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1980年、勝新太郎演じるハミ出し刑事賀津勝利警視が犯罪に立ち向かう姿を描いた勝プロダクション製作の刑事ドラマが「警視-K」である。警視庁今宿署捜査一課警視、通称:ガッツは何よりも自由を愛し、独自の信念と正義感を武器に犯罪を追うハミ出し刑事。拳銃は持たない主義であり、緊急時は長さ5メートルもの鎖に繋がれた「投げ手錠」で犯人を捕らえる。普段は署内の片隅の小部屋で博打とゲームに明け暮れ、刑事たちと行動を共にする事はない一匹狼だが、決して孤立しているわけでもなく、他の署員たちも何かと賀津をサポートする仕草を見せる。定住所を持たず、娘・正美(奥村真粧美)と共にキャンピングカーで放浪生活を送っている。このドラマ、勝自身が主演に加え、監督・脚本にも取り組んだ意欲作であり、勝の意図で作品にリアリティを出す為、脚本はストーリーの骨格など主要な部分だけを残し、出演者のやりとりは全編ほぼアドリブで行われている。勝の実子・奥村真粧美がそのまま娘役でレギュラー出演し、妻の中村玉緒も賀津の別れた妻として登場するなど話題も多く他にも、勝と馴染みの深い緒形拳、原田芳雄、ジュディ・オング、原田美枝子ら豪華な面々がゲスト出演した。しかし、フィルム撮りでロケーション主体の作品ながら、どんな撮影状況でも音声は同時録音で行うという、テレビドラマとしては比較的特殊な撮影が行われ、演者の音声が周囲のノイズと混然となり、聞き取りにくい箇所が多く存在する。また状況説明のみの演出で台詞のやりとりは俳優の個々の解釈に委ねるなど、即興性や臨場感に拘った結果、出演者が台詞に詰まる場面も見受けられた。実際に第1話放映の最中から「台詞が聴こえない」「言ってる意味がわからない」などと抗議の電話が殺到。平均視聴率は5.4%とゴールデン枠としては最低級であったがそれでも勝の意欲を汲んだ日テレは、全26話での編成を維持しようとしたが、予算の大幅オーバーに加えて勝のワンマンな制作体制による撮影スケジュール圧迫が追い討ちをかけ、結局13話で打ち切りとなった。これら勝の試みた実験的要素が当時は受け入れられなかったと見る向きが多いが、その後本作の再評価が進み、その構成が「日本のヌーヴェルヴァーグ」だと評された。【在庫あり あす楽対応】除菌衛生スプレー50 BEM50 50ml【P2B】
2020.03.31
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