DISTANCE -道のり-

DISTANCE -道のり-

2007.04.06
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カテゴリ: 技(gi-waza)

実は、柔道投技の本質論的な重要なものです。
以下に、村田直樹先生(全柔連教育普及委員長、講道館柔道資料館)のお言葉を転記させていただきます。



さて裸で格闘したらどうでしょうか。これは誰も柔道とは言わないでしょう。そうです、柔道と言うからには柔道衣が必要です。だから柔道投技の「基」の一つは柔道衣です。では柔道衣を身に着けていればあとは何でも有りの自由格闘でよいでしょうか。そうではないでしょう。
例えば乱取中ずーっと、あるいは試合時間中ずーっと、お互いが四つに差し合い、帯を持って勝負したらどうでしょう。これも柔道と言わないでしょう。だから柔道投技の「基」には、組み方があるということが分かります。ではその組み方とはいかに?
IJF(国際柔道連盟)では組み方を規定で決めています。それは「標準的組み方」と称し、「左手で相手の柔道衣の右側、即ち袖、襟、胸部、肩の上部、背部を、右手で相手の柔道衣の左側、即ち袖、襟、胸部、肩の上部、背部を手で握ることである。いずれに於いても帯より上を握ることである」(IJF規定附則P101)。
これは、柔道創始者嘉納治五郎師範の教えに則ったものです。師範は投技の組み方について、次のように述べています(「講道館柔道概説」大正4年)。
「自然体に組む時は、右の手で相手の左襟を取り、左の手で相手の右袖を取る。左自然体の時はちょうどその反対になる」
こう明言されています。次いで、
「この形式は柔道乱取の学び始めの者に最も適当であるから、最初のうちは、是非この形式を守って貰いたい。その訳は、この形式で身体を慣らすと姿勢が正しくなり、技も覚えやすいからである。」
これが創始者である師範の教えです。以上のような組み方でする柔道が、嘉納師範が創られた講道館柔道の「基」なのです。これを欠けば、柔道のようだけど本当は柔道ではなくなってしまうのです。お分かりでしょうか。


両袖を持ち続けることは、反則なのかと質問を受けました。
基本的には反則にはなりません。
審判規定上の「標準的組み方」に属するからです。
しかし、嘉納師範の教えからは、多少異なる組み方です。故に、この姿勢で攻撃をしないで(国際5秒を超えて・国内6秒以上)その姿勢をしていると指導の反則を取るケースもある様です。
逆を言えば、攻撃の姿勢を取っていれば、何分、持っていても良いとも解釈できます。
事例としては、数年前の全日本実業団大会において、両袖からの袖釣り込み腰を得意とする、江上選手(九州電力)が両袖を持ち続けて反則を取られた記録があります。


多少、審判の解釈次第で反則になったり、ならなかったりする曖昧な部分である様ですが、好ましくない組み手であることは確かです。
反則ではないかもしれませんが、嘉納師範の教えである組み方「自然体に組む時は、右の手で相手の左襟を取り、左の手で相手の右袖を取る。左自然体の時はちょうどその反対になる」で繰り出す技を小学生には学んで欲しいと思います。

※画像は、嘉納師範(右)と三船十段の組み手です。

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Last updated  2008.02.15 22:55:19
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