日々のあぶく?

日々のあぶく?

May 16, 2006
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カテゴリ: 本
「歴史家(ヒストリアン)」は竜の暗号を解くことができるか?
The Historian 1

(1950年代)ハンガリー→イスタンブール(コンスタンティノポリス)→ブルガリアへ!
ポールとヘレンはロッシ教授を、ドラキュラの墓を探して国境を越える―
ドラキュラの死後、巡礼をしたとされるスナゴフの修道士の運んでいた「宝」とは?
「聖ゲオルギ修道院」はどこにあるのか?
2人に芽生えた恋。
トルグットらから知らされた彼らの目的とは?
"あれ"の毒牙に掛かったヘレンをポールは守りきることが出来るのか?
ロッシ教授を助け出すことは出来るのか?


父と再会するときに何が起こるのか?

様々な伏線、攻防戦があると匂わせていただけに、それを辻褄合わせだけで終わらせてしまったようなラストに気が抜けてしまった感あり。
あちこち舞台を移し、追いつ、追われつ、探しつつ…設定が魅力的だっただけに残念。
物語の中心となる1950年代は革命などで今よりももっと行動(国の行き来)に制限が多かった頃が舞台。
国籍が行動を制限する。なんだか考えてしまった。

以下メモ(ネタバレあり):
☆「本」の持ち主。
バーソロミュー(バルトロメオ)・ロッシ:歴史学者。イギリス人。☆
ヘレン(エレナ)・ロッシ:人類学者。バーソロミュー・ロッシの娘。ルーマニア人の母を持つ。ハンガリー国籍。

トルグット・ボラ:イスタンブール大学教授。シェイクスピア(英文学)専門。☆
セリム・アクソイ:トルグットの友人。本屋経営だけあって本に詳しい。

・ドラゴン騎士団及びドラキュラを追跡するために創立され、その任務は血族に引き継がれていた。そのため、ヘレンとポールに多大なる協力をする。とあるが、案外あっけなく、彼らをブルガリヤに赴かせたあとは尻すぼみに出てこなくなる。

エロザン:メフメト二世の文書館館員。3回の襲撃を受け死亡する。
アントン・ストイチェフ:ブルガリア在住。中世のバルカン半島諸国の専門家。☆

エヴァ・オルバーン:ヘレンの伯母。ハンガリー高官。
ヘレンの母:ブタペスト郊外に住み、村の文化センターに勤め、ひっそりと暮らす。竜の刻印を持つ。名字はジェツィ。


クラシミール・ラノフ:ブルガリア政府内に力をもつソフィア大学の関係者。
ゲーザとラノフはドラキュラの所在と所有権を(ハンガリーとブルガリア)それぞれの国にあると主張し、牽制しあう。

ヒュー・ジェイムズ:イギリス人。東欧史の教授。ブタペストで出会う。☆
ヴェリオール・ジョルジェスク:スナゴフ史を専門とする考古学者。若き日のロッシに協力。(スナゴフの修道院にドラキュラが埋葬されてないことを教える)
直接関わってこないが<大天使ミカエル軍団>:<鉄衛団>ルーマニアで活動する無法者。若者を改宗させ、ユダヤ人を憎むよう説く。

ジェイムズ:オックスフォード大学学寮長。トルグットと親交があった?→隠密部隊の一員だと思われる。
スティーヴン・バーレイ:オックスフォードの学生。「私」と共に旅をする。
「私」:ヘレンの母と同じ名前。

ドラキュラは首を刎ねられた。修道士は身体と首をあわせようとしていた?→巡礼の旅が読み解かれる。

ヘレンはドラキュラの子孫(末裔)。
1930年代、ルーマニアに住んでいたヘレンの母は若き日のロッシ教授と恋に落ち、彼も結婚を決意するが、ドラキュラの策略によって「健忘症」と言う酒を飲んでしまい、ロッシはその直前に会ったヘレンの母の記憶をなくす。
ヘレンの母はロッシが迎えに来ないこと知り、ショックを受けつつもハンガリーに亡命。
エヴァの下でヘレンを産み、育てる。

ロッシはブルガリアの修道院に連れてこられて。(失踪してから1ヶ月ほどあとに発見される)
ドラキュラの蔵書を整理する図書館員になり、死なざるものになれと毒牙に掛かりつつも最後まで抵抗。
彼の居場所を突き止めたヘレンとポールに後を託し、死ぬ。
ロッシの手記と、彼の残した古書を手にした2人は古書をオークションで売ることで莫大な資産を手にし、ポールはのちに財団を設立する。

2回目の毒牙に掛かったヘレンはポールと結婚し、2度流産のあと「私」を出産。
しかし、呪いの身であること、ドラキュラに脅かされる日々を案じて失踪。
(崖から思わず飛び降りたため、血を流した跡を見たポールはヘレンが死んだと思っていた)
一人、ドラキュラのあとを追い、追われの日々を送る。

フランス・ペルピニャン(スペインとの国境近く)、サマンチューの修道院で父・ポールに追いついた「私」。
そこを16年ごとに訪れるドラキュラと対峙。
ジェイムズ大学寮長、母・へレンの助けがあり、ドラキュラを退治する。(寮長死亡)
ヘレンは3回目の襲撃は受けなかったが(3回目の襲撃後は死なざるものになる。エロザンはトルグットらによって胸に杭を打たれたため、人として死んだ)、家族と再会した9年後、死亡。
(彼女に死後、ポールは密かに銀の短剣を持ち出している→死なざるものにしないための措置をした?)

ロッシ教授はヘレン母子の身を守るために、彼女と自分とは関わりないと言い張っていたのかと思ったら、ドラキュラの策略で記憶をなくしていたことが判明。肩透かしを食らった気分。
竜の本は自分の図書目録を作る素質のある者を探すために印刷し、
将来を嘱望されている学者や、竜の後を追って巣穴まで行き着けるほどの粘り強い学者にばら撒いたというドラキュラ。
(コンスタンティノポリス陥落の年にちなんで1453冊印刷する予定で大望まであと一歩らしい)
だが、その一方で(選別の為とはいえ)妨害もする矛盾。
ヘレンをポールが死んだと思ったように、一時はドラキュラも(へレンが死んだと思って)毒牙にかけに来なかったとの記述があるが、
血の匂いで気付くとか、特に、ヘレンは自分の子孫でもあるから、なんかしらの執着があり分かるとかもない。用意周到の策を用いた(と言う設定の)ドラキュラがそんな杜撰なのだろうか?と疑問が残る。
最後にヒストリアンとなった私にまた竜の本が手渡される―ドラキュラは消滅してなかった?とにおわすラストもありがちな気が。
期待しすぎたせいかもしれないが、なんだか安直な設定に(設定するだけで生かしきれてない要素が多くて)ガッカリ。





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Last updated  May 18, 2006 03:34:26 PM


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