2004年08月04日
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 福井市を突破。リュックの背負い方を変えたので肩凝りになってしまった。
 今日はよく金を使った。武生の紫式部公園で寝る。





 今日はよく金を使った。
 福井市に入ると、朝っぱらから天ぷら焼肉弁当などという
 ヘビーなものを食べてしまった。412円なりである。
 体調はもう完壁である。

 その天ぷら焼肉弁当を買ったコンビニで、


 軽い気持ちで訊いてみたのである。
 取りあえず興味があったのでちょっと見てやろうかという感じである。
 それに、どうせわからないと言われても自力で探すつもりであった。

 ところがレジのお姉ちゃん考えこんでしまった。
 そしてカウンターの下から、やおら地図を取り出すと、
 じっとその地図に見いってしまったのである。
 僕の次に並んでいたお兄ちゃんは待たされている。
 あの、と言うお兄ちゃんの一言で、お姉ちゃん、やっと顔をあげた。
 そしてバーコードでピーッピーッとやりながら

 「すいません。お客さんは御存知ありませんか。福井城跡はどこか。」

 お姉ちゃんはさわやかに言った。

 あわあわ言っていたが、結局どこのあたりにあるのかはわからなかった。

 「いや、もういいですよ。自分で探しますから。」

 レジにこれ以上、客が並んでしまってはまずいので、
 僕はお姉ちゃんにお礼を言って店を出た。
 北陸の人は親切である。



 つまり県庁はどこですか、と訊けばよかったのである。
 この市の中心から、県道でもって鯖江市まで向かうことにした。
 その鯖江から敦賀までは国道で行けるはずである。
 これより先、琵琶湖の南端に到達するまでは方角的にはひたすら南下することになる。

 今日は晴れている。
 腹痛は治ったし、何の問題もないはずであった。
 ところが今度は肩凝りに見舞われてしまったのである。

 肩凝りの原因はわかっている。
 リュックの背負い方を変えたためである。
 僕はちょっとばかり特殊な背負い方をしていて、
 独自に考え出した首や肩に負担のかからない背負い方というのをしていた。
 詳しい説明は面倒なので省くが、
 そのためには革のベルトとそれを支えるための紐が必要である。
 その紐が昨日、切れてしまったのである。
 それで紐のスペアもあったのだが、
 取り替える作業が多少面倒なこともあって、
 いわゆる普通の背負い方に昨日から変えていたのである。

 そのせいだろう。やたら肩が凝る。
 凝るどころか、首すじがひどく痛みだし、
 しまいには頭痛がしてくる始末であった。

 鯖江を過ぎ、夕方近く、武生(たけふ)というところまで来ると、
 痛みは絶頂に達した。
 僕は仕方なく公園を見つけるとリュックを枕に横になった。
 その公園は紫式部公園という名前らしく、
 普通の公園よりも幾分、広く、立派であった。

 多少はダメージから立ち直ると水を汲んだり、
 公園を見て回ったりした。
 今日はここに泊まればいいかなと思ったのである。


 さてその公園の敷地の横に、何やら建物が建っている。
 くずし字で書いてあるのでよくわからないが、
 どうやら『藤波亭』と書いてあるようであった。
 もっとよく見ると「無料休憩所」とある。

 なになに無料だって。
 僕はその言葉に即座に反応した。
 なんだか吸いよせられるようにしてその建物に近づいて行くと、
 中へと入っていった。

 中は和風の作りで、まだ新しい感じであった。
 入口は二箇所あり、
 ひとつは食堂のように机と椅子が並んでいるところに通じている。
 もうひとつはトイレや電話コーナーに直接、行けるようになっていた。
 そしてそこにはベンチが置いてある。

 僕はそのベンチに多少、落ち着かないが腰を下ろした。
 無料って書いてあるんだから、いいんだよな。ここにいても。
 自らに問いかけるでもなく、言い聞かせるでもなく、そのベンチに座っている。

 すると食堂になっているところから
 おばさんが二人、こちらを見ている。
 だいじょうぶ。無料休憩所なんだから。
 僕がそう思っていると、二人はとくに何も言ってこなかった。

 僕がそのベンチで休んでいる間、
 ひっきりなしに人の出入りがある。
 そういえば公園にもなんだか人がたくさん集まっていた。
 盆踊りという雰囲気でもないが何かの集会でもあるのかもしれない。

 そんなことをぼんやり考えていると
 二人のおばさんのうちのひとりがやって来た。
 彼女は眼鏡をかけている。

 「あの、もうここは時間だから閉めるんですけど。」

 おばさんは得体の知れない相手に警戒しているようであった。

 「すいません。あの僕はここにいてもよかったんですかね。」

 僕は立ち上がりながら疑問に思っていたことを訊いた。
 無料体憩所とはいったいどういう意味あいなのか、ということである。
 するとおばさんは僕に興味を持ったらしい、

