冒頭から宗教がかったような叙情的な出だしで、登場人物は職業軍人、作家志望、牧師見習い、美術史家、音楽演奏家、フォルクスワーゲンマニアなど、それぞれが個々の哲学を持った変人の集まりだ。ストーリー展開や、映像には隠喩的な場面も多く、真面目にストーリーを追うと、訳がわからなくなってくる。厭戦的・好戦的、強欲的・禁欲的、理想的・功利的など様々な対比された人間模様が描かれているのだが、それが行こうとしている方向性はなかなか理解しづらい。正直、私は??だった箇所が多いのだが、監督一流の厭戦や人間の不条理メッセージだったのだろうと理解している。 では、全編メッセージ性ばかりなのかというとそうでもなく、終盤は信じられないくらい激しい戦闘シーンに転換する。それまでの隠喩的な表現は何だったのか、と唖然とする視聴者(私)を無視して(笑)、ドンドンバリバリと機関銃、戦車、バズーカ砲、迫撃砲が撃ちまくられる。使用した火薬量はかなりの量と想定され、城のセットは見事に破壊されていく。戦闘シーンのリアル性はややチープだが、激しさだけは一流だ。その激しい戦闘の中に死を見いだしていくアメリカ兵に、監督は厭世的メッセージ性を込めているようにも見える(成功しているようには思えないが・・・)。衝撃度も高く、そう言う意味で「戦争のはらわた(cross of iron)(1977)」に通じる部分もあるように思えるが、いささか叙情と技巧に走りすぎた嫌いもある。