2005/02/02
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テーマ: 本日の1冊(3697)
カテゴリ: 読了本

1941年スペイン・マドリードから。。。。

中立を保っているスペイン。
ドイツはイギリス軍を相手に戦いながら、突如ソ連に侵攻し始める。
日独伊の三国同盟の日本は、史那・中国への批判をアメリカなどの連合軍から非難を浴び、鉄鋼や石油などの資源の輸入制限・・・後に輸入禁止にまで追いやられる。
資源の無い日本はジリ貧。。。。

舞台のスペインでは、スペインがどちらに付くかイギリス日本ドイツのスパイたちが情報合戦を行う。
ペルー国籍とスペイン国籍を持つ北都昭平、
イギリスのスパイ・ヴァジニア、
ドイツ総督カナリス、
日本公使・須磨。

イギリスのチャーチルは、アメリカの参戦を望み、その画策をする。
その為には、日本にアメリカを攻撃させ、アメリカの”参戦やむなし”という理由付けがほしい。
ドイツ軍がソ連に侵攻したので一息ついてるイギリス。
その間に、イギリスは国力を建て直してきていた。

ヴァジニアと共にイギリスに向う北都昭平。
ペルーとスペインの国籍を持っている北都だが、見た目が東洋人。
日本人と解かる容姿は、イギリスの敵国のドイツとの同盟国・日本のスパイとしか見られない。
もしくはドイツのスパイ。

イギリス・アメリカは、ドイツの暗号文も日本の暗号文もすでに解読して、スパイたちを二重スパイとして泳がせていた。
真珠湾攻撃の情報も早い段階で、米英に流れていた。
日本国内での日本の暗号文に対する過信。
海外から送られてくる情報を本気に取らず、過小評価しかせず、耳を傾けない日本陸軍。

イギリス、フランス、オランダなどアジアを植民地としているにも係わらず、日本が資源の為にアジアに侵攻すると文句を言ってくる。
白人優位論者で、アジアの人々を蔑視している。

スペインは南米など多くの植民地をアメリカ・イギリスの連合国に奪われて、連合国を好きになれないでいる。
しかし、内乱が終わったばかりのスペインは、どちらに付くこともしたくない。

そして、1941年12月真珠湾攻撃は行われた。。。。

***************************

イギリスはドイツとの戦況で、アメリカに参戦してほしいばかりに何とか日本からアメリカへの開戦を企てる。
アメリカもイギリスに対しての面目として、日本に経済制裁を強固にし、日本はどうにも立ち行かなくなる。

現代も資源のある中東をめぐっての利権の為の戦争。

スパイ合戦の面白さ。
陸軍を外務省との不仲は、未だに日本政界・官僚にもあるような感じだし。

史実をもとに描かれ、一部、歴史上実在の人物も登場するが、内容はあくまでもフィクション。
こういう作品が私は好きです。
歴史だけを読んでいっても面白味に欠けるし、人の心までは書いてない。
”もしかしたら、この時この人は こう考えていたかもしれない”とか想像するのは楽しいです。











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最終更新日  2005/02/04 10:12:23 PM
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Re:『遠ざかる祖国』・逢坂剛さん(02/02)  
artaxerxes  さん
 この作家さんの本を以前にもたくさん紹介されておられますが、僕にも楽しめそうに思います。

>陸軍を外務省との不仲は、未だに日本政界・官僚にもあるような感じだし。

 1991年の湾岸戦争のときは大蔵省と外務省が二元外交を行って筒抜けのアメリカのいいようにされ、しかも大金を拠出したにも関わらず全く感謝されませんでした。政治家にも全く「冷戦後」というものが見えていませんでしたし。
 大蔵省はその後財務省に改組されて絶大な権力の一部を削られましたが、役人根性は今も昔も変わらないみたいですね。日本のお役人は職務に忠実だし有能だとは思うのですが、縄張り意識が強いですね。

>歴史だけを読んでいっても面白味に欠けるし、人の心までは書いてない。
”もしかしたら、この時この人は こう考えていたかもしれない”とか想像するのは楽しいです。

 このお言葉、心に留めておきます。歴史はお金や資源ではなくて、人間が作るもののはずですしね。 (2005/02/05 03:29:50 AM)

Re[1]:『遠ざかる祖国』・逢坂剛さん(02/02)  
☆かよ  さん
artaxerxesさんへ>
>縄張り意識が強いですね。
-----
日記をちょっと訂正しています。
「史実にもとづいたフィクション」が正解です。
私、間違ってノンフィクションと書いてましたね、これでは正反対ですね~失礼しました。
縄張り意識は、今も昔も変わらないですね~。
イギリスのスパイも縄張り意識が書かれてましたが、大事な部分では結束してるのですが・・・
アメリカもFBIとCIAとか聞くこともありますが、やっぱり他国に対しての時は結束するのでは無いでしょうか?
「湾岸戦争のとき大金を拠出したのに評価されなかった」のは覚えてますが、今となってはそれでも良かったような気がするんですが・・・
自衛隊と言ってもイラクでは軍隊として見られているのでは?
信頼は永く掛かって作られるものですよね、そして憎しみは深く永く続く気がするのです。
日本人は忘れっぽい気がしますが(ある意味幸せな国民性かも?)イスラムは根深そう~。
他国に評価されなくても良い気がするのです。
ちゃんと平和への気持ちや貢献さえあれば。
資源の無い日本は所詮、軍事大国にはなれないし(ならない方が良いし)経済で頑張って目立たず静かに平和に暮らして生きたい。
これって考えが甘いでしょうか?

史実とは別に人の心はどんな風にも想像できる楽しさあります。
それとスパイなんて史実にも載らなかった人も居るかも・・・と思うと面白いです^^
(2005/02/05 10:43:11 AM)

Re:『遠ざかる祖国』・逢坂剛さん(02/02)  
ばあチャル  さん
>歴史だけを読んでいっても面白味に欠けるし、人の心までは書いてない。

その通りと思います。私もそのようにして読みたいです。

明治維新のことは書きつくされた感がありますが、太平洋戦争時代(2次世界大戦)については戦争の悲惨さ、翻弄された人生という面からは小説になっていますが、歴史小説としてのはこれからかもしれませんね。関係者が生きていらっしゃるということもありますでしょうね。厭な事は忘れようというのもありましたでしょうしね。 (2005/02/05 10:43:42 AM)

Re[1]:『遠ざかる祖国』・逢坂剛さん(02/02)  
☆かよ  さん
ばあチャルさんへ
>厭な事は忘れようというのもありましたでしょうしね。
-----
人って、辛く苦しい事は忘れないと生きていけないし、事実、辛く苦しい事は忘れるように出来てるらしいですね、心理学的に。
よく「時が解決してくれる」というように。
思い出すのは楽しい事ばかり・・・それで幸せで良いがします。
第二次世界大戦の頃の日本国内のこういう本は、まだあまり無いのですかね~?
おどろおどろしていそうな気がしますが、何かあったら教えてください☆^^
(2005/02/05 10:53:59 AM)

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