 「あんた、そんな格好して。どうしたの。」

 と言った。

 「歩いて旅してるんですよ。」

 そう答えると、かなりのインパクトだったらしい。
 閉店時間はどこへやら、座って座って、とベンチを指さした。

 「それで。」
 「北海道から鹿児島まで行く途中なんですけどね。」
 「うんうん。」

 おばさんはすっかり興奮している。

 「去年、自転車で小学生が日本縦断したときも、
 このあたりを通ったのよね。
 でも、まさかこうして旅している人と話すなんて、思わなかった。」

 なんだかそんなことを言われて照れ臭くなってしまった。
 日本縦断というと必ず話題に登るのが、
 自転車の小学生と植村直己のことである。

 あの冒険家も若いころ日本縦断をしているのである。
 ただし、それは北極を横断するための予行演習ということであったらしいが。

 「それで泊まる場所は、どうしてるの。」
 「野宿ですよ。お金がないですからね。
  この先にはどこか泊まれそうな場所はありますかね。」

 僕は国道の敦賀方面を指さして尋ねた。
 この公園から見るかぎりは、まだ市街地がちょっとはありそうであった。

 「そうね。信号を四つも行ったら、その先は山よ。」

 ここに泊まることにして正解だったな、僕は思った。
 するとそこヘもうひとりのおばさんがやって来た。

 「ちょっと、ちょっと。この人、歩いて旅しているんだって。」

 眼鏡のおばさんが言うと、彼女もヘーっと驚いていた。
 ふたりともおばさんとはいっても、まだ三十代の前半くらいである。

 「あの、もうおいとましますよ。」

 僕は言った。何やら忙しそうだったのである。
 すると眼鏡のおばさんが、
 まだ、いいわよ、そこで休んでなさいよ、と言ってくれた。
 彼女はもっと色々、話を聞きたいようであった。
 僕はまだベンチに座っていてよいことになった。

 おばさんたちはしきりに食堂から公園の方に物を運んでいる。

 「忙しそうですね。」

 話しかけると、眼鏡のおばさんが言った。

 「中に入って、椅子に腰かけててもいいわよ。」

 今度は堂々と食堂に入る権利を手に入れたわけである。
 僕がどれどれと立ち上がると、中と外を行ったり来たりしていた眼鏡のおばさんが、

 「これ、少ないけど。私たちの気持ちだからね。がんばんなさいよ。」

 と三千円を差し出した。
 もちろん断わったけれども結局はもらってしまった。
 今の僕にとって三千円は決して少ない金額ではなかった。
 そして働いている彼女たちにしても、そうだろう。
 まったく、かたじけないと思う。

 椅子に座ってからも、何かと頂いてしまった。
 とうもろこしやブドウなどの果物、ジュースなどである。

 そうこうするうち、やがて男の人がやって来た。
 彼女たちが社長と呼んでいる人物である。
 いったい何の社長だか知らないが、
 とにかく、おばさんたちは僕のことをその社長に話している。
 彼も諒解したらしく、まだ僕はここにいてもよさそうであった。

 この社長が来てからというもの、さらに忙しくなった。

 「ライオンズクラブの集会があるのよ。それでこんなに忙しいのよ。」

 眼鏡のおばさんはそう言うと、つけ加えた

 「今日は偶然、こんなに遅くまで営業してたのよ。
  普段だったらもっと早く閉まっているのよ。」

 僕はどうやら幸運だったらしい。
 彼女たちはそーめんの入った大きなたらいや
 コップなど物を運んでは帰ってくる。
 そして少し手が空くと僕と話をするといったことを繰り返すのだ。

 そのうち忙しさがこうじてきたのか、
 人手が足りないのか、いろいろと手違いが生じてきたらしく、
 社長とおばさんたちの間が険悪になってきた。
 僕としてはいたたまれない気分である。
 たのむ、仲良くしてくれ。
 僕は椅子に座ってテレビを見ながら祈るようにして思った。

 それから10分もすると、喧嘩腰ながらも、
 だいたい仕事を終えたらしい。おばさんたちとゆっくり話ができた。

 「ライオンズクラブの人が誰か泊めてくれればいいのにね。
 私の家に泊めてあげたいけど、娘と二人きりだからね。」

 しきりに眼鏡のおばさんは今日の宿泊のことを気にしていた。
 僕はすっかり公園に泊まるつもりでいたので、彼女ほど深刻ではなかった。

 「そこの公園に泊まりますよ。何も問題ないですよ。」

 そう言うのだが、おばさんはそれでも心配そうである。

 「今までも、そうしてきたんですから。」

 僕は彼女にそう言って安心してもらった。

 今晩のライオンズクラブの集会はどうやらうまくいったようである。
 藤波亭の人達は、これから打ち上げに行くらしい。
 僕もそろそろ寝ることにしよう。

 「またいつか訪ねてきてね。何年後かにかならずおいでよ。」

 おばさんは名残り押しそうに、そう言った。

 「あの、お名前を教えていただけませんか。」
 「北風っていうのよ。おもしろいでしょ。」
 「北風さんですか。」

 童話に出てくるような名前だ。僕は思った。

 「さよなら、北風さん。またいつか来ますよ。」

 そう言うと公園の方へ向かって歩き始めた。
 ここへはまたいつか必ずやって来よう、僕は思った。







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最終更新日  2004年08月06日 03時49分15秒
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