてやその新しい恋のお相手、Tのことでもナイ。もっと切実なの。もっと悲しいのよ。それはなにって、バリにも一緒に行った、古女房・・・じゃなくて古旦那、トシ老いたダーリンのこと。出逢って3年、疑うことなく信じてきた彼への気持ちが揺れに揺れてるんである。なんでもそうだと思うんだけど、新しいものに夢中になったら、これまで大事にしていたものが急に色褪せて見えてしまったりすることって、ないですか?見なかったフリをしてた問題点が浮き彫りになっちゃったりして。・・・ってソレ、まさにあたしのことなんだけど。で、悩んでるのは、ビンゴにソコなんだけど。でもね、決して単に心変わりしたって、それだけじゃなくて。問題はそのあとの一文である。見なかったフリをしていた問題点が、急にリアルに迫って来ちゃったのよ。実はあたしの古旦那ことダーリンは、妻帯者。今やほぼあたしと同棲同然の生活してるんだけど、まだ籍は入ってる。そして彼はすでに、バツ1でもある。前妻と今妻の間に、それぞれ男児1人づつ。・・・あたしだってウソだと思いたい。だって愛する人がたまたまこんな人だったんだもの。これをさ、3年間、あたし見ないフリしてきたの。勝者になれるって、そう信じて。テレビや映画で不倫モノとか見るたびに、「冗談じゃないわよ」なんて思ってた。旅行先で「奥様」なんて呼ばれるたびに胸痛かった。表面上は笑いながらも、きっと辛かったんだろう。だけど、3年も不倫が続くには理由があったの。経済的にも、精神的にも、ダーリンは全面的にがんばってあたしを愛してくれたと思う。それを信じていたから、あたしも彼を愛せたのよ。だけどね、あたしがほんとうに欲しかったのは、そんなことじゃなかったんだ。そして我に返った今、彼のバックグラウンドはあまりに重い。☆☆新しい恋の相手、Tの職業は整体師。そしてあたしの精神状態にいち早く気づいたヒーラーだった。・・・これホント。Tがあたしの不安定に疲れた精神状態を指摘したのは、まだあたしがTの患者になる前、知り合い同然だった頃のこと。こんなことってあるんだな、と思った。誰かがあたしを救おうと、見つめてくれているということが。そこでTがずっとあたしのことを好きだった、とか言うんじゃないところが、また不思議なんだけど。彼は偶然に、あたしのSOSを受けとってしまったのだという。あたしを好きだと思ったのは、ずっとずっと、あとのことだったらしい。・・・ちぇっ。そう言われるとなんだかちょっと悔しいんだけど。でも、考えてみたら本当に、なにか大きな力を、感じてしまうような出来事だ。自分でも気づかないほど疲労していたあたしの肩を揺すって起こしてくれた。Tには悪いが、Tが特別というのではなく、特別な力が存在するということ。加護のように。それでもダーリンと別れられないあたしが、ここにいる。また考えは冒頭に戻ってしまう。
2008.09.07
ぶっちゃけあたし、自分の人生に楽観的になれないんだよね。すべてにおいて、なんか深刻に考えちゃうの。世の中上手く渡るにゃライトタッチで脱力系で、なんて風潮がTOKYOにはあって、TOKYO生まれじゃないあたしはいつも温度差を感じてた。ふんわりなんとなくやる気のありそうななさそうな(でもほんとは結構ギラギラしてる)女子がやたらめったら男子ウケすんのとか、いい例だと思う。で、やる気見せてるタイプは「アイツうざくね?」とか言われちゃって。あたしはその点ズルイから、うまくやる気を隠せるようになっちゃった。それってば実地体験・カラダで学んだ処世術だから、全然恥じてはいないけど、あたしの周りの女子はやる気なコが多くて、いつも周りとの温度差に悩んでる。恋も、ただがむしゃらに突っ走っちゃって。で、躓いてる。「ただ幸せになりたいだけなのに。さくらちゃん、あたしどうしたらいいの?」かわいい後輩の声に、日々胸痛めるあたしだ。世の中不安なことだらけ。あたしは会社にも勤めてないし、大学出てからずっとフリーランスで仕事してきて。ま、現場に行く交通費さえもなくてキャッシングしたこともあるくらいの貧乏経験もしてるけど。いつも誰かが(たいがいメンズか、お財布的存在のダーリンがいる友達同士の互助会・笑、もちろん自分にそういう彼氏ができた時はフィードバックする)助けてくれたりして、どうにか今も元気に暮らしてる。だけどそれは若かったから、ってお気楽なあたしもさすがに今じゃ気づいた。トシ取ったタカリなんて、虚しくって見てらんないし、第一自分が死んじゃうよ。自立できないなんて、苦行でしかないと思う。面白おかしく生きること、それはカンタン。イヤなことから目をそらすこと。死、貧乏、老後。そういう深刻な未来をなるべく見ないようにすれば、自分から遠ざければ、自分は未来永劫不老不死のお姫様でいられる。