極悪拳法 | メタボの気まぐれ

時は第一次世界大戦、日本中に潜伏したスパイを
抹殺する業務を請け負った拳法者の活躍を描くという
戦争＆アクション映画を1974年、東映が制作したのが
渡瀬恒彦：主演の「極悪拳法」である。

大正３年７月、サラエボ事件を契機に
各国の軍部が総動員してしまい
瞬く間に第一次世界大戦が火蓋を切った頃、
日本の参戦が世界から注目され、
その動向を探るため各国のスパイが日本に送り込まれて来た。

密偵狩りの命令を受けた愛国団体・東狼会の創始者
黒田東天（大木実）は稀代の拳法使いと恐れられながらも
気楽な用心棒稼業で気ままに暮らしていた
桜木鉄拳（渡瀬恒彦）に密偵一人狩るのに300円で依頼。

鉄拳は仲間入りを申し出た辰巳丑寅（沢村忠）
石丸勝心（ガッツ石松）を引きつれて
ドイツ、ロシアなどに情報を売る密偵団の主脳である
同海桜飯店の主人・鄭（天津敏）を倒すべく
横浜の南京街に乗り込んだ。

まず鄭から情報を得た劉（笹木後志）とドイツ人である
ヒムラーの息を止めるが鄭を追いつめた石丸が

ある日、女郎のお春（光川環世）と
サーカス見物をしていた鉄拳は一座の人気者の
手裏剣投げが鄭である事を見抜いた。

舞台裏での凄絶な死闘の結果、
鉄拳をかばって鄭の手裏剣を受け、

密偵団の主脳と目されていた鄭の死にも関わらず
日本軍の青島奇襲作戦がドイツに洩れていた事を
事前にキャッチした軍内部は別の組織が
暗躍している事を突き止めた。

黒田は自分の安全を守るため鉄拳を密偵に仕立て
腹心の鷲見（石橋雅史）海堂三兄弟に命じて
鉄拳暗殺を企る。

黒田こそ密偵の主謀者だったのである。

鷲見を倒した鉄拳は自分がスパイ扱いにされている事を知り
東狼会の真っ只中へ乗り込んだのだが・・・

この映画で主役を演じた渡瀬恒彦は早稲田大学在学中に
空手道部に籍を置き、段位は弐段という腕前から
本作主役に至ったが、アクションスターとしては
物足りない中途半端な俳優なってしまうも

その演技力は「赤穂城断絶」「事件」でブルーリボン賞
日本アカデミー賞、キネマ旬報で助演男優賞を受賞し
評価が高くなりました。