映画に恋してる

映画に恋してる

2005.02.04
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カテゴリ: 永久保存版的映画





小高い丘の中央に
かわいい小さな屋根を並べた、
田園風景の広がるフランスの田舎の村に
ある日北風とともに、
赤いマントを羽織った母娘がやってきた。




南米マヤ族の流浪の民の血をひくという母娘は、
古いしきたりや慣習に
ガチガチの村人が住むその村で、
チョコレートの店を開くという。






あいさつと教会の礼拝への誘いに顔を出すが、
母ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、きっぱりと断り、
しかも断食の期間に店を開店させるという。





中世以来の伝統を守り続けているレノ伯爵は、
因習に縛られてきた、村の秩序と道徳の権化。
悪魔の誘惑(チョコレート)を運んできたヴィアンヌ親子を、
目の仇にして追い出そうとするが、
村人たちは次第に、
ヴィアンヌのチョコと神秘的な魅力に癒されて、
かたくなな心を溶かして変わりはじめてゆく・・。









「一口食べてみて。これがあなたの好みの味よ」 って、

「食べます。食べます。この映画が終わったらすぐにねっ!!」
っていうくらい、観てる間からチョコが無性に食べたくなった映画(笑)






チリを効かせたり、バラの香りを練りこんだり
秘伝のレシピで作り上げられる
バラエティーに富んだ魔法のチョコたちに

甘い香りとともに口に含んだらきっと、
どんなかたくなな心も、新しい風を感じたくなる。




物語に散りばめられた小さなエピソードは、
どれもステキで、心地がよい。
脇を固める登場人物も、みな魅力的だ。





主人公のヴィアンヌはもとより、
見えないカンガルーの友達を持つ娘アヌーク。(「ポネット」のあの子らしい!?)
頑固で毒舌の家主の老婆(ジュディ・デンチ)と、
そんな母を嫌い孫を遠ざけようとする娘(キャリー=アン・モス)との葛藤。
川に船の家を浮かべ、一箇所にとどまることを嫌うジプシーのルー。
(これがジョニー・デップ、カッコよすぎ・・・!)
堅物の村長と、それに振り回される新米の牧師。
冷え切っていた夫婦は仲を取り戻し、
暴力夫から逃れた妻は、自分の新しい生き方を見つけetc...






でもね、人々に安らぎを与えたはずの
彼女と彼女の娘も問題を抱えていたの。
風が吹いて流浪の血が騒ぐ・・というより、
彼女の「すべてを受け入れようとする生き方」が裏目に出て、
町を、村を、出て行かなければならない時が、
いつも必ずやってくるのだ。





それでもくじけないで前向きに生きようとする
母と娘の姿には、心がすがすがしくなった。





物語のラスト、
戻ってきたジプシーのルーが
壊れていたチョコの店の扉をなおし
おばあさんの灰の入った壺も割れた。
カンガルーもどこかへ去っていってしまった・・・。





彼女たちがこの村に留まる決意をした時、風が止んで春が訪れる。
これぞ、ファンタジー。
チョコレートの季節になると観たくなる
いつまでも大切にしたい映画なのだ。









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Last updated  2005.05.24 19:00:05
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あかまっちゃん2004 @ Re:アース  EARTH(01/17) ようやくDVDで見ました。ただ、プロジ…
Christophor@ ... [URL= <small> <a href="http://www.qerig…
セビセビ @ 七光り うおぅ。。 なぜかは分りませんが、禁止…
亜美tsugumi @ おおっ トムクルーズというキーワードに釣られま…
Jessie @ Re:親の七光りって言うけれど・・・   夏恋の映画独り言♪(04/24) ね!たしかにジュリアに目もとがそっくり…
sweet sue @ 本当だ! 笑顔がキュートなところそっくり! 目元…
ねこんちゅ @ 七光り おはようございます。 七光りは日本も…
マリーmypink @ 使っちゃえ!七光り~(笑) こんにちは~~ うわっ!目元がそっく…
夏恋karen @ Heikさん へ ★Heikさん、おはようございます♪ >そ…

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