2004年08月03日
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8/3

今日は一日中、雨。腹痛を起こす。





 翌朝になると、もう調子はよくなっていた。
 豊田さんが薬でもあげようか、と 言ってくれたが断わった。
 もうだいじょうぶだろう。
 僕の体調が悪いことに気づいていたのではなく、
 何かあったときのために、そう言ってくれたらしい。


 豊田さんに別れを告げ、しばらく歩いて朝食をとることにした。


 僕は道端に腰を下ろし、パンにジャムをつけると食べ始めた。
 今日中に何とか福井市内に着きたいな、
 そんなことを思いながらムシャムシャと食う。
 空はなにやら曇っている。
 そして、ちょうど最後のパンを食べようとしたときである。
 ぽつぽつと雨が降りはじめた。
 僕はパンをしまって雨に対する備えをしなければならなかった。
 ポンチョを取り出して頭から被るのである。

 僕はポンチョを身にまとい歩きはじめた。
 こいつさえあれば雨に濡れずにすむ。
 だが五分もせずに雨は止んでしまったのである。

 せっかく被ったポンチョはしまわなければならない。
 そのままでいると暑くってしようがない。

 しかしである。ポンチョをしまうと、また雨が降ってきた。
 被ると止み、しまうと降るということが、

 別に僕に合わせて天気が変わっているわけでもないのだろうに。

 とにかく雨が小降りのうちに、今後の降りを見極めなければならない。
 まあ、じきに止むだろう。
 僕は今回はそのように判断した。
 ところが、これが外れだったのである。
 雨は止むどころか、勢いがどんどん強くなっていって、
 しまいには、ふたたびポンチョを取り出す間もないほどに降りはじめた。

 こうやっていったん強い雨になってしまうとやっかいであった。
 地面が濡れているのでリュックを下ろすこともできない。
 どこか屋根がついた乾いた地面のところを探さなければ、
 ポンチョを取り出すことも、タオルを頭に巻くこともできないのである。

 僕は苦労してバス停を見つけると、
 そこでやっと雨仕様の格好になることができた。
 しかしもうだいぶびしょ濡れである。
 だからといって歩くのをやめるわけにもいかない。
 小止みになるのを待って、ふたたび歩きはじめた。
 ところが今度は笑えないことに腹が痛みだした。

 おいおい、どうしんだ。頼むぜ。
 僕は自分の腹に向かって話しかけた。
 まったくこんなときの腹痛ほどつらいものはない。
 雨がしとしと降る中を腹を押さえながらトボトボ行くのである。

 道はだいたいにおいて森や田んぼの間を縫うように走っていたが、
 だんだんと山道になりつつあった。
 休む場所も確保できない有様である。
 それに加え、濡れたせいで寒くなってきた。
 そして国道はやがて完全に山の中に入ってしまった。
 状況としては最悪である。

 それでも二時間も歩くと、何やら店の看板を見つけた。
 今は寒さをしのぐこと、休息を取ることが何よりである。
 とりあえず入ってみることにした。

 店は国道より少し脇に入ったところにある。
 しかしどうにもあやしいのである。
 店の中にはまったく人のいる気配がない。
 定休日でもなさそうである。
 もしかすると店が潰れてしまったのかもしれない。
 こんな山の中ならめったに客も来ないのだろう。
 何だか気味悪いので、とりあえず退散することにした。

 すると背後で何やら物音がする。
 何だろう、と思い、後ろを振り返ってみると、
 そこに熊がすわっていた。

 といっても、檻の中である。
 なぜだかわからないが檻の中に熊が囚われている。
 この店の人が飼っているのだろうか。
 とすれば店が潰れたというのは間違っていることになる。
 この熊は檻の中に入っているので危険はないが、
 もしかするとここらにも熊は出るのかもしれない。
 東北地方を抜け、すっかり油断していたが昨日の豊田さんとの話の中で、
 温泉街にも熊が出てひと騒動あったということを言っていた。
 やっぱり早くここは立ち去ろう。
 そして町に下りるのだ。
 山の中じゃ埒があかない。