そう、錯覚し続けることさえできる。だけどあたしは目をそらすことが出来なかった。加えて不思議なんだけど、子供のころから異様なほどの自立願望があったことは否めない。きっともうそれは、生まれ持ったなにか、星の加護のような啓示のような、あたしの魂のもともとのところの色なんだろう。親に給食費もらうのさえも、胸痛めてたよ。たかだか小学生が、ね。あたし見た目からして「鷹派」(笑)だから、癒し求めてくるような男子にはホント、縁がない。今やひと段落した「小悪魔ブーム」とか、「エビちゃんOL」なんかが嵐のように流行ったときには戦慄さえ感じたものよ。だってさ、このTOKYOじゃあたしに声かけてくんのはおミズのキャッチか外国人かってなもんで、日本人からは一切モテやしない。あ、そうそう、AVのスカウトも、よく遭うんだな~。・・・そんなエロオーラ出してますか、あたし(汗)。つまり世の大半の男子は「怖・・・」とか思っちゃう外観。だけどそんなタイプが好きなニッチさんに支えられて、で、そんな人々は案外多くって、オトコ探しに苦労したことは、ない。まあ、ニッチは最高の需要だからね。代わりが少ない世界に生きれば、おのずとオンリーになれるって算段よ。いや、意識してニッチに生きてるワケじゃないんだけど。あたしだって出来たら一般ウケ抜群のエビ系になりたかったんだけど!生まれもってのこの好戦的ルックス、エビ系服の似合わないことと言ったら、ショップのお姉さんにプッ、なんて吹かれる有様。・・・・ほっといてよ。ふざけてる場合じゃない、あたし今、結構悩んでるの。ただ悲観的にしか人生を見られないとき。みんなどうやって切り抜けてんの?それを見せないことって、かっこいいことなの?雨の続くTOKYO。あたしの心もまだ、晴れない。
2008.09.01
まさにそれはあたしのことなのかもな、と奇妙なほどに冷静な気持ちで思っていた。偶然たどり着いた、とある有名美人占い師さんのブログである。さすが占い師さんらしく、そこにはイミシンで興味深い考察がざくざく。思わず一気に読んでしまったってワケ。(全然関係ないけど、あたしも例にもれず他人のブログパトロールが大好き。パソコンというツールの向こうに、ときにものすごいパワーを発する文章に出会うことがあるからなの。それを伝える画面は確かにデジタルなんだけど、文章の中に極めて有機的な人間臭さ、強さ、輝き、オーラみたいなもの?がドトーのように渦巻くブログ、あるよね。そんな強い強い激しさを抱えて涼しい顔でみんながごく普通に日常を営んでいることの不思議をしみじみと感じたら、なぜだか励まされたような気持ちになる。)その占い師さん。一度某ファッション誌のパーティでお見かけしたことがある(あやふやな情報ばっかでごめんなさいね、ほら、直接彼女に面識あるワケじゃないからさ、勝手に書けないじゃない)。あまりに細く、そして「カタギっぽくなさすぎる」色っぽい容貌に、「パーティーピープル?」なんて印象を抱いたんだった。その玄人っぽさと、目を引く存在感。白く細い身体がブラックライトに反射するようだった。ある意味、あれは「華」なんだなあ。今でも彼女が身につけていた大輪の花模様の黒いボディコンシャスなワンピースを、よく覚えている。あらら、また話がそれちゃった。モノゴト整理して説明できないのは、アタマのお弱い証拠だ。反省。そこには、だいたいこんなようなことが書いてあった。自分の淋しさを紛らわせるために始まった恋は大概、長続きしない、と。相手を愛することと自分自身を愛することをはき違えやすいから、だそうな。自分が抱えるさみしさを克服したとき、相手が色あせて見えるようになる、と。そこで話は冒頭に戻る。なんだ?これって今のあたしのことか?なんてふと気付いてしまった。ブログのウンチクある内容にクビ折れるほど大きく頷きながら、まてよ?なんてギモンがフツフツ。だって。・・・彼を好きになった、そのきっかけは、なんと陳腐にもお粗末にも、「あたしの話をものすんごく聞いてくれたから」・・・だったりして・・・あはは。めちゃくちゃ癒し求めてますけど・・・。しかもあたし、かんっぜんに受身ですけどっ!さらにその先には、その美しい占い師さん自身の経験として、「破滅の方向に向かう恋よりも、建設の方向に育てられる愛を吟味したいと思うようになった」と記されていた。すげー!!あたし思わず、画面にがぶり寄る。恋する相手を選べるようになる、これこそ!カシコイ女子たる完璧な人生設計への一歩ではあるまいか?だってさ、好きになる人選べたら、いわゆるだめんすなんかに当たらないって、そういう算段でしょ?でもさ~!!!恋って「このひと!」って決めて落ちるもんじゃなくない?!