題名のCOTTAGE TO LETは直訳で「貸しコテージ」であり、スコットランドの上流階級バーリントン夫人の貸しコテージが作品の舞台となっていることからついている。バーリントン夫人の夫がイギリス軍兵器開発に携わる科学者となっており、彼を誘拐しようとするドイツ軍スパイは誰なのかが謎解きとして描かれる。 登場人物は余り多くなく、謎の捻りも難しくないので、比較的わかりやすい部類だろう。途中から徐々にスパイらしき人物が判明してくるので、後半はもう少しどんでん返しを期待したがさほどでもなかった。スパイものとして銃撃戦もあるが、ほんの少しでアクション性はないに等しい。特に終盤のクライマックスはかなり端折った感じで、ちょっと肩すかしをくらった感じ。もう少し、ハラハラドキドキがあったら面白かっただろう。そういう意味では単調な作品だと言え、時代性を感じさせる。 ドイツ軍によるロンドン空襲は1940年8月頃から本格化するのだが、本作ではそのロンドン空襲から疎開してくる少年が登場する。ちょうど制作期は被害が甚大な時期であり、集団で疎開してきて田舎町にホームステイする様子が生々しい。また、バーリントン家でチャリティパーティを開催するのだが、主役はあくまでバーリントン夫人で女系社会のイギリスらしい雰囲気が良く出ている。