2004年09月08日
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【真夏の邂逅】第72日目

 9/7

  思いがけず長崎の旅をすることになった。

 長崎の駅を降りると適当な公園を見つけてまず朝食の準備である。
 彼らは僕に比べれば幾分ましな装備をしていて小型バーナーなどを持っている。
 そこで「こてっちゃん」をみんなで焼いて食った。
 こいつは意外なほどうまかった。


 その中をリュックサックを背負った三人と手提げ袋の僕が行く。


 まずは原爆の投下地点へと向かう。
 このあたりは公園になっているのだが、
 グニャリとへし曲げられた鉄の塊が無造作に置いてある。
 これは当時のものをそのままにして置いてあるということである。

 さらに公園の奥へと進むと教科書などにも載っている有名な銅像の前にやって来た。
 実際にこうして目の前で見てみると意外なほど小さい。
 しかし、その銅像の前に佇んでいると何とも言えない静かな力強さを感じる。
 団体の観光客はそんなことは感じないらしく、記念撮影をするのに熱心であった。


 さて長崎といえばチャンポンである。
 僕らはグラバー邸の玄関口まで行って、引き返してきて

 中華街を歩き回り、うまそうなチャンポンを探し求めた。

 今日はけっこう気温も高い。
 歩くと汗だくである。
 しかし、だいたいにおいて地元の情報など全く持ちあわせていないのだから、
 どの店のチャンポンがうまいかなどわかるわけもない。


 やがて入った中華料理店も、
 そこがうまそうだったからというよりも歩き疲れたためだった。
 しかし、そうして歩き回ったおかげでチャンポンにはおいしくありつけた。


 午後になると市内を見渡せる丘に登って行く。
 目当ては亀山社中である。
 この亀山社中とは海援隊の前身となった組織で、
 坂本竜馬の長崎での拠点である。

 斎藤克也は竜馬好きで、
 以前、京都の伏見にある寺田屋を一緒に見に行ったことがある。

 考えてみれば今回の旅ではけっこう坂本竜馬ゆかりの地を訪れている。
 寺田屋もそうだし、神戸の海軍塾跡、鹿児島の塩浸温泉、
 それに今回の亀山社中である。

 この亀山社中の建物は普通の住宅地の中にあって、
 当時のまま残されている。
 町の有志による保存会のようなものが管理をしているのである。
 その保存会のおじさんが維新当時の逸話などを話してくれる。
 さすがにマニアックな話が多くてなかなか堪能させてくれた。

 それから丘を下って、
 有名な眼鏡橋を見てから、
 港の方へ行ってみようということになった。


 港の中は静かに凪いで波もない。
 太陽の力はもう盛りを過ぎ、あたりに夕暮れの匂いを漂わせはじめていた。
 その太陽の光が水面にキラキラと反射して輝く様子を
 僕らはずっと飽きもせず眺めていた。
 観光名所でも何でもない場所だが、これは心に残る風景であった。


 長崎はよい町である。
 何がよいのかはわからないが、
 とにかく落ち着きがあって、
 でもどこか不思議と明るい色調を持っている。

 だが、その長崎ともお別れである。
 これから博多へ向かわなければならない。


 長崎から博多までは各駅停車で4時間というところである。
 すっかり暗くなってから博多に着いたのだが、
 ここでの目当てはラーメンである。

 この町はさすがに九州一の大都市だけあって、
 その規模の大きさは大変なものであった。
 ガイドブックで選んだ長浜ラーメンの店にたどり着くまで
 たっぷり一時間以上は歩き続けなければならなかった。

 ここはけっこう有名な店なのだが客の回転がよいせいか
 行列などはできていない。
 回りには他にもたくさんのラーメン屋が並んでいる。

 博多ラーメンは何といっても安い。
 一杯350円から400円というところが相場だろう。
 それに替玉をしても50円とか100円である。
 まったく東京のラーメンは高過ぎる。
 こんなにうまいラーメンを安く食べられる博多の人がうらやましいかぎりである。

 ラーメンを食った後は、その店のすぐ近くにある公園で寝ることにした。
 といっても、僕には寝袋がないわけで、ちょとばかり野ざらしで寝るには気温が低い。

 僕はしかたなく、そのあたりから防寒に役立ちそうなものを拾い集めた。
 幸いなことに傘を二三本調達できたので、
 こいつを組み合わせてテントのようにして眠ることにした。
 九州とはいえ、そろそろ夜の寒さが身にしみる。福岡の夜は寒いのである。







