13. Mount Juliet GC



この辺りはイングランドの侵攻によりヨーク公、後のジョージ2世の持ち物となり、それがさらに払い下げられた土地なのだとか


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広大な敷地には滔々と水をたたえた川が流れ、ゆったりとした馬場や、狩り場があり、ゴルフだけでなく、乗馬やクレー射撃、釣りにスパなど多くのアクティビティが楽しめる。メインのホテルは18世紀に建てられた領主様のもので、junhiroも今夜はこのお城に泊まる事になっている

疲れているはずなのに、領主気取りで敷地の散歩に出かけた。せっかくこの地を訪れたのだから、ゴルフだけでなく他にも見ておきたいという島国の貧乏人根性丸出しの自分がいた。日は傾き始め、寒さが増す中、放牧場を囲んだ散歩道を行く。小一時間の散策で誰と会う事もなく深まり行くアイルランドの秋を楽しんだ


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こんな館に男ひとりとはなんとももったいない。この夜は久しぶりにバスタブのあるホテルに泊まったのでお湯を張り、のんびりとお風呂を楽しみ疲れを癒した。やはり日本人にはシャワーだけの生活が続くと厳しい



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マウントジュリエットのコースは1991年にオープンし、今回の旅の中では唯一のパークランドゴルフ場だ。デザインはジャックニクラウスだが、いくつかの資料にはアイルランドゴルフ界の重鎮である、クリスティオコーナーの名前も併記されている

このコースではWGCのアメリカン・エキスプレス・チャンピオンシップが2002年と2004年に開催され、それぞれタイガー・ウッズとアーニー・エルスが勝利している。この他にもアイリッシュオープン(日本オープンのアイルランド版)が1993年から95年の3年続けて開催されており、トーナメントが行えるコースとしての評価も極めて高いようだ


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実はラウンドの朝は起きるのが辛かった。さすがに8日連続のラウンドで体が悲鳴を上げたようだ。ダルさから来る頭の痛さなのか、あるいは風邪の症状なのか自分でも判断ができない。ラウンドフィも70ユーロ(約7300円程度)と安かったので、このまま寝坊してラウンドを流してしまおうかとも思ったくらいだった

が、いつこの地を再訪する機会があるかもわからないので、何はともあれティオフする事にした


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結論から言うと、この旅の中で唯一のパークランドのゴルフ場は、本当に来てよかったと思えるコースだった。落ち着いた林間コースの佇まい。林間とはいえ、日本のコースのように密集した松に囲まれているのではなく、存在感のある木がポツンポツンと立ち、ホールにアクセントを加えている


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静かな秋の日のラウンドは誰に邪魔されることのない一人旅となった。スタート時の気温は5度、フェアウェイには朝露が輝いている。あたりには鳥の声しかなく、吐く息が白い。振り返れば自分の足跡と、手引きカートのタイヤの跡が自分の軌跡を描いている

木々の他にも池や川が巧みに配置されていることで、リンクスタイプのゴルフ場ではなく、パークランドだという事を認識させられる


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この日のラウンドではニクラウスが配置したバンカーに憎らしいほどに引っかかった。が、ここのバンカーは出しやすいだけでなく、距離も合わせやすくバンカーショットが上手くなったような錯覚に陥った

パークランドとはいえ、このコースのバンカーもかなり深いのだが砂が厚い事と、砂の種類が違うようでなんだか相性が良いようだ。リンクスの砂は総じて粒がとても細かく、また、湿っている事が多く、難しさを増しているのかもしれない

この2-3ラウンド、短いパットを決めきれずに苦しんでいたが、返しのパットをしっかりと沈める事に集中した。仕上げが素晴らしく、早いグリーンでは短いパットも気持ちよく打て、少し調子が取り戻せたようだ


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18ホール回るうち、ゴルファーには2組しか出会わなかった。もちろん前が詰まる事も、後ろから迫られる事もなかった。ホールで写真を撮ったり、コースガイドを眺めたりしたので、3時間40分ほどかかったが、まずまずのペースだった。日本でもいつもこんな感じで回れたら良いのにと思う

このコースを回りながら、日本ではどんなコースと似ているだろうかと考えを巡らせていた。頭に浮かんだのはオークヒルズ。そこをさらにゆったりとさせ、木々を熟成させた感じだろうか


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10月も中旬のこの時期、ゴルフ場は秋のメンテナンスの最中だ。Mount Julietではグリーンのエアレーションに出会う事はなかったが、フェアウェイの砂撒きに遭遇した。途中からjunhiroが行くホールの先をフェアウェイに砂を撒く車が進んで行く。雪だるま式にボールに砂が塗り重ねられ、球の勢いがあっという間に削がれて行く。早く追いつき、追い越さないと、、、


ラウンド途中からドライバーやフェアウェイウッドの当たりが極端に悪くなってきた。疲れからか、知らぬ間にアドレスがお辞儀するようになってきていたようで、それを修正するとまたショットが良くなった


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美しく「ゆく秋」の雰囲気をもったゴルフ場でのラウンドを終えると、ロッカールームでシャワーを浴びた。ロッカールームは2004年のWGCの時のセッティングがそのまま残っているようで、全てのロッカーに出場選手の名前が書かれたプレートが貼ってある

よりどりみどりの中、今年メジャーチャンプに輝いたダレン・クラークのロッカーを借りる事にした。彼は北アイルランド国籍だし、ここの地元選手のようなものだ。他にもタイガー、エルス、ワトソンのほかPGAやWGCのレギュラーメンバーのロッカーがたくさんあった。日本人は丸ちゃんと晋呉のものがあったが、時代を感じさせた瞬間だった

すっかりリフレッシュすると、練習場を見渡すレストランで昼食をとり、次の目的地に向かって出発した。途中、レンタカーのトリップメーターが借り出し以来、1000キロを記録した

いよいよ明日はThe European Club、この旅最後のラウンドだ

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