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2006年10月04日
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カテゴリ: 戦争映画
1974 東映  監督:佐藤純彌
出演者千葉真一、若林豪、夏八木薫、菅原文太、丹波哲郎ほか
96分 カラー


 先日、丹波哲郎親分がご逝去されましたので、追悼記念として出演作を取り上げます。丹波さんはall cinemaを見ただけでも出演作は307作品もあり、そのall cinemaのリストにこのルバング島は入っていないことからも、さらに多くの作品に出演していることがわかります。独特の口調とふてぶてしい態度が印象的ですが、古手の戦争映画には主演級で、1970年代以降は高級将校役として出演していることが多いです。本作では草鹿少将役として脇役ではありますが出演しています。

 昭和49(1974)年フィリピンのルバング島から帰還した旧日本兵小野田寛朗少尉にあやかった陸軍中野学校映画。ただし、冒頭に小野田少尉の帰還風景やインタビューが挿入されていはいるものの、小野田少尉とは全く関係のないフィクションである。さらに加えて言えば、いかにもシリアス実録のようなタイトルでありながら、かなりの脚色と娯楽的要素が盛り込まれている。この作品を小野田さんがご覧になったのかどうかは知らないが、もし見ていたとしたらどう思ったのだろうか、と思わざるを得ないほどの脚色ぶりなのである。もちろん、娯楽作品ならば全く問題がないわけであるが、それにしても人間の尊厳やプライバシーという観点では、本作製作から30年の間に変化したのだなあという実感を得た。

 さて、本作の監督は佐藤純彌監督で「男たちの大和(2005)」を制作した人でもある。この人の作品はどうもつかみ所がないのだが、どちらかというと大仰な設定で表現がきつい所が多いようにも思える。本作も見事に派手な設定とどぎつい表現が多く、何だか任侠映画のようだ。調べてみたら、ちょうどこの時期任侠映画を多く監督しているようで、ストップモーションを利用した死亡シーンや音楽などはまるで任侠映画そのもの(笑)。そう言う意味で、本作はシリアスではなくアクション映画として位置づければそれなりに見えてくる。
 ただ、この監督は作品に必ずテーマのようなものを掲げており、それは冒頭の小野田少尉の、30年間何を考えていたかという問に対する「任務貫徹のみ」という答えがあることを理解しておく必要はある。この任務貫徹には情報部員としてたとえ終戦となっても、遊撃戦という任務を全うすべしという特殊性と、たとえ天皇の玉音放送があっても日本民族のために死すべしという暗黙の掟が背景にある。こうしたいわゆるスパイの特殊任務の悲劇なのだ。

 ストーリーはかなり現実離れした無茶なものが多い。訓練過程で「現役師団長を暗殺してこい」などそれはないだろう。また、格闘教練は千葉真一の空手だし、ソビエト大使館潜入の千葉真一は忍者かよと笑える箇所も少なくない。かと思えば、米軍パイロット虐殺シーンや村人によるリンチシーンなどかなり際どい表現もあるし、登場人物の残酷で不幸な結末は決して明るい作品とは言えない。むしろ、見終わった後の不快感や絶望感は結構強い。こうした内容や表現は、果たして陸軍中野学校の実態にどれくらい沿っているのだろうか、単なる娯楽にしては印象操作の感も否めない。でも、面白いけど・・・。
 任侠映画がよく「実録・・・」という表現を使っているが、本作もそれと同じと考えれば良いだろう。実録としたほうがインパクトが強いというだけのことである。「任務貫徹」という陸軍中野学校の掟に縛られた主人公と小野田少尉をそこにダブらせることで本作のテーゼに据えているのだろうが・・・・果たしてそれで良かったのか。製作当時のリアリティ(真実)性追及と現在(2006年)のそれとはかなりジェネレーションギャップがあるように感じる。マスコミニズムの変化と戦争に対する社会意識の希薄化というものが反映されているのだろうか。そんなことを強く感じた作品でもあった。


千葉ちゃんの空手指導

任侠映画バリの若林豪の最期・・・

興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★



(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧ください)
  見習士官村上浩次郎(若林豪)は参謀本部から呼び出し命令を受けて新橋駅に立っていた。長髪に平服といういでたちを憲兵伍長に咎められ逮捕暴行を受けるが、参謀本部に引き渡される。
 参謀本部では草鹿少将(丹波哲朗)、滝口中尉(菅原文太)らが待ちかまえており、国のために死ねるかと厳しい詰問がある。その詰問に合格した村上は東部三三部隊(陸軍中野学校)への転属を命じられる。そこには同様に集められた見習士官の菊池一平(千葉真一)、日高昭光(夏八木薫)らがおり、教官の滝口中尉から秘密戦士(情報部員)となることを告げられる。
 当初はとまどった彼らだったが、厳しい訓練を受け、滝口中尉から秘密戦士としての心構えを教育されるにつれ、意識が高まってくる。滝口中尉は、天皇は同じ人間であり、天皇のために死ぬのではなく日本民族のために死ぬのだと力説する。また、訓練中に死亡した春日井への責務で自害しようとする菊池に、秘密戦士にとって死ぬのは恥で卑怯なことだと説く。
 昭和19年7月、滝口教官は玉砕したサイパン島に残置謀者として潜入し、後任の教官阪田大尉(室田日出夫)とともに、中野学校は群馬県富岡に疎開する。そこでも厳しい訓練を続け、昭和20年3月、ついに最終試験を課される。村上ら三名は栃木刑務所の囚人解放、菊池ら三名は宇都宮飛行場格納庫爆破、日高ら二名は宇都宮師団長飯塚中将暗殺を命じられる。絶対に素性や任務を話してはいけない約束だ。しかも、阪田大尉は地元憲兵隊に中国人スパイが逃亡していると流言を流布する。
 日高と関は師団長暗殺に失敗し、関は憲兵隊に捕らえられ日高は付近の実家に隠れる。憲兵隊の拷問で瀕死となった関は仲間に救われたが、日高は実家のお手伝いの密告で自警団に追われてリンチ死する。
 4月になり、見習士官は少尉として各地の任務に転属する。村上は東部三八部隊の遊撃隊教官に、大友は中部三七部隊の遊撃隊教官に、菊池ら三名は参謀本部付きとなる。
 日ソ不可侵条約の危機に、菊池少尉はソビエト大使館に盗聴器を仕掛けにいく任務を帯びる。しかし、潜入に失敗し逮捕された菊池は政治的問題のために処刑される。それを村上少尉が見届ける。
 8月、ついに日本は降伏する。村上はいよいよ秘密戦士としての任務を果たすときと、教官の阪田から命令されたように部下を連れて山に籠もり、遊撃戦の準備に入る。しかし、次第に脱落者が増え、ついに三名となる。米軍キャンプに潜入しようとしたところを見つかり、部下二名が死亡。一人となった村上は米軍司令官の乗ったジープに単身襲撃をかける。しかし、あえなく反撃され蜂の巣となった村上の目には、米軍司令官の通訳としてジープに座っている、阪田の姿が映っていた。


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最終更新日  2006年10月04日 07時45分07秒
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