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2011.01.29
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カテゴリ: 処世術

                大正15年7月26日、星野温泉若主人への為に草す


一.自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
一.本を固うすべし、然らば事業自ずから発展すべし。
一.急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
一.成功本位の米国主義に倣ふべからず、誠實本位の日本主義に則るべし。
一.濫費は罪悪なりと知るべし。
一.能く天の命に聴いて行ふべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
一.雇人は兄弟と思ふべし、客人は家族として扱ふべし。
一.誠實に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
一.清潔、整頓、堅實を主とすべし。
一.人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。
  人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり。




六十六翁 内村鑑三



内村 鑑三
(1861年3月26日(万延2年2月13日)- 1930年(昭和5年)3月28日)
キリスト教思想家・文学者・伝道者・聖書学者。社会評論家。

札幌農学校第二期生であり、北海道に縁がある人物。
新渡戸稲造、宮部金吾とは東京大学予備門時代からの同級生。
『余は如何にして基督信徒となりし乎』『代表的日本人』



札幌農学校(北海道大学の前身)というと クラーク博士 が思い出されるが、
彼は1876年6月に来日、9月に新学校を開校(第1期生16名)、翌1877年4月に帰国している。
なので内村や新渡戸は直接、薫陶を受けることはなかった。

ところがその影響力は絶大で内村らに生涯を変えるほどの変化をもたらす。
というのは、僅か半年ほどしか接しなかった一期生は皆キリスト教に改宗していて、
その圧力により、半強制的に改宗させられることになる。
「武士の子」であり愛国心の強い内村鑑三が、外来の宗教であるキリスト教信仰へと到った




自分は2つのJを愛する。
ひとつはジーザス・クライスト(Jesus Christ)であり、
ひとつはジャパン(Japan)日本である。

2つのJ-イエスと日本-
そのどちらをより多く愛するか、自分は知らない。

自分はイエス(Jesus)を信ずるが故に、日本人に憎まれ、
また余りに日本的であるが故に、欧米宣教師に嫌われる。

しかし、私は2つのJ-イエスと日本-
を失うことはできない。





アメリカ留学中、上記の言葉のような葛藤と、拝金主義・人種差別の流布したキリスト教国
の現実を知ったことによる幻滅とで苦悩していた。
この時期、アマースト大学シーリー学長の言葉により、回心を体験。
医者になる道を捨て伝道者になる道を選んだ。

内村は、回心の感動にふるえながら、愛用の聖書の見返しに、英語で


To be Inscribed upon my Tomb.

I for Japan;
Japan for the World;
The World for Christ;
And All for God.


我が墓に刻印されるべきこと


我は日本のため
日本は世界のため
世界はキリストのため
そして万物は神のために



実際に彼の墓碑銘ともなったこの言葉は、無宗教な私にはピンと来ないが、
生きる指針を書き留め、その言葉通りに生きた内村のミッション・ステートメントに
他ならない。


内村鑑三という人は一生涯キリスト者として生きた首尾一貫なのにも関わらず、
とても振幅の大きい人のように思われる。
それはナショナリズムでありながら愛国者であり、キリストなのに儒教的であったり
するからなのだが、個人的には、こういう世間の分類に関係なく自分を持っている人が
とっても好きだ。
(私自身、右翼的だといわれたり、時に左派と言われたりする。
 カテゴリに自分をはめ込む必要はない。・・よね。笑)


内村鑑三『代表的日本人』(“Representative Men of Japan”)、
新渡戸稲造『武士道』(“BUSHIDO : The Soul of Japan”)、
岡倉 天心『茶の本』(“THE BOOK OF TEA”)。
この世界的なベストセラーの著者が同時代に生き、同じように世界に日本を紹介した、
というのは驚くべき事。明治人は凄かった。


また前談で長々と続けてしまった。
冒頭の「成功の秘訣」は温泉旅館の若主人のために経営の秘訣を説いたもの。
この温泉旅館が現在の 星野リゾート 。

自動車も徐行すべきというのは細かすぎて面白い。
アメリカに倣うなというのも留学帰りであり、キリスト者の内村が言うと奇妙でもある。


他人にではなく、己自身を頼れ!というのは独立心旺盛だった内村らしい。

誠実本位の商売を勧めてるあたりは正に日本的。(石田梅岩などのの考え方と同じ)

天命に従うのはいいとしても、自から己が運命を作ろうとはしてはいけない、
というのは私は賛成できない。これはキリスト的なのかな?


これを読む人、各人なりに、グサっと来るところは違うだろうし、
私のように賛成できない箇所も出てくるかもしれない。
でもやっぱりいい言葉。

経営の言葉としたが、人生の言葉として誰にでも参考になる。



最後の

人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり。

これは噛締めなくてはいけない。(頑張ろう!)





後世へ遺すべき物は、お金、事業、思想もあるが、
誰にでもできる最大遺物とは、勇ましい高尚なる生涯である。


『後世への最大遺物』



これもイイね!
我が子がこの最大遺物を手に出来るように精進致します!












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Last updated  2011.01.29 15:55:05
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