2005/09/13
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カテゴリ: 読了本


内容(「BOOK」データベースより)
アンカラで〈私〉は一人のトルコ人女性を訪ね、東京から預かってきたものを渡すことができた。
イスタンブールの街角では熊をけしかけられ、ギリシャの田舎町では路上ですれ違った男にパーティーに誘われて。
ふと気がつくと、あまたの出会いと別れを繰り返した旅もいつのまにか〔壮年期〕にさしかかり、〈私〉は、旅をいつ、どのように終えればよいのか、考えるようになっていた。

。。。。。。。。。。。。。。

イランのテヘランから黒海を見たくなり、トルコの黒海側のトラブゾンからサムスンへ。
そこからフェリーに乗りイスタンブールを目指す。
アジアとヨーロッパの混じった国トルコ。
アフガニスタンやパキスタンに比べると食事も美味しくなってきたが、物価も少し上がってきた。

これまで通ってきた国は皆”茶”を飲んでいた。
「チャ」か「チャイ」と発音していた。
トルコまでが「チャイ」が大好きで、”チャイ”の国は皆仲間なのだ。
〔アジア〕・・・・というとトルコまでがアジアなのか。。。
ギリシャに着き、そこは皆コーヒーを飲む。
でもイギリス人も紅茶が好き。ただし・・・
「ティー」
フランス語で「テ」
ドイツ語で「テー」
Tで始まるチャイを飲んでいる。
アジアはCで始まるチャイを飲んでいる。
イスラム圏からキリスト圏へやってきた。

旅が人生に似ているなら、幼年期、少年期、青年期、壮年期、老年期。
旅は、青年期を終えようとしている。
どんな些細な事にも心を震わせていた時期はすでに終え、辿ってきた土地の記憶だけが鮮明になってくる。
少年時代に読んだ本で、憧れのギリシャのペロポネソス半島の旅も終わろうとしている。
この旅に目的も目的地もないが、このギリシャの片田舎にだけは来てみたかった。
このぺロポネソスで特に何もなく船でイタリアに旅立とうとした最後の一日。
神様がくれたプレゼントか。。。。。、心置きなく旅たてる気がした。

