ビーズ作品撮影ボックスの製作



仕事の関係で、どうしても撮影は夜。本当は自然光で撮るのが一番きれいだってわかっているのですがそうも行きません。フラッシュをつかったりアームライトをつかったりするのですが、なかなか満足できません。プロが使う撮影ブースの小型版でボックスタイプがないか探してみると、ある事はあるのですがサイズが大きめ。所詮ビーンハートしか撮影しないのですから自分で作ってみる事にしました。


室内でフラッシュ撮影をするとどうしても平面的な画像になってしまいますね。これは光が一方から強く当たってしまうから。屋外で自然光で撮るといろんな方向から光が当たりますから作品が立体的に撮れるわけです。これを室内で再現するのが撮影ボックス。市販の小型タイプでは前が開いた四角い箱の天面をすりガラス状にして、上からの光を拡散。左右の面は反射素材を使ってこれをボックスの中の作品に当てるという仕組み。これなら資材をほんの少し買い足すだけで出来そう。それでは製作編です。必要な材料はコメントの中で随時書いて行きますね。


1 透明な四角い箱を探しました



ダンボールの小箱って手もあるのですが、ビーズの作業スペースで使いますのである程度しっかりしていてきれいな箱・・・私は模型店や食玩のお店で売っているディスプレー用のケースを選びました。こちらはウエーブのT-case M。外寸は23×12cmで高さは9.5cmです。定価は1,400円。実はこのケースの上にエッセンシャルオイルの小瓶を置いていたのですが、少し漏れて曇ってしまったものです。今回はこのケースの透明部分を立てて使う事にします。


2 天面を光を拡散させるためにすりガラス状にします



一番カンタンにすりガラス状にする方法。私は紙やすりでゴシゴシしてしまいました。番手は400番ですが、荒すぎない限りは何番でもいいと思います。



今回はこのケースを立てて使いますからこんな感じ。ライトを当てて天面の拡散の具合をチェックしてみました。


3 反射面は塗装で作りますからここで洗浄します



私は左右と下の反射面を塗装で作る事にしました(もっとカンタンな方法だとアルミ箔を貼ってもいいと思います)。ここでいったん中性洗剤を使って洗浄。ペーパーがけで出てきた樹脂の粉や、くっついている油分を洗い落として完全に乾燥させます。


4 天面にマスキングをします



天面は拡散、その他の面は反射ですから天面に塗料が付かないようにマスキングテープでカバーをします。(作業中の画像です もちろんマスキングは天面全面に)


5 塗装します



反射面はシルバーのスプレーで作りました。ケースの外側に銀色のスプレーを吹き付けます。中に塗料が入り込まないように本来なら内部もマスキングするのですが、今回は黒い台の部分をつけたままで塗装して、中に塗料が回り込まないようにしました。


6 塗料が乾燥するまでの時間で背景となるスクリーンを作ります



・・・と言っても、そんな大げさなものじゃなくて、プラバンをカッターで切り出しただけ。タミヤのプラバンを使いましたが、このメーカーのものは表がツヤあり、裏がつや消しになっていて便利。もちろんツヤ消しの面を前にして使います。作業しやすくてある程度透けにくい厚みを選んでください。


7 塗装が乾燥しました



マスキングテープを剥がして、内側からみるとこんな感じ。反射面は「鏡面」には程遠いですがきれいな銀色に仕上がりました。6で作ったスクリーン、画像では見えにくいのですが上部に両面テープを貼ってボックスの正面に貼り付けます。これが背景のスクリーンとなります。


8 作品の固定にはマグネットを使ってみました



今回、一番悩んだのが作品の固定。ケースに穴を開ける事も考えたのですが、スマートじゃありません。そこでふと目に止まったのが冷蔵庫に張り付いているマグネット。これを使ってみる事にしました。左はプッシュピン形。もちろん針は付いてないですよ。針の部分はマグネットです。冷蔵庫で使っていると「針は?!」ってびっくりされる方もおられます。かなり前に東急ハンズで買ったもの。右はごく一般的なマグネット。こちらはコクヨ製だったと思います。いずれにしても磁力の強さポイント。これを2個ペアにして計8個使います。・・・と言ってもイメージわきませんよね。


9 マグネットはこんな風に使って作品を固定します



私はビーンハートのモチーフ部分だけしか撮影しませんからチェーンが邪魔にならないように4点で固定してみました。裏の同じ位置にも同じマグネットがあります。これだと固定点を自由に変える事ができますからチェーンの長さが少し違っていても定位置で撮影ができますし、モチーフが左右に傾いていてもカンタンに直せます。これで完成です。


10 作品を固定して光を当ててみました



真正面からだとこんな感じ。上の拡散部分からアームライトの光を当ててボックスの中に光をばらまいて、左右と下の反射面からもモチーフを照らします。



もう少し写真を引いて撮ってみるとこんな感じです。撮影に必要なスペースは12×9.5cm。置きっぱなしでもまったく邪魔になりません。


それでは5月6日の日記でご紹介したビーンハートを撮り比べてみましょう。



こちらは日記で使用した画像。単に上からアームライトの光を当てただけ。このFPの持つビビッド感や透明感が全く表現できてませんし、チェコオレンジGの輝きやカラーも濁って曇った印象。いろいろ試してみたのですがどうしても上手く撮れず、日記を書くのを止めようかとも思ったくらいです。



こちらが撮影ボックス使用分です。オレンジGの色も綺麗に再現できました。でも一番の違いはビーズの透明感が表現できた事。光が全体から当たるとこんな風に撮れるのですね。誰が見てもビビッド感がまったく異なります。透明系ビーズだと差が良くわかるようです。


撮影ボックス、私は出来るだけ手持ちの資材で作ってみましたがポイントは「拡散面」と「反射面」これで構成された箱ができれば同じような効果が期待できると思います。カンタンに出来て効果抜群。結局新たな投資はプラバン1枚120円だけでした。

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