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宮沢賢治が植えていた白菜が盗まれた事件と、日本主義思想、弥栄主義思想との関係は、深く、重い問題をはらんでいます。hamagaki様がブログで詳しく分析しています。ぜひお読みください。農本主義、満州開拓団につながる重い問題です。https://ihatov.cc/blog/archives/2023/08/post_1079.htm
2023.08.07
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前回は、宮沢賢治白菜盗難事件を調べた、賢治ファンのヨミと、農業大学志望のコータが、賢治と白菜とキャベツの関係を調べます。元ネタは私の以前のブログです。https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202012310000/#宮沢賢治 #白菜 #キャベツ #コミPo #マンガ
2021.10.23
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続編です。 白菜を盗まれなかった詩「白菜畑」を、宮沢賢治ファンのヨミちゃんと、農業大学志望のコータくんが考察します。 詩の詳細はこちら https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202012160002/ #宮沢賢治 #白菜畑 #ハクサイ #盗難
2021.10.16
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今回は趣向を変えてマンガを書いてみました。絵の描けない私でも安く簡単にマンガを作れる「コミPo!」は、楽しいソフトです。 今から95年前の1926(大正15)年10月13日に宮沢賢治が書いた「盗まれた白菜の根へ」を扱っています。 スマホには縦長のほうが読みやすいかもしれません。縦長版です。 詩の詳細は私の以前の投稿をご覧ください。 https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202012160001/ コミPo! 〜絵を描かなくてもポッとマンガがつくれちゃう!〜 / 販売元:株式会社ウェブテクノロジ価格:880円(税込、送料無料) (2021/10/10時点) #宮沢賢治 #盗まれた白菜の根へ #白菜 #マンガ #コミPo!
2021.10.10
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大正後期から昭和初期(1920年代)に宮沢賢治は岩手県で白菜の普及に挫折しました。 いっぽう、政府は明治後期(1900年代)から岩手県でキャベツの生産を推進し「南部甘藍」として産地化をはかっていたそうです。 政府は、食の西洋化による日本人の体格向上、富国強兵に取り組んでいました。そのため、西洋野菜であるキャベツの普及に力を入れるいっぽう、中国野菜の白菜には無関心でした。 しかし、昭和前期までは、キャベツの需要は一部の西洋料理店などに限られていて、農家の所得を広く引き上げることには、つながりませんでした。 いっぽう日本料理や漬物にあう白菜は当時既に東京で一般家庭用や業務用に需要が高まっていました。 賢治の死(1933(昭和8)年)後、政府は方針を転換し、中国野菜である白菜の生産を追認し、岩手県でも白菜の生産が増えました。 賢治は、夢想家だとか、空想的社会主義者だとか、現実ばなれしているとか、批判されることがあります。 しかし、葉もの野菜の選択をみると、政府より現実的です。10年早すぎて周辺の農家の理解が得られなかったことが、残念です。 明治から昭和前期の白菜とキャベツの普及については、下記論文が参考になります。 下記リンクを開き、青いバナーをクリックするとPDF形式でダウンロードできます。 (論文)近代日本における外来野菜普及の史的展開-キャベツ・ハクサイを中心に(清水克志) https://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&as_sdt=0%2C5&q=%E7%99%BD%E8%8F%9C+%E5%B2%A9%E6%89%8B%E7%9C%8C+%E6%98%AD%E5%92%8C&btnG=#d=gs_qabs&u=%23p%3DeC-vJ9x9YRYJ #宮沢賢治 #白菜 #キャベツ #南部甘藍 #食の洋風化 #西洋野菜 #中国野菜
2020.12.31