地中海を望みながらの船の看板で、ウィスキーを飲みながら振り返る。
香港・マカオ・バンコク・チュムポーン・ソンクラー・ペナン・クアラルンプール・マラッカ・シンガポール・カルカッタ・ガヤ・ブッダガヤ・サマンバヤ・ラクソール・カトマンズ・パトナ・ベナレス・カジュラホ・デリー・ボンベイ・アグラ・アムリトサル・ラホール・ラワール・ピンディ・タクシラ・ペシャワール・カブール・カンダハル・へラート・シラーズ・イスファハン・エルズルム・トラブゾン・アンカラ・イスタンブール・テサロニキ・アテネ・ミケーネ・オリンピア・スパルタ・そしてパトラス・・・・。

~~~~~~~~~~~~~~

毎日がお祭りのような躍動感ある香港から始まる 1。
その幻想を抱えたままでのマレー半島・シンガポール 2。
そしてインド・ネパールで少しづつ哲学的なものへ 3.
パキスタン・アフガニスタンのシルクロード、それは憧れとは程遠い 4。
トルコ・ギリシャ・地中海、旅の終わりが見えてくる 5。

NO,1の香港編が好きだという人が多いようですが、私は3からが好きです。
とても今の時代では私には行けそうも無いということもですが、考えさせられるとでもいうか・・・

もうヨーロッパに入ってきました、終わりが近づいてきてます。





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最終更新日  2005/09/15 03:10:59 PM
コメント(6) | コメントを書く


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Re:『深夜特急 5』・沢木耕太郎さん(09/13)  
はなびら  さん
なるほどね~、お茶とコーヒーですか。先日TVでカッパドキアのレポート見ました。石がいっぱい林立してるんですよ、初めて知りました。西アジアは日本から見るとアジアって思えません。何でワールドカップ予選のアジアに入ってるんだと思ってしまう。 (2005/09/15 04:19:46 PM)

Re:『深夜特急 5』・沢木耕太郎さん(09/13)  
artaxerxes  さん
 イスタンブルの「熊屋」はこの当時から居たのかとおかしくなります。
 僕は残念ながらトルコ以東の国々に行ったことがありません(パキスタンだけは空港にだけ行きました)。イランは今でも比較的気軽に行けるので、是非とも行きたいですね。

 お茶の話ですが(ご存知かもしれませんが)、テもチャ(イ)も元は中国起源で、チャは広東語、テは福建語だそうです。「チャイ」と呼ぶ国はイスラム商人と広東商人の交渉で茶を導入したのに対し、ティと呼ぶ国はオランダやイギリスの「東アジア会社」が福建から輸入したため福建方言になったそうです。元を糺せば全て中国発なのですね。
 ちなみにヨーロッパでもポルトガル(英蘭よりも先に東アジアに来航した)及びセルビアまでのバルカン諸国、そしてロシアでは「チャイ」」と言います。なおドイツやフランスは圧倒的にコーヒー派の国です。お茶派のイギリスはむしろ西ヨーロッパでは例外ですね。

 トルコではギリシャと同様コーヒーも飲まれていたのですが、1974年のキプロス紛争の際、外貨流出防止のため国民に国産の茶を飲むことが推奨され(コーヒーは全て輸入品のため)、瞬く間にチャイが圧倒的になったという噺もあります。
 深夜特急に出てくる黒海沿岸のトラブゾンのあたりは雨が多く、茶葉の名産地です。 (2005/09/16 03:23:02 AM)

Re[1]:『深夜特急 5』・沢木耕太郎さん(09/13)  
☆かよ  さん
はなびらさんへ
「茶」と「紅茶」で同じ茶ではあるけど、CとTの違いなんです。
西アジアの人から見ると”日本はアジアって思えない”なんて言われているかもですね(笑)
ユーラシア大陸から外れた一番東のアジアですからね~。
ドキュメントとかは好きでテレビを見ますから、私もカッパドキアの見ましたよ^^

(2005/09/16 03:23:50 AM)

Re[1]:『深夜特急 5』・沢木耕太郎さん(09/13)  
☆かよ  さん
artaxerxesさんへ
> イスタンブルの「熊屋」はこの当時から居たのかとおかしくなります。

ということは、今でも居るという事?

> お茶の話ですが(ご存知かもしれませんが)、テもチャ(イ)も元は中国起源で、チャは広東語、テは福建語だそうです。「チャイ」と呼ぶ国はイスラム商人と広東商人の交渉で茶を導入したのに対し、ティと呼ぶ国はオランダやイギリスの「東アジア会社」が福建から輸入したため福建方言になったそうです。元を糺せば全て中国発なのですね。

中国発ですかぁ~・・・・
4000年の歴史ですかね~。
勉強になりました=^^
(2005/09/16 03:31:48 AM)

Re[1]:『深夜特急 5』・沢木耕太郎さん(09/13)  
artaxerxes  さん
>はなびらさん

 初めまして。横レスですが失礼いたします。

>西アジアは日本から見るとアジアって思えません。

 ヨーロッパ起源の言葉である「アジア」はむしろ本来西アジアを指す言葉で、日本や中国などは便宜的にアジアに入れられた経緯があります。ヨーロッパ人から見れば日本はアジアの果てですね。本家(笑)は西アジアのほうです。向こうはまぎれも無く日本を「アジアの国」だと好感を持って見ています。

 手前味噌ですが「アジア」の語源について日記に書いたことがありますので、長くて読みにくいですが御笑覧いただけると幸いです。
http://plaza.rakuten.co.jp/artaxerxes/diary/200406190000/

>何でワールドカップ予選のアジアに入ってるんだと思ってしまう。

 いわゆる「アジア」に属する国の中で、カザフスタン、トルコ、イスラエルはヨーロッパ予選に属していますね。
 カザフはロシア人が多いため(国民の4割)、トルコはヨーロッパに近いため、イスラエルはアラブ諸国がボイコットするのを防ぐために、ヨーロッパ・リーグに組み込まれています。
 くどくどと失礼いたしました。 (2005/09/16 03:40:51 AM)

Re[2]:『深夜特急 5』・沢木耕太郎さん(09/13)  
はなびら  さん
artaxerxesさん
そうですよね。あの世界地図って日本だけでのものですね。つい日本を中心に見てしまいますが日本は東の果てですかね。トルコって親日として有名でしたか?トルコはしかしイスラム教のせいで?中々欧州のお仲間に入れてもらうの大変みたいですね。
日記は後ほど見にうかがいます(^^) (2005/09/16 06:16:46 AM)

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