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2007年03月01日
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カテゴリ: 戦争映画
2005 MGP  監督:辻裕之
出演者:北村一輝、小沢仁志、本宮泰風、船木誠勝、江原修ほか
95分 カラー 


 チンピラ映画でお馴染みの小沢仁志率いる「MGP(ムービー・ギャング・プロダクション)」の制作で、制作総指揮は小沢仁志自身が努めたオリジナルビデオ。フィリピンミンダナオ島における、政府軍対反政府軍(モロ・イスラム解放戦線)の紛争に参加する外人部隊(傭兵)と、伝説の傭兵「リヴァイアサン」を求めて取材に行った日本人フリーライターの話。いわゆるB級映画であることは間違いないのだが、日本のマイナー配給でこれほどの作品が作れるのか!というほどマニアックに凝ったアクション作品である。難点をあげれば切りがないのだが、邦画で海外紛争を題材にして、これだけのスケールで映画を製作できるとは驚きだ。

 主演は北村一輝で軽薄なフリーライター役をそつなくこなしている。元プロレスラーの船木誠勝、松本明子の旦那の本宮泰風が傭兵役と出演しており、本宮の傭兵隊長役はなかなか堂に入ったもの。船木は出番は少ないが、役者としては・・・・。最後まで顔のはっきり見えない「リヴァイアサン」役は・・・消去法で行けば小沢仁志のようだ(映像の見た目は忌野清志郎に見える)。この他、特筆できるのはフィリピン人や傭兵などが全て外国人を起用している点。それなりの人数を揃えており、それだけでも日本映画の域を出ていると言える。ただし、演技に関してはかなりベタで、何人かは良い演技をするのだが、ほかは素人に毛が生えたような感じ。特に、外国人特有のジョークのシーンは・・・・まるで学芸会のよう。日本人にしても、台詞が浮くシーンがやたら多い。少なくとも日本人役者は一流の人たちなのだから、台詞が浮いて見えるのはシナリオのセリフ設定に問題があるのだろう。
 また、カメラワークで言えば、ビデオ撮影のためにスケール感が乏しいのは致し方ないが、人物へのアップ、パンがやや雑。その点で映像的に素人ぽいイメージが先行する。戦闘シーンはまあまあの出来。銃器類の発射炎や着弾炎がCGだったり、百発百中のはずの「リヴァイアサン」の射撃が主人公相手にだけは当たらない、というのは変だったが、邦画にしては頑張っている部類だろう。頑張りすぎたのは特殊メイクで、やりすぎと思うぐらいのグロ映像続出。ザクロ頭に、下半身チョチョ切れ、腕取れちゃったヨー、内蔵ドロン、など見るに堪えない。ホラー映画並。

 本作はアクション映画でありながらも、伝説の傭兵「リヴァイアサン」を探し求めるという、ミステリー的な楽しみもある。姿の見えない敵の緊張感や徐々に核心に迫っていくストーリーはそこそこの出来。主人公のフリーライターの心情変化もそれなりに描かれている。ただ、アクションやミステリーを強調しすぎたためか、本作のテーマというものが一貫して伝わってこない。随所に会話やナレーションで命の尊さや憎しみ合いの無意味さを説いているのだが、どうも空回りしている。そもそもアクション映画にそんなテーマが必要なのかという疑問もあるし、逆にそうしたテーマを伝えたいのならば、本作の作り込みではちょっと薄っぺらすぎるのだろう。とにかく「平和万歳」的会話やナレーションが浮いてしまってバランスが悪い。
 「小さな憎しみが積み重なって戦争になっていくのだ。」「小さなリヴァイアサンを倒すために真実を伝えていく。」「世界中の戦場で人知れず命を落としていった名も無き英雄達に捧ぐ。」など、言わんとすることも理解できるし、なかなか名文句もあるのだが、映画中では思わず失笑してしまうのは、作品のバランスに問題があるのだろう。むしろ、徹底的にアクションに徹した方が、暗にそうしたテーマを伝えられたではないかなと思う。

 登場する兵器類は当然の事ながらほとんどない。銃器類、RPG以外にはジープのみ。ヘリコプター映像はCGか合成。しかし、本作の醍醐味は傭兵隊員の軍装にある(笑)。本作はミリタリー軍装マニアによる製作ではないかと思ったほどマニアック。傭兵隊長の日本人郷田(本宮)は陸上自衛隊の戦闘服で、もちろん!?腕には日の丸がついている(爆)。このほか、私はあまり良くわからなかったがロシア軍系、イギリス軍系、アメリカ軍系、アジア系などそれぞれの国のカモ柄戦闘服とパッチ、帽子を着用しているのだ。まるで、カモ柄戦闘服コスプレショーのようだ。それを見ているだけで楽しくなってくる。
 なお、協力者としてフィリピン海兵隊(MC-7)司令官(大佐)やMBT(Marine Base Ternate)の司令官(中佐)や同基地のTBS(The Basic School)教官(大尉、少尉)、軍事教練指導官(曹長)の名前が出てくる。映画に登場するフィリピン政府軍やモロ解放戦線の兵士役としてフィリピン海兵隊員が出演しているということなのだろう。

 作品としては決して完成度が高いとは言えないが、本作には意外性がある。題材もロケーションも邦画には希有なものなので、たまに変わった趣向のものを欲するのならば楽しめるだろう。

興奮度★★★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★



フィリピンのミンダナオ島。キリスト教徒の多いフィリピン政府軍とイスラム教徒の反政府軍であるMSIJ(モロ国家独立聖戦)が激しい戦いを繰り広げている地域である。そこには政府に雇われた外国人傭兵の姿があり、反対に反政府軍側には一人で数十人の活躍をするという伝説の傭兵「リヴァイアサン」の存在が噂されていた。
 駆けだしのフリーライターの平川(北村)は、ミンダナオ島のリヴァイアサンの取材を依頼され、軽い気持ちで引き受ける。事前に元傭兵の岡部(船木)に会うよう勧められ、面会するが岡部は「やめておけ」と言う。岡部はボスニア紛争の最中にリヴァイアサンに遭遇し、彼以外の戦友が皆殺された経験を持っていた。
 ミンダナオ島に向かった平川は、飛行場で日本人の傭兵隊長郷田(本宮)に出迎えられる。そこから基地に戻る途中でイスラム教民兵の襲撃に合、平川は恐怖に震える。一旦は民兵を撃退したかのように見えたが、後を追っていった傭兵のヤコヴィッチとマイク・ジョンストンは伝説の傭兵リヴァイアサンに殺されてしまう。
 傭兵の基地でリヴァイアサンに会うまでは帰らないという平川を、傭兵達はせせら笑い、あと何日生きているかを賭けるのだった。特に、スティーブはかつて取材に来たフランス人記者の言動に腹を立て、マスコミを毛嫌いしていた。
 翌日、郷田の隊はMSIJの偵察隊掃討作戦に出かける。平川も随伴していくが、MSIJとの交戦の最中に目の前で次々に死んでいく仲間や敵兵の姿を見て放心状態となる。さらに、捕虜にした無抵抗の敵兵を撃ち殺す郷田を見て軽蔑と憎しみの眼差しを向ける。それを見て郷田が言う。「そのちょっとした憎しみが積み重なって戦争になるんだ」
 その夜、第一中隊のガルシアの部隊がリヴァイアサンの襲撃を受けて全滅。さらに、郷田の部隊の宿営地にもやってくる。異常なまでに正確な射撃で次々に傭兵が殺されていき、ついには郷田も撃ち殺される。平川は必死に逃げるのだった。一方、フィリピン政府軍はリヴァイアサンの存在に気づき、全軍を挙げての掃討戦を決意する。
 平川は逃亡の先で洞窟を発見する。そこはリヴァイアサンの根城でそれまでに殺した兵士の軍識票が所狭しと置かれていた。そこにリヴァイアサンが戻り、平川は見つかって殺されそうになる。間一髪でフィリピン政府軍の攻撃が始まり、平川は殺されずに済む。リヴァイアサンと政府軍は派手な攻防戦を繰り広げ、ついには多量の爆薬でリヴァイアサンの洞窟は爆破される。それ以後、リヴァイアサンの姿は見えなくなったが、彼の死体は見つかっていない。
 負傷から癒えた平川は誓うのだった。「小さなリヴァイアサンを倒すために真実を伝えていく。」


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最終更新日  2007年03月01日 07時23分39秒
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