 雨は降りつづけている。
 すっかり弱々しい足取りながら進み続ける。
 すると山道の途中に県境の標識が立っていた。
 こんな状況の時であるから嬉しいものである。
 何とか福井県に突入である。
 しかし、それから里におりるまでガタガタ震えながら歩いた。

 車道が高速道路のような感じになったところで
 ようやく僕は休息できるところを見つけた。
 あまりきれいではないが、バス停がある。
 コンクリートで造ってあるので、中に入ってしまえば雨に濡れることはない。

 僕はその中に入るとリュックをベンチに置いて、
 その隣に壁に寄りかかるようにして座った。
 寒い。

 その中はさして暖かくはなかったが、
 それでも雨に濡れ続けているよりはだいぶましであった。
 まずはこの寒さをどうにかしなければならない。
 僕はコーンの空き缶にポタージュの粉末、それから水を30ccほど入れた。
 そしてライターの火でもってその液体を暖めてみた。
 ライターの火力では苦しいものがあったが、仕方ない。
 これしかないのだから。

 それでもしばらくがんばっているうちに
 中の量が少ないせいもあって、なんとかぬるま湯程度には暖まった。
 そいつを喉に流しこむ。
 なんだか、体中にポタージュが染みこんでゆくようであった。

 そうだ。まだパンが一枚残っているんだ。
 カロリーを摂取すれば体も多少は暖まるだろう。
 そう思い、僕はリュックの中をゴソゴソと探った。

 その時である。
 僕はふと昨日のことを思い出した。
 パンに、いちごジャムをつけて食べてから急に気持ち悪くなったんだ。
 たぶん食べすぎたんだろうと思って、
 いや、もしかしたらジャムが悪くなっていたのかもしれない、
 でもジャムが悪くなるなんてあるんだろうか、と思って、
 でもパンのことは疑わなかった。
 そうだパンだ。

 このパンはどこで買ったんだっけか。
 そうだ金沢だ。
 どうみても200円はするのを100円で売っていたから、
 ついうれしくなって買っちゃったんだ。
 だけどあの時点でもうだいぶ危なかったんだな。
 それを後生大事に今まで取っておいて。もう三日もたってる…。

 僕は最後の一枚はさすがに捨てることにした。
 せっかく今朝は体調が良くなったのに、
 こんな物を食べてまた調子を崩すなんて、
 僕は自分の間抜けさに、やや呆然とした。


 14:00ごろになると、雨は上がった。
 しかし太陽が顔をのぞかせるわけでもないので、
 服が乾くこともなく、びしょ濡れのままである。
 腹痛はおさまったが、何しろ寒い。

 しばらくの間、そうして田園風景の中を歩いていると
 食べ物屋が一軒あるのが見えた。
 僕はすぐに入ることにした。
 まったく山の中に入ってしまってから、
 あの怪しげな店をのぞけば、最初に出会った店である。

 店はラーメン屋さんで、まだ開業したばかりらしかった。
 ふだんならば賛沢はしていられないところだが今日は特別だ。
 しっかり食べて、体を暖めよう。

 というわけでラーメン、ギョウザ、野菜スープにご飯を頼んだ。
 店の時計を見ると16:30であった。
 やっぱり今日中に福井というのは無理である。
 体調が悪ければ顕著にペースが落ちるものである。
 まあ、行けるところまで行くしかあるまい。

 僕はその店を出て、ふたたび歩きはじめた。
 雨がまた少し降りはじめていた。
 そのせいで、かなり早い時間から暗くなってしまった。
 それで丸岡という町で見つけたバス停で寝ることにした。

 立派なバス停なので、もしかしたら文句を言われるかもしれない。
 だが、それさえなければ泊まるには最高の場所であった。
 福井市内までにはまだだいぶある。
 何とか明日には着けるだろうか。









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最終更新日  2004年08月04日 02時20分26秒
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