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2008年03月06日
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カテゴリ: 戦争映画
1941 アメリカ  監督:ハワード・ホークス
出演者:ゲイリー・クーパー 、ウォルター・ブレナン、ジョーン・レスリーほか
134分 モノクロ SERGEANT YORK


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 第一次世界大戦における実在の英雄、アメリカ陸軍アルヴィン・ヨーク軍曹(1887-1964)の伝記的映画。敬虔な信仰により良心的兵役拒否者であったヨークが、1918年10月8日のアルゴンヌ攻撃で、20名のドイツ兵を殺害、132名を捕虜にするという武勇をあげ、一躍英雄となったものである。製作年代からして、戦意高揚的企図が多分にあるが、ヨーク自身の手記を元にした小説を題材にしており、かなり史実に忠実なようだ。
 ヨークはもともとテネシー州の貧しい農家の出で、放蕩息子であったが、牧師との出会いにより敬虔なクリスチャンに変貌していく。本作の前半はこの改心するヨークの様子を描いている。後半になると一転して第一次世界大戦に徴兵され、良心的兵役拒否も許されず軍に身を置くこととなる。持ち前の射撃技術によりめきめきと頭角を現していき、アルゴンヌの戦いでは先述の大功績をあげることとなる。米軍からは殊勲十字章、名誉勲章、フランス軍からは陸軍勲章を授与されている。
 アメリカ国内では英雄として祭り上げられ、各界からの祝福や歓迎の式典に引きずり回されるが、第二次世界大戦硫黄島の英雄を描いた映画「父親たちの星条旗(2006)」にも通じるものがある。しかし、大きな違いは、帰国後のヨークは多くの誘惑を断り、地道にテネシーで農業普及に努めたとされる点である。実際に彼の農業研究所も存在し、遺産を管理する財団法人もあるようだ。

 ヨーク自身は自伝が映画になることを敬遠していたようだが、ゲイリー・クーパーが演じるという条件で承諾したそうだ。恋人で妻となる女性グレイシー役も16歳という若いジョーン・レスリーで納得したとのこと。いささか美男美女すぎるような気はするが、本人希望の気持ちもわからないでもない(笑)。そのヨークを演じたゲイリー・クーパーはアカデミー主演男優賞を獲得。これを機に一躍著名となっていく。

 伝記をもとに作製されたものとはいえ、時期が時期のため内容的には兵役美化的な匂いが強い。アメリカ人に限らず敬虔なクリスチャンにとっては、永遠の命題なのだろうが、キリストの教えの「殺人」への忌避と、友情や国家のための戦闘殺戮の矛盾にさいなまれる姿が一つの見所である。日本人のほとんどは絶対的信仰を持たないが故に、なかなか理解しがたい所だが、絶対的信仰であるクリスチャンというのは、戦闘で殺人を犯す行為に様々な理由を求め、探し求めるものだと感心する。はっきり言って、彼らの論理は詭弁や歪曲以外の何者でもないと思うのだが、殺人を絶対否定していたはずの主人公が、次の瞬間には平然と敵捕虜を殺害するあたりは、何とも言えない高慢な身勝手さを感じてしまう。それなら信仰を捨てるべきだろうと思うのだが、そうしないあたりがキリスト教国家の傲慢さなのであろう。まあ、人様の宗教なのでどうでも良いが、ストーリー展開としてはどうにも腑に落ちない感じが残る。

 ヨーク軍曹が徴兵されるのは第82歩兵師団(オールアメリカン)の第328歩兵連隊第2大隊。第二次世界大戦時にはノルマンディ上陸作戦で勇名を馳せる空挺師団の前身である。フランス戦線従軍時には伍長となり、壊滅的打撃を受けた分隊を指揮し、対するドイツ軍第120、125ウュルテンベルク連隊, 第7バイエルン中隊、第210プロシア予備連隊の132名を捕虜にするのである。
 その戦闘シーンは、広角のアングルを用い、エキストラの兵も多いためかなりの迫力感がある。上部に陣取るドイツ軍の機銃座からの射撃に、下方からワラワラと突撃をかけるアメリカ軍の姿はいかにも第一次大戦だ。また、銃や砲の着弾シーンも上出来で、いささかも手を抜いた風はない。なお、映画ではスプリングフィールドライフル銃が使用されているが、実際にはドイツ兵を捕らえるのにM1917エンフィールド銃を使用したそうである。