気づいたらその状態にハマってる、予測不能なモンじゃない?!建設的か破滅かなんて、恋の初期段階に判断不可能だわよ。淋しさを紛らわせるのがその時のあたしに必要なセンテンスだったなら、それが恋する理由でよくない?ほんものはいつだってどんな状態の中からもヨイショっと鎌首もたげて立ち上がってくる生命力を持ってる。それが破滅の結果に終わっても、それはそのときの自分が呼び寄せた終末の形だろう。もっといえばそれが必然ということならば、あたしは甘んじてそれを受け入れるさ。たとえ辛くてのたうち回ってもね。あたしは自分の本能を信じたい。・・・これは負け惜しみか?いや、あたし、これまでしてきた恋を、いっぺんだって後悔したことないよ。多分懲りないからこそ恋は恋であるんだと思う。そこに中毒性があって、旅の途中のようにラリってしまうんだと思う。なんてね。握りこぶしの熱弁で正当化しようとがんばったって。これがもうすぐ落下して割れちゃうそうな恋だって、うすうす気づいてるんだ。始まってしまったらあとは、終わるしかない。今まで繰り返してきた恋愛ごっこの予感が、この恋にもうっすら漂ってる。だけどどうしても止められなかった。始まってしまった。☆☆☆☆☆☆楽園をイメージするときに決まって脳裏に浮かぶのは、ベトナム・ニャチャンビーチのアナマンダラ(もちろんエヴァソン・ハイダウェイも最高だったけど、ヨガのシャヴァ・アーサナのときにイメージするのは決まってアナマンダラだ)とハレクラニ。完璧すぎて蜂蜜のように甘い記憶。どちらにも固いガラスのような、触れられそうに美しい空と海に祝福されている。世界中から集まった品のいいゲスト、完璧なホスピタリティ。若いカップルが結婚式を挙げる吹き抜けのロビー。オンザビーチのレストランでのブレックファーストは、やっぱり大好きなエッグベネディクトかなぁ。バナナパンケーキも捨てがたいよね。ハワイが与えてくれたもの。自分が自分として立つ力。あの時、見失いそうになっていたもの。負のエネルギーに飲み込まれそうになっていた弱い自我の、巣から落ちてしまった雛鳥のようなかすかな喘ぎ声を。そうっと包んで、ふっとその柔らかいいい香りの息であたためてくれた。ただ、それだけの。これ以上ない、最高の。多分、一生あの瞬間を忘れない。生かされていることを、知ったあの日。
2008.08.17
いきなり世界に色が付いた。あたしはきっと、TOKYOに出てきてから、ずっと何かを見ないようにして、感じないようにして歩いていたんだろう。もう世のすべての恋やキラキラは、自分に無関係な出来事だと、そう思い込んでいた。だって、手に入らないと思っていたから。ダーリンしかもう、好きになっちゃいけないって、心を抑え込んでいたから。だけどこの奔放の申し子のようなあたしが、そんな風に自分を抑圧しちゃってたなんて、改めてダーリンの影響力の強さを思い知る。彼の魅力、経済力、行動力。今でももちろん、尊敬してるけど。そのせいなのか、なんとなく居るだけで人の生気を奪ってしまうようなTOKYOという街の磁場なのか、あたしはがんじがらめの籠の鳥のように、さえずることさえ義務だと思っていた。そして。それを不思議だと思うこともなくなっていた。ひとはそれを、もしかしたら呪いというのだろう。そして、自分が自分にかけた呪縛からは、ひとはそんなに簡単に、逃れることはできない。鈍感でいた自分は、閉じている分傷付かなかったし、安定していたように思う。だけど、それじゃ目をつぶって街を歩いてるかのようだったろう。感性を殺してしまっていたんだろう。思い出した。あたしはそうだった、こんな性格だったんだ。貪欲で、欲しいものは我慢できない、どうしても欲張りな女だったんだ。うまく言えないけど、終わったかも、なんて思ってた恋が再燃するのに、時間はかからなかった。毎日のメール。日に日に親密になっていく内容。少しの時間でも、空いていればお茶をしたりした。だけどほんとに、それ以上のことは何も、求めていなかったの。夏で。浮かれてて、楽しくて。それだけで、満足だった。だけどいつしか、求めていたんだろう。あたしじゃなくて、彼がね。あの夜。気持ちよく酔っ払って。オーガニックワインの瓶を片手にげらげら笑いながらうちに帰ってきたふたり。彼はさりげなく、だけどほんとはきっとすごくためらいながら、あたしの手を握った。でも、それだけ。まるでティーンエイジャーみたいに、不器用に近づきあったふたり。ベッドにたどり着いたのは、さらにその次のデートだった。こうして始まってしまった恋が、いったいどこにたどり着くのか。熱帯夜はまだ、はじまったばかりなのかもしれない。
2008.08.14
全57件 (57件中 1-50件目)