透明人間と蝿男 | メタボの気まぐれ

1957年8月25日公開の大映製作の特撮映画
「透明人間と蝿男」は大映透明人間シリーズ第2弾で
夏休み企画として上映され
併映は「赤胴鈴之助飛鳥流真空斬り」と
プロレス映画中継「頭突きと空手チョップ」である。

日本を震撼させる姿なき殺人魔が多発した。
旅客機上の密室殺人事件をはじめ被害者はいずれも
白昼の繁華街か完全な密室で殺され
手掛かりといえば現場附近で聞かれた蠅の羽音だけ・・・

捜査陣は全く翻弄された形だった。

その頃、若林の友人で少壮物理学者である
月岡博士（品川隆二）は早川博士（南部章三）の指導で
宇宙線研究の途上、偶然にも透明光線を発見。

この発見を知った殺人鬼はこれを奪わんと
遂に早川博士を殺害した。

恩師の死に月岡は決然と還元装置が未完成のまま
透明光線の前に立ち自分の姿を消して
若林ら捜査陣に協力する事になった。

そして殺人鬼は一瞬にして体を縮め蠅の姿になる
即ち蠅男だという事を知った。

ナイトクラブの踊子・美恵子（毛利郁子）
葉山刑事（浜口喜博）と次々に惨殺した。

だが、南米帰りと称する謎の大富豪・楠木（伊沢一郎）の
正体を追っていた月岡は彼が南方の島から
旧・日本軍の秘密兵器で姿を蠅に変え

殺人鬼・蠅男は楠木の手先だった。

楠木は敗戦の時、彼一人に戦犯の罪を着せて
日本へ逃帰った上官、同僚たちに復讐を隔てていた。

透明人間・月岡と自ら蠅となって逃れる楠木との
決戦がはじまった！！

この映画に登場する蝿男とは後に20世紀フォックスが
公開するハエと人間が合体したモンスター「ハエ男」ではなく
ハエのようなサイズの人間がハエのように
飛ぶ事が出来るという意味でありました。

また本作で注目するのが初代・グラマー女優と言われた
毛利郁子がデビューしており、これは新東宝の
初代・巨乳女優、前田通子のライバルとして登場し
1960年代の日本映画の斜陽期において妖艶な演技で
映画界を牽引した実績のある女優である。