医師の子どもが弱視になったとき

医師の子どもが弱視になったとき

母の愛は万能薬か?

母の愛は万能薬か?



 保育所時代、たちの悪い風邪が大流行し、クラスのほかの子が全員代わりばんこに入院したときでもただ一人感染しなかったほど体の丈夫なまめっちが、年長さんの秋ごろから、しばしば「頭が痛いの」と訴えるようになりました。
 小児科を受診しても、異常は見つかりません。たまたま習い事(公文式)の教室で強く症状が出たことがあったため、精神的なものが関与しているのではないかといわれましたが、親としては子どもがお姉ちゃんと一緒に行きたがるので通わせている状況で、それが体調に結びつくとはどうもぴんとこなかったのです。
 たまたま私の仕事が忙しくなりつつある時期だったため、彼女の症状はすっかりそのせいになり、親子のふれあい不足、習い事の強要といわれましたが、私が休みを取っても教室を休んでも頭痛は改善されません。ちなみに夫はその時期十分子どものために時間をとってやれる状況にあり、「親子の」ふれあい不足という指摘はまったく当たりませんでした。
 結局、弱視が見つかり、メガネをかけることで症状のほとんどは消えました。弱視はほとんど無症状だが、本をたくさん読むようになる5,6歳の時期に頭痛などの症状が出てくる場合も多いそうです。テレビを長時間見たり根を詰めて本を読んだりするとやはり疲れやすいので、多少気を配ってやる程度のことですんでいます。

 母親の仕事が忙しい。
 子どもに何か起こるとあまりにも安易にすべてそのせいになるのに、いささかげっそりしました。

 保育関係者、医療従事者の皆様。
 母の愛はなんにでも効く万能薬ではありません。
 病気は愛では治りません。視力の異常は愛があってもわかりません。
 そこのところどーかよろしく。

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