9/8

 やはり寒い。
 傘で作った簡易テントは隙間が多すぎるのである。
 ちっとも暖かくない。

 克也達は寝袋の中なので何とか凌げそうであったが、
 僕はもうこの寒さには耐えられそうもない。

 時刻を見ると夜中の3時半である。
 夜明けにはまだだいぶあるが僕はもう行くことにした。
 歩いてゆくうちに体も暖まるだろうし、駅に着くころには始発も走り出すだろう。

 「おい、克也。俺はもういくぜ。」

 寝ている克也に声をかけると寝ぼけているらしく、むにゃむにゃ言っている。

 「じゃあな。」

 僕はもう一度声をかけると、歩き出した。
 克也は起きたらしく、それじゃ、と背後で声がするのが聞こえた。


 克也達は博多で学会に参加するのである。
 だから今日でお別れだ。
 奴らとは二日の間だったがけっこう楽しく過ごした。
 まだ眠っている街の中をすり抜けながら僕は駅へと向かった。


 さて予定外ではあるが博多に来てしまったので
 太宰府に行くためには熊本方面に戻らなければならない。
 といってもせいぜい20分も乗ればよいくらいの距離である。
 しかし、どうせ戻るのであるから熊本まで行ってみることにした。
 もう一度、北熊のラーメンが食いたい。

 この時間から動き出せば熊本まで行って、
 取って返して来てもけっこう移動できるにちがいない。
 青春18きっぷの期限切れが迫っているが、
 一日中、列車に乗っていれば何とかあと二日で東京に戻れるだろう。

 太宰府天満宮はJRの二日市という駅から
 西日本鉄道という私鉄を乗り継いで太宰府駅で下車すると、
 そこから歩いて15分くらいのところにある。

 さて太宰府には7:00頃に着いてしまった。
 それで着くには着いたが、
 まだ朝早いせいで観光客などは誰もいない。

 お守りを買えるだろうかと心配していたが、
 寺だとか神社の類いは朝早くから活動しているものである。
 売り場で難なく買えた。

 それでついでにおみくじをひかせてもらうと、
 これが大吉であった。
 今日は何かいいことでもあるかもしれない。

 そう思って二日市駅から列車に乗りこんだのだった。
 その列車は熊本に向かっているはずであった。
 ところが間抜けなことに二時間ばかり乗ってから
 下関方面の列車に乗ってしまったことに気がついた。

 どうしても北熊でラーメンは食えないようである。
 しかたがない。
 あきらめよう。
 また来ればいい。
 でも食いたかったなあ、あのラーメン。


 それで今日はどこまで行けるだろう。
 各駅停車の旅なので時々とんでもなく列車同士の連絡が悪い時があって、
 そういう隙にみどりの窓口に行って時刻表を見るに、
 どうやら大阪までは行けそうである。

 よし、西川さんに今日中にお守りを渡せそうだな。
 それに青春18きっぷも一枚余りそうなので、
 大阪の金券屋で売り払うことにしよう。

 それで小原さんの家にでも泊めてもらおう。
 もう小原さん本人はいないが、家族の人とはすっかり仲良しなので大丈夫だろう。
 いきなり訪ねていっても悪いので
 いちおう小原家には列車の連絡時間の隙をついて電話をしておいた。
 小原マザーはいいよと言ってくれたので今夜の寝床は小原家に決定である。


 というわけであんなにいくつもの町を時間をかけて歩いたの
 はいったい何だったのかと思うくらいあっけなく大阪に着いてしまった。
 時刻は19:45である。 

 とりあえずは金券屋に行こう。
 大阪の駅前第四ビルのあたりにはその手の店がたくさん並んでいる。
 以前、何度か足を運んだことがあるので行き方のだいたいの目星はついている。

 そう思ったのは甘かった。
 ビルに行くのに地下などを通ってゆくためにさんざん迷ってしまった。
 そしてさらにようやくたどり着いた金券屋はすべて営業時間を終えていたのである。

 しかたなく金券屋は明日の朝訪ねることにして、
 次は江坂に向かった。大阪駅から地下鉄に乗って10分というところである。
 それで駅について予備校を目指して行ったのだが、
 こちらももう閉まっていて誰もいない。

 まったくあの大吉はいったい何だったのかと思う。
 それでも腐っていても始まらない。
 お守りも明日だ。


 さらに電車に乗って高槻市の小原家へ向かう。
 高槻市は大阪駅と京都駅のちょうど真中に位置している。
 今日中に大阪での所用を済ませられれば、
 そのまま東京に帰るのにちょうどよいはずであった。
 しかし、明日また戻って来なければならない。


 小原家に着くとマザーしかいなかった。
 僕は晩飯を食べていなかったので食わせてもらい、
 それから二階に上がると
 電気をつけたままうつらうつらしている間に眠ってしまった。




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最終更新日  2004年09月10日 16時57分25秒
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