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2015/09/10
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カテゴリ: まちづくり
常総HM2




少し気になったので、常総市の 洪水ハザードマップ (災害予測地図)を見てみた。


まず鬼怒川の 氾濫の条件 として「鬼怒川流域・上流域に、3日間の総雨量が402mmという概ね100年に1回程度おこる大雨を想定」とある。

実際のこの72時間の降水量を気象庁HPで確認してみると、鬼怒川上流にあたる今市639.0mmと奥日光480.5mmで猛烈な雨が降っていただけでなく栃木県内6地点が全国1~6位を占めていた。

これだけ見れば「100年に1度の想定を超える雨」だったと言えるのかもしれないが、問題なのは実は2001年9月11日に奥日光で895mmを記録していることだ。

つまり、そもそも「100年に1度」という総雨量の設定自体が甘かったと言うこともできる。

実は自市以外のハザードマップを見る機会は多いのだが、前提条件を疑って見たということは一度もなかった。




次に、実際の常総市の洪水ハザードマップで堤防が決壊した石下(いしげ)地区の 浸水想定 を見ると(↑)、鬼怒川の東側は「深水0.5m未満」と「深水1~2m」と「深水2~5m」となっている。

確かに浸水の危険がある地区だったと言うことができるが、対岸の鬼怒川西側には「深水2~5m(濃い青)」が多く「深水5m以上(紫)」という極端に危険なエリアもある。

つまり洪水ハザードマップによると、今回大規模に浸水した鬼怒川東側よりも鬼怒川西側の方が圧倒的に危険なエリアとされていたのだ。

もしかすると、そんな意識が避難を遅らせた可能性もあるのかもしれない。

よく考えてみると、(想定できないから当たり前のこととはいえ)洪水ハザードマップにはどこの堤防が決壊するなどとは書いていない。

しかし実際には、どこが決壊するかによって被害状況は大きく変わってしまう。

川沿いに住んでいる場合は、洪水ハザードマップを確認しておくだけでなく「目の前の堤防が決壊したら」ということも想定しなければいけないということなのだろう。

☆          ☆


後でわかった事だが国土交通省のHPを探すと、常総市分の洪水ハザードマップには石下地区に鬼怒川の堤防決壊想定場所が示されていた。

しかも今回の決壊場所とは7~800mしかズレていなかった。

広島の土砂災害の時にも問題になったが、往々にして「危険個所・エリア」の指定や公表に対して住民は嫌がるし場合によっては反対してしまう。



ただしそのような場合でも、行政は現実を把握しておかなければならない。

数十軒単位なら濁流から逃れるための緊急連絡や緊急避難も可能だったと思われるが、常総市は知っていたのだろうか。

緊急対策本部(市役所)が水没して機能不全に陥るようでは話にならない。






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Last updated  2015/09/11 05:38:21 PM
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ミュウミュウ 店舗@ blqgjzji@gmail.com お世話になります。とても良い記事ですね…
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