06. キャディ


パートナーであるキャディについて、触れてみたいと思う


キャディは天候に合わせて白いつなぎか、黒いウィンド
ジャケットとオーバーパンツをはいている。 一様に
バンドンリゾートのコースのキャップをかぶっている

リックのキャップにはLooperと書いてあった。 これは
どういう事かと聞くと、ふつうのキャディの俗称とのこと
ループを描くようにゴルフ場を回るのがその語源らしい


キャディ達は通年でこの地にとどまるものもいれば、客が
たくさん訪れる夏の時期のみここでキャディをする者も
多いそうだ。 夏はそれなりに実入りの良い職業だそうだが、
バンドンの冬は早い。 

みながそれぞれの背景を持ってここで働いている



2010-08-BandonTrails-09

junhiroのバッグを肩に食い込ませ、急な下り坂を行く
パートナーのリック



バンドンでは客が滞在中はずっと一人のキャディが
その客に付くのがしきたりだという。 もちろん客から
要望があった場合には別のキャディを当てることも
あるそうだが、そんな例はとても少ないのだそうだ


電動カートが無いこともあり、ほとんどの人が専属の
キャディを雇っているように見えた。 そして、お客が
多い夏はキャディだけでも400人はバンドンに常駐
しているそうだ


日本のキャディと比較して信じられないことがひとつ
遠くからパットをOKの距離に寄るとボールを返して
くれるが、なんとボールを蹴って返すのだ

リックはjunhiroにそんな振る舞いはしなかったが、
他のキャディはなんの疑いもないようにそうする。 

その光景を見て初日のキャディが乱暴な人なのかと
思ったが、2日目に一緒になったキャディ達も同様の
振る舞いをするのできっと当り前の話なのだろう。 



2010-08-BandonDunes-32

バンドンデューンズの17番を行くリック
崖の右手に広がるのはゴースの森か?  

バンドンデューンズはこんなゴースの森を切り開いて作られた
そうだが、それを根から根絶するのは壮絶な戦いだったそうだ





キャディの起源は、スコットランドで女王が小姓を連れて
ゴルフをしたのが最初と夏坂健氏の本で読んだ記憶がある

フランス語で小姓をカデ(Cadet)と呼ぶところから英語で
CaddieあるいはCaddyとなったらしい。 ゴルフが発展する
中でキャディ達の多くは地位も低く、教育もあまり受けて
いないものが多く、日銭を目当てに仕事をするものも
多かったらしい


そう考えれば彼らの振る舞いは実は本場のそれに近いもの
かもしれないと思ったりもする。 もちろん日本でそんな
ことをキャディがすれば大問題に発展するだろうが、
この地ではその体験すら面白いと思えるから不思議だ




ところで、他のキャディに目をやるとSenior Caddieと
書いてあるキャップをかぶっている人もいる。 必ずしも
給与が高いわけではないがキャディの中にも位があるようで、
上客についたり、あるいは1人で二つのバッグを担いだり
する猛者もいる


10キロずつふたつのバッグを担ぎ、さらに一日に
2ラウンドを付き合う。 コースはアップダウンがある
リンクスで、所々は砂地で足を取られて歩きにくい所も
あるのだから間違いなく重労働だ



2010-08-PacificDunes-10

それぞれにキャディがつくのでなんだかコースに人がたくさん

この日は肌寒く、キャディ達は黒のウィンドを着込んでいた




さて、この2日間で4ラウンドの時を共にしたキャディの
リックだが、、、


良いショットには惜しみなく賛辞をくれ、悪いショットでも
常に前向きな言葉をかけてくれた


パットの読みやクラブの選択で意見がわかれることも
あったが、良いパートナーだった。 2日間とも後半の
18ホールを1人で回ったが、一人きりだったら疲れで
集中力もなく散々なゴルフになっていただろうと思うと
彼の支えはありがたいものだった



2010-08-OldMacdonald-13

オールドマックのうねうねをキャディ達がゴルファーの
バッグを担いで先を急ぐ




見た目では50代後半から60代前半に見えるリックは
小柄で不思議な感じのする男だった。 事あるごとに
結婚したいんだと言う。 ミュージシャン志望で
今でもキーボードやピアノ、ギターを弾くという


この仕事は夏の間の季節労働者のようなもので、今年で
3年目だという。 お嫁さんをもらうためにも、金を貯めて
安定した仕事を見つけたいがなかなか難しいのだそうだ



そう言いながら、キャディのために用意された格安の
従業員用の宿泊施設には入らず、街から40キロほど
離れた週に200ドルのモーテルに滞在しているのだと
言う。  彼曰く、お金を無駄に使っていると自嘲気味に
話してくれた


20代の頃には結婚していた時期もあったがツアーで
家を空けることが多く、次第にうまくいかなくなって
しまったと話してくれた。 どことなく寂しげで、
人を怖がっているような匂いのする男だった




P.S. キャディにいったいいくら渡すのか?

この疑問を持っている人は多いと思います。 たとえば
ぺブルビーチリゾートではキャディフィはチェックイン時に
払い、キャディに直接渡すのはチップのみですが、バンドン
デューンズではキャディに全額を現金で渡すのが習わしです

ちなみにだいたい$80~$100ドルが目安で、満足度に
応じてこの金額内で調整し、さらに素晴らしい経験をしたので
あれば上乗せをしても良いかもしれません(2010年)



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: