2015年03月03日
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聞いたことがあります。10年ほど前、アメリカの大学教授と

「香り」と「匂い」の使い分けについて話をしたのを思い出しました。

「源氏物語」の中にも「香り」と「匂い」について

よく出てきます。今上帝と明石中宮の皇子・匂宮と源氏の君と

女三の宮の子である薫の君の話はよく引用されます。世の人々は、

「匂う兵部卿(ひょうぶきょう・匂宮)、薫る中将(薫の君)」と

噂をしていました。源氏の君と女三の宮の子(実は柏木との不倫の子)

である薫の君は、その身体から発する「芳香」に恵まれていました。

 今上帝と明石中宮の皇子(みこ)兵部卿(匂宮)は、薫の君の

身体から出るほのかな香りをうらやんでいました。

そこで、ありとあらゆる香りのする木々や

草花を集め、自分の身体や衣(ころも)に染みつけようとします。

「匂宮」の巻には、次のように記してあります。

 下の原文の写真3行11字目から5行19字まで。

匂宮と薫の君・匂宮8b

「兵部卿(ひょうぶきょう・匂宮)なん、

 ことごと(他事)よりもいとましく覚(おぼ)して、

 それをわざと萬(よろす)のすぐれたるうつしを

 志(し)め給(たまふ)」

匂宮と薫の君・匂宮8b拡大

 原文の現代語訳は次の通りです。

 兵部卿(匂宮)は、ほかのこと以上に香(かおり)のことで、

薫の君と競い合うようになり、あらゆるすぐれた香物(こうもの)を集めている」

 原文には、続いて春には梅の花園、秋には女郎花(おみなえし)、

萩の露、藤袴(ふじばかま)など、あらゆる香りの草花を用いて、

薫の君と競ったことが描かれています。以前、の掲示板に、「かおりさん」が、

「匂宮は薫の君の香りに対抗して衣(ころも)に香をたきしめた所から

匂宮と呼ばれたのですよね」と記しておりました。

「薫中将」は、「薫る中将」とも書きます。







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最終更新日  2015年06月19日 14時14分39秒
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