 ストーリー的にはやや美化されているような気もするが、戦闘シーンや戦術という点ではなかなか興味深い作品だ。また、英雄となるのは生き残った一握りの人物であるが、その陰には多くの名もない兵士が存在しているということも忘れてはならない。ヨーク軍曹が栄誉に奢ることがないのは、せめても救いである。蛇足だが、米軍兵器に自走砲「M247 Sergeant York」という、ヨーク軍曹の名のついたものがある。

興奮度★★★
沈痛度★★
爽快度★★★
感涙度★



(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)



 しかし、転機は幼馴染みの娘グレイシーと出会いから始まる。グレイシーを巡って恋敵ゼブへの対抗心から、低地の土地を手に入れようと決心する。そのために60日間必死に働くが、120ドルまで僅かに金が足りない。アルヴィンは売人トムキンズに頼んで4日間だけ待って貰う。七面鳥撃ち大会の賞金で払おうと考えたのだ。七面鳥撃ち大会では見事優勝し、商品の牛を売って金を作るが、トムキンズは既にゼブに土地を売ってしまっていた。
 約束破棄に怒るアルヴィンはトムキンズを撃とうと出かけるが、途中落雷にあって銃が壊れてしまう。そして、その先にあった教会に足を踏み入れる。教会ではパイル牧師を始め、ヨーク家の家族、グレイシーらが暖かく迎え入れてくれる。アルヴィンはキリスト教の信仰に目覚めていく。
 すっかり改心したアルヴィンはゼブの所へ行き、低地の土地で働かせて欲しいと願う。ゼブは嫌がらせで買った土地だから好きにして良いと言う。トムキンズの所では、先に売ったロバを安値で買い戻すことが出来た。さらに、グレイシーは土地などなくてもいいとアルヴィンとの結婚に同意してくれるのだった。
 ところが、第一次世界大戦が勃発。ウィルソン大統領はドイツに宣戦布告。徴兵法が成立し、志願か徴兵かが選択された。アルヴィンは教義に従い、良心的兵役拒否をするため、徴兵免除を申請するも却下され、結局招集されてしまう。
 第82師団に招集されたアルヴィンは、ゴードン野営地でキャンプが始まる。良心的兵役拒否者として上官から目を付けられたアルヴィンだったが、射撃訓練の際に群を抜いた成績で、逆にバクストン少佐、ダンスフォース大尉、パーソンズ軍曹から、射撃の特別教官(伍長)就任を推薦される。アルヴィンは殺人への加担を拒否するため、これを辞退しようとするが、少佐や大尉から聖書の教義と自由獲得の戦いについて考えるため、10日間の休暇を貰う。
 地元に戻ったアルヴィンは「シーザーのものはシーザーのもの。神のものではない」と悟り、軍に残って国家のために闘うことを決意する。
 1918年10月8日、アルヴィンの部隊はフランスアルゴンヌにあった。ドイツ軍はデコヴィル鉄道で弾薬補給を行っており、アルヴィンの部隊は鉄道分断の任務を言い渡される。しかし、ドイツ軍の機銃座により、部隊は壊滅的な被害を受ける。そこで、ヨークを含む分隊がドイツ軍の背後へ回って攻撃するよう命じられる。分隊は見事ドイツ軍の背後を取り、一部のドイツ兵を捕虜にするが、一瞬の隙をついてドイツ軍の機銃射撃を受ける。残った兵はたった8名であり、アルヴィンは単身ドイツ軍銃座に忍び寄る。鳥撃ちと同様に一番後から順に射撃し、ドイツ軍機銃座のドイツ兵を倒していく。ついに、全ての銃座を支配し、大量のドイツ兵を捕虜にする。しかし、親友のロスが捕虜の投げた手榴弾で死亡。アルヴィンは犯人を見つけ容赦なく射殺する。
 たった8名で多くの捕虜を連行していく途中に、再びドイツ軍の兵と遭遇。アルヴィンはドイツ軍士官に命じて投降するよう説得させる。その結果、132名のドイツ兵が捕虜となり、たった8名のアルヴィンらによって連行されることとなる。
 この信じられない功績により、アルヴィンは殊勲十字章、名誉勲章を授与され、本国で圧倒的な歓迎を受ける。少将からの問いで、殺人を否定していたはずのアルヴィンの心変わりについて、仲間が殺されるのを防ぐためだと答える。
 アルヴィンは数々の招待やCM出演が舞い込む中、それらを断り、テネシーの実家に戻る。テネシーではグレイシーが待っており、あの低地にはテネシー州の人々の寄付で立派な住居が建てられていた。





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最終更新日  2008年03月06日 08時55分44秒
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