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主人公は林の中で焚き火をして野宿でしょうか、小屋の中の囲炉裏でしょうか。寒さで震える体に、熱い塩汁をすすり、焚き火を見ていると、さまざまな妄想や後悔が脳裏をかけめぐります。 そして、ここでも白菜が。宮沢賢治の心象のなかでは、白菜の普及の失敗が、本当に心の傷となっていたようです。「白菜をまいて 金もうけの方はどうですか」と、作者の白菜普及失敗をからかった普藤という人物はだれなのでしょうか。 賢治の死後、昭和10年代には、岩手県でも白菜が普及し始めます。賢治の取り組みが10年早すぎたのが残念です。 「この仕事で疲れを覚えたことがない」と断言し、教師の仕事に誇りを感じていた賢治らしくない「のろのろ農学校の教師などして」という珍しい表現に、農村と都会の文化格差に悩む、青年らしい生の苦悩が感じられます。また、焚き火の美しさを通じて農村に住むことの誇り、が描かれているのも興味深いところです。これは、いわゆる「第10稿」といわれる賢治が公開しないよう遺言した原稿の束の中の詩なのです。 #宮沢賢治 #林中乱思 #焚き火 #白菜 #妄想 #第10稿 #格差 (本文開始) 心象スケッチ 林中乱思 火を燃したり 風のあひだにきれぎれ考へたりしてゐても さっぱりじぶんのやうでない 塩汁をいくら呑んでも やっぱりからだはがたがた云ふ 白菜をまいて 金もうけの方はどうですかなどと云ってゐた 普藤なんぞをつれて来て この塩汁をぶっかけてやりたい 誰がのろのろ農学校の教師などして 一人前の仕事をしたと云はれるか それがつらいと云ふのなら ぜんたいじぶんが低能なのだ ところが怒って見たものの 何とこの焔の美しさ 柏の枝と杉と まぜて燃すので こんなに赤のあらゆる phase を示し もっともやはらかな曲線を 次々須臾に描くのだ それにうしろのかまどの壁で 煤かなにかゞ 星よりひかって明滅する むしろこっちを 東京中の 知人にみんな見せてやって 大いに羨ませたいと思ふ じぶんはいちばん条件が悪いのに いちばん立派なことをすると さう考へてゐたいためだ 要約すれば これも結局 distinction の慾望の その一態にほかならない 林はもうくらく 雲もぼんやり黄いろにひかって 風のたんびに 栗や何かの葉も降れば 萓の葉っぱもざらざら云ふ もう火を消して寝てしまはう 汗を出したあとはどうしてもあぶない
2020.12.30
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宮沢賢治が試験栽培した白菜に対する周囲の農家の反応について証言がありました。 飛田三郎 「肥料設計と羅須地人協会(聞書)」(草野心平 編 「宮沢賢治研究」2 筑摩書房全集別冊 昭和56年新装版)より (引用開始) 「リヤカーに積まれた白菜も驚きの一つでした。「あの白なのおっきな株っこは何だべ。きだいな野菜なもんだ。」結局は「外国ものの野菜だべ。」と云うことに落着した」 (引用終了) 宮城県や東京では知られ始めていた白菜が、岩手県花巻の賢治の周辺ではまだまだ珍しいものであったことがわかります。 隣県宮城県で生産され、東京で需要がある、白菜を生産して農家所得を上げるという極めて自然で良いアイデアだったと現代の私は思いますが、当時としては先進的すぎて普及しなかったのは残念です。 飛田三郎は、岩手県で小学校教員を勤めた最初期の宮沢賢治研究家です。賢治の原稿の全集化のための清書も担当し、賢治研究に大きく貢献しました。 底本は宮沢賢治全集の一冊として、全国の図書館で読めると思いますが、入手は難しく、また、ネットには公開されていません。(入手容易なちくま文庫版全集には掲載されていないようです。) 孫引きになりますが、グーグルスカラーの下記リンクの青いPDFのバナーを押すと論文が無料で読めます。該当部分は70ページの11行目です。 「宮沢賢治の手紙」米田利昭 著 https://scholar.google.co.jp/scholar?start=10&q=%E5%AE%AE%E6%B2%A2%E8%B3%A2%E6%B2%BB+%E8%82%A5%E6%96%99%E7%9B%B8%E8%AB%87%E6%89%80&hl=ja&as_sdt=0,5#d=gs_qabs&u=%23p%3DmRWpi7be39sJ #宮沢賢治 #白菜 #羅須地人協会 #農家 #農民 #反応 #評価
2020.12.29
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羅須地人協会時代に宮沢賢治が栽培し、盗まれたという詩を書いた白菜の品種は、「松島白菜」だと言われています。 松島白菜は、1920年ころ、品種の交雑を避けるため宮城県の松島の離島で育種されました。1923(大正12)年の関東大震災で、東京の伝統野菜の生産量が減少し、代わりに松島白菜が東京に大量に出荷されるようになりました。賢治は宮城県の産地の成功を見て、岩手県の農家所得の向上のため白菜の導入を考えたものと思われます。 賢治が栽培した「松島白菜」そのものは現代では種子は一般には手に入らないようです。しかし、「松島白菜」をもとに1920年代後半に選抜された「松島純2号」の種子は、現代でも購入できます。下記リンクは楽天アフィリエイトです。 渡辺採種場 ハクサイ 松島純二号 小袋価格:330円(税込、送料別) (2020/12/26時点)楽天で購入 また、「松島純2号」は、現在、宮城県東松島市の東日本大震災の津波被害を受けた地域で栽培されています。献上品になるなど、農村の復興に一役買っているそうです。 賢治が農村救済のため試験栽培した白菜は盗まれてしまいましたが、現代の東北の農村の復興に役だっているのをみて、天国で胸をなでおろしているかもしれません。 #宮沢賢治 #白菜 #松島白菜 #松島純2号 #東日本大震災 #復興 #農村救済 #羅須地人協会
2020.12.28
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花巻市の「宮沢賢治下の畑保存会」は、2020年9月4日に同市の小学生と白菜の苗を植えました。宮沢賢治が栽培した白菜と同じ品種「松島白菜」だそうです。賢治の詩では白菜は盗まれてしまいましたが、こちらでは、11月4日にみごとな白菜が収穫されたようです。 白菜が盗まれた詩へのリンクはこちら。 https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202012160003/ 新聞記事へのリンクはこちら。 "賢治の白菜、大きく育て 花巻・「下ノ畑」で児童ら苗植え | 岩手日報 IWATE NIPPO" https://www.iwate-np.co.jp/article/2020/9/5/84393 #宮沢賢治 #白菜 #下の畑 #松島白菜
2020.12.27
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農産物を盗まれるというのは実にいやな、力が抜けるような、衝撃的な出来事です。この詩は、羅須地人協会時代の実際の出来事をもとにして書かれたと思われます。 また、この詩は「日本思想」「弥栄主義」に対して批判的な立場にあるようです。近年、国柱会関連から、宮沢賢治と国粋主義との関連を説く論調もありますが、この詩に関しては反対の立場にあるようで興味深いです。 #宮沢賢治 #羅須地人協会 #白菜 #盗まれた白菜の根へ #日本思想 (本文開始) 一九二六、一〇、一三、 盗まれた白菜の根へ 一つに一つ萓穂を挿して それが日本主義なのか 水いろをして エンタシスある柱の列の その残された推古時代の礎に 一つに一つ萓穂が立てば 盗人(ぬすびと)がここを通るたび 初冬の風になびき日にひかって たしかにそれを嘲弄する さうしてそれが日本思想 弥栄主義の勝利なのか
2020.12.16
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宮沢賢治は、農家と農村の所得向上のため当時としては珍しい作物を試作しました。白菜もそのひとつです。 興味深いことに白菜が「盗まれなかった」という詩と「盗まれた」という詩の両方を書いています。こちらは「盗まれなかった」ほうです。 白菜を砲弾に例える比喩が面白いと思います。 #宮沢賢治 #羅須地人協会 #白菜畑 #盗難 (本文開始) 白菜畑 霜がはたけの砂いっぱいで エンタシスある柱の列は みな水いろの影をひく 十いくつかのよるとひる 病んでもだえてゐた間 こんなつめたい空気のなかで 千の芝罘白菜は はぢけるまでの砲弾になり 包頭連の七百は 立派なパンの形になった こゝは船場を渡った人が みんな通って行くところだし 川に沿ってどっちへも抜けられ 崖の方へも出られるので どうもこゝへ野菜をつくっては 盗られるだらうとみんなで云った けれども誰も盗まない 季節にはひとりでにかういふに熟して 朝はまっ白な霜をかぶってゐるし 早池峰薬師ももう雪でまっしろ 川は爆発するやうな 不定な湯気をときどきあげ 燃えたり消えたりしつづけながら どんどん針をながしてゐる 病んでゐても あるひは死んでしまっても 残りのみんなに対しては やっぱり川はつづけて流れるし なんといふいゝことだらう あゝひっそりとしたこのはたけ けれどもわたくしが レアカーをひいて この砂つちにはいってから まだひとつの音もきいてゐないのは それとも聞えないのだらうか、 巨きな湯気のかたまりが いま日の面を通るので 柱列の青い影も消え 砂もくらくはなったけれども
2020.12.16
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宮沢賢治は羅須地人協会時代に、様々な珍しい作物を試作します。農家・農村の所得向上につなげようという意気込みだったのだと思います。 白菜もそのひとつです。白菜は、現在ではメジャーな野菜で、日本の伝統野菜と思っている人も多くいます。しかし、白菜はもともと中国野菜で、大正末期~昭和初期には地方ではまだ珍しい作物でした。地方では青菜、漬け菜、冬菜などといわれる在来野菜が今の白菜の地位を占めていました。 宮沢賢治はそんなまだ珍しい白菜を栽培して、「盗まれなかった」という詩と、「盗まれた」という詩の、両方を書いています。 なにも事件がないのに、「盗まれなかった」という詩を書くのは考えにくいことです。自分の物を盗まれるというのは、たいへん衝撃的な体験です。それを詩にするほうが自然なように思われます。 私は、白菜を盗まれる事件が実際にあって、それをもとに詩を作ったと考えます。盗まれなかった詩は、こうだったらいいという理想を書いた詩ではないでしょうか。宮沢賢治の詩には、事実をもとにしながら、結果を逆にして理想を描いたものが、ほかにもあるのかもしれません。 次はそんな白菜の盗難に関する詩を紹介します。 #宮沢賢治 #羅須地人協会 #白菜 #盗難
2020.12.16
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